ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

あなたの知らないオークションの世界

オパールリング

「悔しい、嬉しい!」
 「4万円、4万2千円、4万4千円」オークショナーが2千円単位でせり上げる。3-4人が一緒に競っている。私もパドルを上げて応戦する。5万円を超えるとプロの人たちが降りた。残ったのは一般のご婦人一人。「6万円・・・7万円・・・8万円」えっまだ上がるの。その日は落札する気満々で参加していたが、予期しない上がり方に焦りを覚える。好みの宝石にプロらしくなく熱くなって追随。更に上がって「9万円、9万8千円」ご婦人に降りる気配はない。もう駄目。さすがにこれ以上はプロとしては出せない。結局私が諦めてご婦人が10万円で落札した。参加する前は5万円も出せば落札出来ると踏んでいたので思わぬ伏兵の出現に大誤算だ。
 実はこのロットは私が依頼者から預かって出品していたものだ。プラチナ台に1.5ctほどのオーバルカボションのウオーターオパールをダイヤモンドで取り巻いた典型的な昭和のデザイン。お預かりしたときにそのオパールの美しさに一目惚れしてしまった。ウオーターオパールとしては滅多に見ない透明度とブルー、グリーン、オレンジの鮮やかな遊色に目が釘付けになった。私がメインに購入するのはダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドの大粒だが、その他のカラーストンでも飛び抜けた品質のものは価格が高い安いに関わらず欲しくなる。
 元々は宝石バイヤーなので、プロ相手となると1ドルでも安く手に入れるために粘り強く交渉するが、一般の方が相手の場合は買い叩くことはしないと決めている。自分がお預かりした商品の中に欲しいものがあってもオークションに出品して他の買い手と一緒に競る事にしている。そこはオークション、買えることもあれば前述のように買えないこともある。プロ同士ならば、このくらいなら買えるだろうと高を括っていたところ、相場を気にしない一般の方の出現に想定を覆された。満足気に席を立たれたところをみるとご婦人はこのロットだけを競りに来たらしい。相手が悪かった。一般の方でも見る目がある方はいるものだと感心して自分を慰めた。
  もっとも、売却の依頼者にとっては願ってもない結果となった。もし依頼者が巷の買い取り店で売却していたら、ほぼ地金価格プラスアルファで3万円未満となっていたところだが今日のオークションでは手数料を引いても8万円以上を手にしたことになる。約3倍だ。これぞオークションの醍醐味であり、図らずも私もその一役をかった結果となった。
 今回は10万円程度だが、これが数百万円でも数千万円でも想定以上の落札結果となった実例は多数ある。依頼主が少しでも真っ当な価格を手にし、喜んでくれることがアドバイザーとしての本懐だ。
Brand Jewelry International連載


SUWA公式オンラインショップスタート

news

諏訪貿易株式会社が展開しているSUWAブランドジュエリーの公式オンラインショップが本日よりスタート

特徴は完全オーダー!でもただの受注生産とは違います。

ジュエリーコンシェルジュがピックアップした
SUWAの完全オーダーの3つの安心!

1.その人にあったサイズで作るのでリングに負荷がなくバランス良く仕上がり、耐久性も高くなりますので既製品のサイズ直しとは違います。しかも、2年間と言う長い無料修理保証がついてくるので思わぬ修理が発生しても安心です。サイズが合わなくなっても大丈夫。エタニティーリング(全周リング)も対応なんて太っ腹です。

2.大自然が生み出した宝石は一つ一つが異なりますので、厳しい品質管理をしていても厳密にはジュエリー毎に僅かな違いがあります。SUWAの完全オーダーでは製作に入る前に裸石で確認が出来ます。納得してから買い物が出来るので安心です。
このような裸石のメールが事前に届きます。

loose

このリングの裸石です
K75454DIRU


3.ご購入の前に現物を確認したい場合は専用フォームから申し込んでお近くの取扱店で確認してからオーダーすることも出来るので安心です。試着してから直接オンラインショップで注文することも、そのまま取扱店で購入することも出来て便利です。お馴染のお店でしたらポイントもゲット出来るので嬉しいですね。

