ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

SUWA公式オンラインショップスタート

news

諏訪貿易株式会社が展開しているSUWAブランドジュエリーの公式オンラインショップが本日よりスタート

特徴は完全オーダー!でもただの受注生産とは違います。

ジュエリーコンシェルジュがピックアップした
SUWAの完全オーダーの3つの安心!

1.その人にあったサイズで作るのでリングに負荷がなくバランス良く仕上がり、耐久性も高くなりますので既製品のサイズ直しとは違います。しかも、2年間と言う長い無料修理保証がついてくるので思わぬ修理が発生しても安心です。サイズが合わなくなっても大丈夫。エタニティーリング(全周リング)も対応なんて太っ腹です。

2.大自然が生み出した宝石は一つ一つが異なりますので、厳しい品質管理をしていても厳密にはジュエリー毎に僅かな違いがあります。SUWAの完全オーダーでは製作に入る前に裸石で確認が出来ます。納得してから買い物が出来るので安心です。
このような裸石のメールが事前に届きます。

loose

このリングの裸石です
K75454DIRU


3.ご購入の前に現物を確認したい場合は専用フォームから申し込んでお近くの取扱店で確認してからオーダーすることも出来るので安心です。試着してから直接オンラインショップで注文することも、そのまま取扱店で購入することも出来て便利です。お馴染のお店でしたらポイントもゲット出来るので嬉しいですね。

その他にケースの選択や日付や文字の打刻のサービスもありますので、ご婚約等のプレゼントにも対応しています。

詳しくはホームページでご確認ください。
オンラインショッピングガイド



ジュエリーアドバイザーの仕事帖

Minimum Metal、Maximum Gemのジュエリー上面

「ジュエリーは壊れる」
 「なぜ、リングの地金をこんなに厚く作るのですか?」「ヨーロッパのジュエリーのようにもっと繊細に作ったほうがエレガントではないでしょうか?」とまだ若かった私は怖いものなしで、当時すでに日本のジュエリーデザイナーのトップに上り詰めていた方に詰め寄りました。「これでいいのよ。日本のユーザーはこのくらい丈夫に作らないと直ぐに変形させてクレームになるの。ヨーロッパのユーザー並に扱いを分かっている人は限られているから。」と冷めた回答が返ってきました。若造ながら日本のマーケットを知り尽くしている業界の先輩の言葉に違和感を抱いたことを今でも鮮明に覚えています。
 ヨーロッパは伝統的に階級社会であり、ジュエリーを購入する層はある程度のクラスに属していてジュエリーのTPOや扱い方に精通しています。翻って日本はジュエリーの歴史が浅く、扱い方に慣れていない方が多いのも事実です。郷に入っては郷に従えとは言いますが果たしていつまでもその考え方のままでよいのでしょうか。
 確かに結婚指輪に代表される貴金属メインのジュエリーは何十年と着けっぱなしにする人がおり耐久性が必要とされます。一方、宝石がメインのジュエリーではどうでしょう。宝石の美しさを引き出すためには宝石を支えている貴金属が少ないことが理想とされます。これがMinimum Metal(ミニマムメタル)Maximum Gem(マキシマムジェム)の考え方です。もちろん身につけたら直ぐに壊れて宝石が外れるようでは困りますので、最低限の耐久性は必要です。大切なのはジュエリーの中には美しさを引き出すために工芸作品のように繊細なものがあり、そう言ったジュエリーの扱いには注意が求められると言うことです。
Minimum Metal、Maximum Gemのジュエリー裏面
Minimum Metal Maximum Gem

