ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

「宝石の稀少性」 

前回のブログで「ダイヤモンドのファンシーカラーでもカラーレスでも、更にはカラーストンも含めて小粒の宝石の稀少性は、もともと高くない」と記しました。
この表現は、物議を醸すだろうと思いましたが、いずれ触れなくてはならないと思い、承知で使いました。案の定、いつも読んでいただいている方から質問がありましたので、これから3回に分けて、私の考えを記しますので、皆さんも一緒に考えてみてください。

まず、宝石の「稀少性」とは何でしょう。

 峪砂侘漫廚少ないこと。
◆峅然福廚高いこと。
「美しい」こと

どれも稀少性を構成する要素です。
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産出量は宝石ごとに異なります。
産出量が少なくても一握りのコレクターに人気のある宝石は、高価ではありません。
反対にダイヤモンドのようにある程度量が採れる宝石でも、欲しい人が多い宝石は高価です。
欲しい人=「需要」側、と「供給」側のバランスで△硫然覆決まってきます。
「美しさ」は宝石ごとに異なります。
アメシストの美しいものとルビーの美しいものの産出量に占める比率(出現率)はアメシストの方が高くなります。
「美しく稀少なもの」が「宝石」ですが、宝石種ごとにその稀少性は異なります。

小粒宝石の稀少性

Treated color diamonds







綺麗なファンシーカラーのダイヤモンドに見えるこの写真は、放射線処理ダイヤモンドです。

大きさは、0.4カラットサイズです。
放射線による処理ダイヤモンドの鑑別自体は器具があれば難しくはありませんので、このサイズの処理ダイヤモンドが天然として売られることはまずありません。
怪しい名前をつけて売られているもの以外は、はっきりと表示がされて、それなりの価格で販売されているものが殆どでしょう。

2年ほど前からでしょうか、鑑別関係の方から天然のファンシーカラーのロットの一部に処理が混ぜられていると言う情報がくるようになりました。
故意に混ぜて商品を作るメーカーは殆どないと思いますが、メーカーに届くまでに、幾つもの流通を経てくるものがあります。
いわゆる「不作為の過失」も考えられます。
石留めされてジュエリーに仕立てられては、更に鑑別の可能性は低くなります。
放射線処理に限らず、様々な処理がこれからも出てきますが、費用と技術の問題で小粒の宝石の鑑別は難しくなります。

ダイヤモンドのファンシーカラーでもカラーレスでも、更にはカラーストンも含めて小粒の宝石の稀少性は、もともと高くないと言ったら元も子もありませんが、消費者としては、どうしたら良いのか考えたいと思います。

オークションも含めて、私がこのようなジュエリーの査定をどのにしているかご説明します。
まず、メーカー(小売店)の刻印のないものは、ファンシーカラーのプレミアムをまったくつけません。
刻印があっても、符丁のように意味の分からないものも同様です。
メーカーや販売店がはっきりしていて、何かあったらいつでも問い合わせが出来る商品には、価値に見合った査定金額をつけます。


結論としては、国際的に通用する報告書がついているメインストンサイズの宝石以外は、上記のようなな刻印があり、最終的に責任の所在のはっきりしているものを買うのが賢明だと思います。









Sawableからのハートシェイプ ダイヤモンド

残念ながら頭痛が治まらず、バーゼルショーはキャンセルしました。
世界中の友人と一度に会えるので楽しみにしていましたが、今後個別に訪問していきます。


Maccle








これは、ダイヤモンドの原石でMaccle(マクル)と呼ばれる三角形ををした双晶の原石です。

厚みがなく、インクルージョンが比較的多くVS以上のクラリティの出現率が低いのが特徴です。また糸くずのような細い白いインクルージョンが外から内側に伸びているものが良く見られます。

サイズの小さいハートシェイプやトリリアントシェイプのダイヤモンドは、通常この原石から研磨されます。
結果として、ハートやトリリアントは厚みがなくフラットなものが主流となっています。サイズが小さいダイヤモンドで十分な厚みがないと、透けてしまってモザイク模様がはっきりせず、魅力に欠けます。

世界の研磨業者の中には、十分な厚みをもった輝きの強いハートシェイプを作っているところがあります。
Maccleを使わずに下の写真のようなSawableを使います。
Sawableは、主にラウンドブリリアントカットに研磨されますので、価格も殆ど同じような価格になります。
ハートシェイプの価格は、ラウンドに比べて割安なのが一般的です。

Crystal








Heart from sawable and maccle







左は、sawableから研磨されたハートシェイプです。メリハリの効いたモザイク模様と満遍なく強い輝きがあります。
それに引き換え右は、モザイクがはっきりせず、全体にぼやけています。特に中心のキュレットから全体に伸びるパビリオンのモザイクを比べると一目瞭然です。
実際に肉眼で見ると輝きの違いは、写真の比ではありません。