その他にケースの選択や日付や文字の打刻のサービスもありますので、ご婚約等のプレゼントにも対応しています。

詳しくはホームページでご確認ください。
オンラインショッピングガイド



ジュエリーアドバイザーの仕事帖

Minimum Metal、Maximum Gemのジュエリー上面

「ジュエリーは壊れる」
 「なぜ、リングの地金をこんなに厚く作るのですか?」「ヨーロッパのジュエリーのようにもっと繊細に作ったほうがエレガントではないでしょうか?」とまだ若かった私は怖いものなしで、当時すでに日本のジュエリーデザイナーのトップに上り詰めていた方に詰め寄りました。「これでいいのよ。日本のユーザーはこのくらい丈夫に作らないと直ぐに変形させてクレームになるの。ヨーロッパのユーザー並に扱いを分かっている人は限られているから。」と冷めた回答が返ってきました。若造ながら日本のマーケットを知り尽くしている業界の先輩の言葉に違和感を抱いたことを今でも鮮明に覚えています。
 ヨーロッパは伝統的に階級社会であり、ジュエリーを購入する層はある程度のクラスに属していてジュエリーのTPOや扱い方に精通しています。翻って日本はジュエリーの歴史が浅く、扱い方に慣れていない方が多いのも事実です。郷に入っては郷に従えとは言いますが果たしていつまでもその考え方のままでよいのでしょうか。
 確かに結婚指輪に代表される貴金属メインのジュエリーは何十年と着けっぱなしにする人がおり耐久性が必要とされます。一方、宝石がメインのジュエリーではどうでしょう。宝石の美しさを引き出すためには宝石を支えている貴金属が少ないことが理想とされます。これがMinimum Metal(ミニマムメタル)Maximum Gem(マキシマムジェム)の考え方です。もちろん身につけたら直ぐに壊れて宝石が外れるようでは困りますので、最低限の耐久性は必要です。大切なのはジュエリーの中には美しさを引き出すために工芸作品のように繊細なものがあり、そう言ったジュエリーの扱いには注意が求められると言うことです。
Minimum Metal、Maximum Gemのジュエリー裏面
Minimum Metal Maximum Gem

 ジュエリーが壊れて売り場に持ってくる方の多くが「何もしていなのに壊れた」とおしゃります。ジュエリー自体の耐久性に問題があることもありますが、マジックではないので何もせずに壊れることはありません。誤解を防ぐためにも販売時には「扱いによってはジュエリーは壊れます」とはっきり伝えることです。作業時には外すのは当然のことながら、意外なケースとしては両手にはめたリング同士が拍手することで当たって変形すると言った事例があるのも覚えておいて頂きたいところです。とは言っても腫れ物に触るように扱う必要はありません。使っていて自然につく擦り傷程度なら磨き直せば殆ど元に戻るので神経質になることはありません。  
 万が一壊れてしまったとしても殆どの場合修理は可能です。プラチナやゴールドで作られるのは腐食しづらい事だけでなく修理が容易な点も理由です。特にプラチナは宝石の装身具の素材として優秀です。粘性が高いために宝石を留めた爪が外から衝撃を受けても摩耗せずに伸びて宝石をホールドし、直ぐに外れるのを防いでくれます。
プラチナの爪が衝撃で伸びる(使用前、使用後)
プラチナの爪が衝撃で伸びる(使用前、使用後)

世代を超えて楽しめてこそジュエリーです。大切に使って長い間宝石の美しさを堪能して頂きたいと思います。

Grading’ Is Just for Natural Diamonds

Cibjo announcment

「ダイヤモンドグレーディングは天然ダイヤモンドだけ」
CIBJOは10月13日にLaboratory-Grown Diamond のGuidance documentをリリースしました。
合成ダイヤモンドの本質をついた内容なので紹介します。
CIBJOのサイトの説明は長いので10月13日RAPAPORT NEWSの内容を以下にまとめました。