 ジュエリーが壊れて売り場に持ってくる方の多くが「何もしていなのに壊れた」とおしゃります。ジュエリー自体の耐久性に問題があることもありますが、マジックではないので何もせずに壊れることはありません。誤解を防ぐためにも販売時には「扱いによってはジュエリーは壊れます」とはっきり伝えることです。作業時には外すのは当然のことながら、意外なケースとしては両手にはめたリング同士が拍手することで当たって変形すると言った事例があるのも覚えておいて頂きたいところです。とは言っても腫れ物に触るように扱う必要はありません。使っていて自然につく擦り傷程度なら磨き直せば殆ど元に戻るので神経質になることはありません。  
 万が一壊れてしまったとしても殆どの場合修理は可能です。プラチナやゴールドで作られるのは腐食しづらい事だけでなく修理が容易な点も理由です。特にプラチナは宝石の装身具の素材として優秀です。粘性が高いために宝石を留めた爪が外から衝撃を受けても摩耗せずに伸びて宝石をホールドし、直ぐに外れるのを防いでくれます。
プラチナの爪が衝撃で伸びる(使用前、使用後)
プラチナの爪が衝撃で伸びる(使用前、使用後)

世代を超えて楽しめてこそジュエリーです。大切に使って長い間宝石の美しさを堪能して頂きたいと思います。

Grading’ Is Just for Natural Diamonds

Cibjo announcment

「ダイヤモンドグレーディングは天然ダイヤモンドだけ」
CIBJOは10月13日にLaboratory-Grown Diamond のGuidance documentをリリースしました。
合成ダイヤモンドの本質をついた内容なので紹介します。
CIBJOのサイトの説明は長いので10月13日RAPAPORT NEWSの内容を以下にまとめました。

CIBJOはラボは、ラボラトリーグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)ではなく、「グレーディングレポート」という用語を天然ダイヤモンドだけに制限する必要があるがあるとした。
ラボラトリーグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)は、グレーディングの概念を支える稀少性を欠いているとCIBJOは主張。代わりに、合成物の詳細情報を提供す文書は「ラボラトリーグロウンダイヤモンド製品仕様書」と呼ばれるべきと今週リリースした新しい一連のガイドラインで主張。
グレーディングレポートは、「稀少性の程度」を意味しているとCIBJOのスポークスマンは語った。
しかし一方で、消費者は製品の構成要素が何であるかを知る権利がある。大切なことは「グレーディング」という用語が削除されていること。 CIBJOの理事会は、ラボラトリーグロウンダイヤモンドの新しいガイダンスを、関連会社や各国の協会によるレビューに利用できるようにした。協議は、人工石の基準を作成するための2年間のプロセスの最終段階。ルールブックでは、製造業者の名前、製造国と製造方法(化学気相蒸着法または高圧高温法)、および成長後の処理に関する情報などの追加情報をラボに含めることも求めている。
また、石がラボで作られたことを示すために、レポートのColorとClarityのグレードの前に「LG」の文字を付けることを勧めた。
ガイドラインでは、ラボで作られたダイヤモンドをどのように説明し、見本市などのイベントでどのように展示するかも論じた。また、企業が納品書や委託伝表で石の出所を開示する方法についての推奨事項を示し、合成石鑑別技術についても論じた。
「ラボラトリーグロウンダイヤモンドガイダンスの重要な原則は、信頼を確保するために、消費者は購入内容に関する完全で明確な情報を受け取り、情報に基づいた購入決定を下せるようにすること」とCIBJOは説明した。
グレーディング基準と用語に関する別の文書であるCIBJOのブルーブックは、米国連邦取引委員会が2018年にその言葉を削除した後も、ダイヤモンドの定義において特に「天然」を保持した。


現在世界のラボの殆どが合成ダイヤモンドのグレーディングレポートを発行しいますが、CIBJOがダイヤモンドグレーディングは天然ダイヤモンドだけに使われるべきと「当たり前」のことですが、明確に表明したことは、さすがにヨーロッパ発祥の組織だと思いました。

米国連邦取引委員会がダイヤモンドの定義で天然も合成も「ダイヤモンド」としたことに異を唱えて「ダイヤモンド」の定義を「天然」とした事も米国の商業主義とは一線を画しています。

日本のジュエリー協会は「合成ダイヤモンドの呼称、表記および刻印に関するガイドライン」で合成ダイヤモンドの呼称、表記について以下のように発表しています。

1) 日本語での呼称・表記は「合成ダイヤモンド」とする。
2) 英語での呼称・表記は「synthetic diamond」とする。
※合成石とは同種の天然石とほとんどあるいは全く同一の化学特性、物理特性、内部構造を有する、一部あるいは全体を人工的に生産した物質をいう。

