ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

「宝石の稀少性」 

理論的に考えると前回のブログのようになりますが、実際に本当に稀少な宝石とはどんなものでしょう。

私は、以下の2点からサイズが大切な要素と考えています。

.ークション等の再流通市場での価格=人気度
∩身具としての価値

,虜椴通市場では、商品が持っている本来の価値があぶり出されます。
たとえば、メレーダイヤモンドがプラチナや18金にたくさん留められた豪華なリングを3百万円で購入して、オークションに出品しても恐らく5分の1〜10分の1程度の価格で落札されることが多いのではないでしょうか。
有名ブランドでも、そのスタイルの流行が終わっていると程度の差こそあれ傾向は一緒です。
再流通市場では、業者も参加するので中間マージンや分かりづらい工賃は考慮されません。
では、同じ3百万円で1.5カラットのマーキスシェイプのダイヤモンドソリテールリングを買っていたらどうでしょう。
流通マージンによりますが、メレーダイヤのジュエリーより有利な価格で落札されることが多いのが事実です。
これは、メレーダイヤのジュエリーは、同じようなものがたくさん作ることが出来るのに対して、1.5カラットのダイヤモンドの量は限られていることに対して市場が出した答えです。
△料身具としての価値も再流通市場での価値に繋がります。
国や地方で宝石の好みは異なりますが、宝石は国際商品なので、長期には国際価格に収斂します。
日本人は、メインストンリングでも欧米より小粒で高品質が好まれると業界の方が良く言われます。
このようなジュエリーは、日本のオークションでは取り扱われますが、決して出品者にとって良い価格はつきません。
これは、宝石の価値以前に宝石のサイズとジュエリーのスタイルが合っていないことが要因です。


バーゼルショーリポート

Basel Show







残念ながら、体調不良でバーゼルショーには行くことが出来ませんでしたが、
代わりに私の友人(同僚)が動画でリポートしています。

ご興味がある方は、下記よりご覧ください。

バーゼルショーリポート


「宝石の稀少性」 

前回のブログで「ダイヤモンドのファンシーカラーでもカラーレスでも、更にはカラーストンも含めて小粒の宝石の稀少性は、もともと高くない」と記しました。
この表現は、物議を醸すだろうと思いましたが、いずれ触れなくてはならないと思い、承知で使いました。案の定、いつも読んでいただいている方から質問がありましたので、これから3回に分けて、私の考えを記しますので、皆さんも一緒に考えてみてください。

まず、宝石の「稀少性」とは何でしょう。

 峪砂侘漫廚少ないこと。
◆峅然福廚高いこと。
「美しい」こと

どれも稀少性を構成する要素です。
,痢峪砂侘漫廚篭ゝ訛Δ量簑蠅任后
産出量は宝石ごとに異なります。
産出量が少なくても一握りのコレクターに人気のある宝石は、高価ではありません。
反対にダイヤモンドのようにある程度量が採れる宝石でも、欲しい人が多い宝石は高価です。
欲しい人=「需要」側、と「供給」側のバランスで△硫然覆決まってきます。
「美しさ」は宝石ごとに異なります。
アメシストの美しいものとルビーの美しいものの産出量に占める比率(出現率)はアメシストの方が高くなります。
「美しく稀少なもの」が「宝石」ですが、宝石種ごとにその稀少性は異なります。

小粒宝石の稀少性

Treated color diamonds







綺麗なファンシーカラーのダイヤモンドに見えるこの写真は、放射線処理ダイヤモンドです。

大きさは、0.4カラットサイズです。
放射線による処理ダイヤモンドの鑑別自体は器具があれば難しくはありませんので、このサイズの処理ダイヤモンドが天然として売られることはまずありません。
怪しい名前をつけて売られているもの以外は、はっきりと表示がされて、それなりの価格で販売されているものが殆どでしょう。

2年ほど前からでしょうか、鑑別関係の方から天然のファンシーカラーのロットの一部に処理が混ぜられていると言う情報がくるようになりました。
故意に混ぜて商品を作るメーカーは殆どないと思いますが、メーカーに届くまでに、幾つもの流通を経てくるものがあります。
いわゆる「不作為の過失」も考えられます。
石留めされてジュエリーに仕立てられては、更に鑑別の可能性は低くなります。
放射線処理に限らず、様々な処理がこれからも出てきますが、費用と技術の問題で小粒の宝石の鑑別は難しくなります。

ダイヤモンドのファンシーカラーでもカラーレスでも、更にはカラーストンも含めて小粒の宝石の稀少性は、もともと高くないと言ったら元も子もありませんが、消費者としては、どうしたら良いのか考えたいと思います。

オークションも含めて、私がこのようなジュエリーの査定をどのにしているかご説明します。
まず、メーカー(小売店)の刻印のないものは、ファンシーカラーのプレミアムをまったくつけません。
刻印があっても、符丁のように意味の分からないものも同様です。
メーカーや販売店がはっきりしていて、何かあったらいつでも問い合わせが出来る商品には、価値に見合った査定金額をつけます。


結論としては、国際的に通用する報告書がついているメインストンサイズの宝石以外は、上記のようなな刻印があり、最終的に責任の所在のはっきりしているものを買うのが賢明だと思います。









Sawableからのハートシェイプ ダイヤモンド

残念ながら頭痛が治まらず、バーゼルショーはキャンセルしました。
世界中の友人と一度に会えるので楽しみにしていましたが、今後個別に訪問していきます。


Maccle








これは、ダイヤモンドの原石でMaccle(マクル)と呼ばれる三角形ををした双晶の原石です。

厚みがなく、インクルージョンが比較的多くVS以上のクラリティの出現率が低いのが特徴です。また糸くずのような細い白いインクルージョンが外から内側に伸びているものが良く見られます。

サイズの小さいハートシェイプやトリリアントシェイプのダイヤモンドは、通常この原石から研磨されます。
結果として、ハートやトリリアントは厚みがなくフラットなものが主流となっています。サイズが小さいダイヤモンドで十分な厚みがないと、透けてしまってモザイク模様がはっきりせず、魅力に欠けます。

世界の研磨業者の中には、十分な厚みをもった輝きの強いハートシェイプを作っているところがあります。
Maccleを使わずに下の写真のようなSawableを使います。
Sawableは、主にラウンドブリリアントカットに研磨されますので、価格も殆ど同じような価格になります。
ハートシェイプの価格は、ラウンドに比べて割安なのが一般的です。

Crystal








Heart from sawable and maccle







左は、sawableから研磨されたハートシェイプです。メリハリの効いたモザイク模様と満遍なく強い輝きがあります。
それに引き換え右は、モザイクがはっきりせず、全体にぼやけています。特に中心のキュレットから全体に伸びるパビリオンのモザイクを比べると一目瞭然です。
実際に肉眼で見ると輝きの違いは、写真の比ではありません。

Heart depth







逆さにしてみると厚みの違いが良く分かります。
また、Maccleから研磨したものはガードルが厚いのものが多いのも特徴です。



Sawable heart Maccle heart and trilliantHeart & Trilliant








トリリアントも比較しておきましょう。
このトリリアントは、同じMaccleからのハートよりも更にフラットなので、輝きも弱くなっているのが分かります。

宝石で深さは、重要な要素です。
ただし、適切な深さは、大きさ(サイズ)によっても異なります。
小粒では、適当と思われる深さも大粒では、全体のバランスで違ってきますのでマニュアルの鵜呑みは禁物です。

フラットなハートやトリリアントも深さを抑えたいメインストンの脇石には重宝なケースがあります。
バランスの良い装身具に仕立てることを考えて素材選びをします。
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