CIBJOはラボは、ラボラトリーグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)ではなく、「グレーディングレポート」という用語を天然ダイヤモンドだけに制限する必要があるがあるとした。
ラボラトリーグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)は、グレーディングの概念を支える稀少性を欠いているとCIBJOは主張。代わりに、合成物の詳細情報を提供す文書は「ラボラトリーグロウンダイヤモンド製品仕様書」と呼ばれるべきと今週リリースした新しい一連のガイドラインで主張。
グレーディングレポートは、「稀少性の程度」を意味しているとCIBJOのスポークスマンは語った。
しかし一方で、消費者は製品の構成要素が何であるかを知る権利がある。大切なことは「グレーディング」という用語が削除されていること。 CIBJOの理事会は、ラボラトリーグロウンダイヤモンドの新しいガイダンスを、関連会社や各国の協会によるレビューに利用できるようにした。協議は、人工石の基準を作成するための2年間のプロセスの最終段階。ルールブックでは、製造業者の名前、製造国と製造方法(化学気相蒸着法または高圧高温法)、および成長後の処理に関する情報などの追加情報をラボに含めることも求めている。
また、石がラボで作られたことを示すために、レポートのColorとClarityのグレードの前に「LG」の文字を付けることを勧めた。
ガイドラインでは、ラボで作られたダイヤモンドをどのように説明し、見本市などのイベントでどのように展示するかも論じた。また、企業が納品書や委託伝表で石の出所を開示する方法についての推奨事項を示し、合成石鑑別技術についても論じた。
「ラボラトリーグロウンダイヤモンドガイダンスの重要な原則は、信頼を確保するために、消費者は購入内容に関する完全で明確な情報を受け取り、情報に基づいた購入決定を下せるようにすること」とCIBJOは説明した。
グレーディング基準と用語に関する別の文書であるCIBJOのブルーブックは、米国連邦取引委員会が2018年にその言葉を削除した後も、ダイヤモンドの定義において特に「天然」を保持した。


現在世界のラボの殆どが合成ダイヤモンドのグレーディングレポートを発行しいますが、CIBJOがダイヤモンドグレーディングは天然ダイヤモンドだけに使われるべきと「当たり前」のことですが、明確に表明したことは、さすがにヨーロッパ発祥の組織だと思いました。

米国連邦取引委員会がダイヤモンドの定義で天然も合成も「ダイヤモンド」としたことに異を唱えて「ダイヤモンド」の定義を「天然」とした事も米国の商業主義とは一線を画しています。

日本のジュエリー協会は「合成ダイヤモンドの呼称、表記および刻印に関するガイドライン」で合成ダイヤモンドの呼称、表記について以下のように発表しています。

1) 日本語での呼称・表記は「合成ダイヤモンド」とする。
2) 英語での呼称・表記は「synthetic diamond」とする。
※合成石とは同種の天然石とほとんどあるいは全く同一の化学特性、物理特性、内部構造を有する、一部あるいは全体を人工的に生産した物質をいう。

工場でつくられたものを「ラボラトリーグロウンダイヤモンド」と好イメージを抱かせる名称を使わずに「合成ダイヤモンド」と正確に表現したのは世界は日本に倣うべきだと思います。

*CIBJOとはthe World Jewellery ConfederationであるCIBJO (Confederation International de la Bijouterie, Joaillerie, Orfevrerie des Diamants, Perles et Pierres) はヨーロッパのジュエリートレードの為にBIBOAとして1926年にパリで設立されて、1961年にグローバル化するためにCIBJOに改組された。ジュエリーの国際機関として最も歴史がある。CIBJOの使命は、業界のメンバー間の正確なコミュニケーションのための基準化。




家庭画報チャネルに出演!

家庭画報チャネル

11月の家庭画報チャネルに出演します。
宝石の「美しさ」と「価値」について原田信之が本音で話します。有料ですが、本当の事を知りたい方は是非ご視聴ください。

詳細は画像のQRコードを開いてください。
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