工場でつくられたものを「ラボラトリーグロウンダイヤモンド」と好イメージを抱かせる名称を使わずに「合成ダイヤモンド」と正確に表現したのは世界は日本に倣うべきだと思います。

*CIBJOとはthe World Jewellery ConfederationであるCIBJO (Confederation International de la Bijouterie, Joaillerie, Orfevrerie des Diamants, Perles et Pierres) はヨーロッパのジュエリートレードの為にBIBOAとして1926年にパリで設立されて、1961年にグローバル化するためにCIBJOに改組された。ジュエリーの国際機関として最も歴史がある。CIBJOの使命は、業界のメンバー間の正確なコミュニケーションのための基準化。




家庭画報チャネルに出演!

家庭画報チャネル

11月の家庭画報チャネルに出演します。
宝石の「美しさ」と「価値」について原田信之が本音で話します。有料ですが、本当の事を知りたい方は是非ご視聴ください。

詳細は画像のQRコードを開いてください。

ジュエリーアドバイザーの仕事帖

「受け継ぐ人に喜ばれること」

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パープルサファイアリング鳥瞰 twitter S

 深紅のリングケースを開けると見たことのない美しい紫の大粒の宝石が出現しました。この手の紫の宝石は多くありません。代表的にはアメシストですが、この輝きは違います。直感的に屈折率が高いサファイアが浮かびましたが、今まで見た紫のサファイアはこんなに透明度が高くありません。胸の高まりを抑えてルーペで覗くとインクルージョンから紛れもないサファイア、しかもスリランカ産の無処理(加熱の痕跡無し)であることを確信しました。
 息を呑む美しさに暫く言葉を発することが出来ませんでした。「凄い品質ですね。」とプロらしからぬ率直な感想が出てしまいました。紫の色相には赤味のパープルから青味のバイオレットまで幅がありますが、これは真ん中より少しだけ赤味がある紫です。紫外線ライトを当てると真っ赤な蛍光を発するのでルビーの着色因子のクロムを含有していることが分かりました。スリランカ産のカラーチェンジサファイア(注1)によくある特徴です。紫外線を含む自然光下でより生き生きする現象はビルマ産のルビーに似ています。宝石の品質で最も重視されるサイズ(重量)でも12カラットと十分で、三味線の胴の様なクッションシェイプも時代を超えて人気の形です。
パープルサファイアリング側面

 このサファイアリングはあるご家族から相続の相談で持ち込まれていました。相続されたご兄弟のお母様の持ち物で、私が勤務している諏訪貿易株式会社の前身(注2)から約80年前に購入されたものの一つでした。他にもまるで浮世絵のような繊細で品のある帯留め、オールドカットのダイヤモンドソリテールリング等がありましたが、どのジュエリーもセンスが良くプロが個人的に欲しくなるものばかりです。このサファイアリングのデザインも指に着けた時に大粒であることを感じさせない洗練されたものです。古いジュエリーは現代的にリモデル(作り替え)することが殆どですが、このリングは作り替えてもこれ以上に出来るとは思えない完成度が高いものです。
 私の会社は「受け継ぐ人に喜ばれること」をモットーに目利きになって良いものだけを扱うことを理念としています。このリングケースの内側には「東京 諏訪製 電京816」と印刷されていました。「電京」とは電話 京橋局の略で後に続く3桁の電話番号で時代の古さが分かります。思いがけず先人の仕事に出会って純粋に畏怖の念を抱き、未熟を自覚し更なる精進を心に期しました。
諏訪ケース内側

 サファイアリングはより多くのプロや愛好家に評価してもらいたいので国際オークションに出品することにしました。世界中の人達によってどのような評価が下されるのか楽しみなところです。品質の高い宝石は資産になることを多くの人に実感してもらうことが私の喜びです。
 
(注1)典型的なカラーチェンジサファイアは自然光又は蛍光灯下ではブルーからバイオレット(青紫)で、白熱灯ではパープル(赤紫)に変化します。
(注2)1908年(明治41年)創業

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原田信之

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