Heart depth







逆さにしてみると厚みの違いが良く分かります。
また、Maccleから研磨したものはガードルが厚いのものが多いのも特徴です。



Sawable heart Maccle heart and trilliantHeart & Trilliant








トリリアントも比較しておきましょう。
このトリリアントは、同じMaccleからのハートよりも更にフラットなので、輝きも弱くなっているのが分かります。

宝石で深さは、重要な要素です。
ただし、適切な深さは、大きさ(サイズ)によっても異なります。
小粒では、適当と思われる深さも大粒では、全体のバランスで違ってきますのでマニュアルの鵜呑みは禁物です。

フラットなハートやトリリアントも深さを抑えたいメインストンの脇石には重宝なケースがあります。
バランスの良い装身具に仕立てることを考えて素材選びをします。

スリランカ産サファイア

京都高瀬川の桜







これは、京都高瀬川の桜です。
散り始めの花びらが清流にのって流れていました。

先週の後半は近畿圏に出張していました。
運よく、京都の桜が最高潮を迎えていました。
やはり、古都京都の桜は趣が異なります。
移動の途中でしたが、思わず足を止めてシャッターを切りました。
皆様にも雰囲気が伝わればよいのですが。

Laguna The Bar
神戸では、紹介されたバーに行ってきました。
名前は、「Laguna The Bar」
携帯電話のカメラ画像なので不鮮明ですが、なかなかの雰囲気です。
幅のある15メートルのバーカウンターが立派で、このカウンターに
背の高い椅子ではなく、低い大きなソファーがセットされているのがユニークです。
コルビジェのソファのような座り心地に時間を忘れてしまいそうです。
ボトルの並んだ棚の後ろの照明が連続した円を描き印象的です。





海外で買い付けをしていないときは、毎日、ジュエリーの査定をしています。

先週は、個人のコレクターと思われるサファイアのリングをまとめて査定しました。

ジュエリーのスタイルから40年以上前のものと思われました。
大粒のサファイアは、透明度が高く、優しい色をしているので、一目で無処理と分かります。
産地は、色とシルクの特徴からスリランカ産と思われます。
現在でも、スリランカから無処理のサファイアが供給されていますが、昨今の無処理ブームで、それまでは加熱処理をして市場に出していたような品質の低い素材のものが目立ちます。
今回のものは、高温加熱処理が出現する前のものなので、素材そのものが美しいものです。
お見せできないのが、残念です。

私事ですが、査定に集中しすぎて、緊張性頭痛に悩まされています。
適度にブレイクをしなかったことが原因です。
皆様も気をつけてください。

明日からバーゼルショーが始まります。
弊社も出展していますので、今週末に私も様子を見に行きます。
バーゼルの様子も紹介していきたいと思います。



桜とピンクダイヤモンド

ソメイヨシノ








昨日の新宿御苑のソメイヨシノです。
首都圏では、初夏のような天候の中、誰もが桜のはかない上品なピンクを存分に楽しんだことでしょう。
でも、良く見るとはっきりピンクと分かるのは花弁の元だけです。
周りの花びらは殆ど真っ白ですね。
これは、人間の目が全体を捉えて、ピンクが強調されるのでしょう。
これは、宝石のファセットのモザイク模様もまったく同じです。


African Pink Diamond







4カラットサイズの南アフリカ産のピンクダイヤモンドです。
この上品なピンク色は、桜の色によくたとえられます。
ファセットのモザイク模様を見ると淡いところ、濃いところがあるのが分かります。
プロのバイヤーでこのピンクを好きな方は少なくありません。
私もピンクでしたら、アフリカ産又はブラジル産が好みです。
大きな結晶がでるのでサイズも楽しめます。


それに対し、コレクターや販売員の方に人気があるのは、オーストラリアのアーガイル鉱山産の紫がかったピンクダイヤモンドです。
濃い色が特徴で、メレーのような小粒のピンクでは他の産地のものと比較にならないくらい良く発色します。
下のエメラルドカットのピンクダイヤモンドは典型的なアーガイル産です。
良く見ると紫の他にブラウン味を感じます。

Argyle Pink Diamond







これは、アーガイル鉱山は、もともとブラウンのダイヤモンド原石を多く産出し、ピンクはそのブラウンの原石の中から出てくるからです。
ブラウンダイヤを研磨しているインドの業者の金庫には、たまたま出てきたピンクがひっそりとしまわれていることがあります。殆どはプライベートコレクションにしてしまっていますが、運良く取引が出来ると、破格な値段で買うことが出来ます。ただしこのコレクションが特品であったことはありません。世の中そんなに甘い話はないものです。







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