ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

鑑別が大切

Round Diamonds

ダイヤモンドの処理で厄介なのは「高温高圧処理」です。
見た目には分からないので、高価な機械と高度な鑑別技術を要します。
ブラウン味等の色を薄くする処理なので、鑑別の対象はカラーレスのダイヤモンドです。
カラーレスのダイヤモンドを全て鑑別するのは莫大な費用がかかりますが、幸いなことにこの処理が施されるダイヤモンドは窒素が殆ど入っていないType2と称されるグループでダイヤモンド全体の数パーセントと限られています。
弊社では原石の追跡可能性(traceability)が確保できるもの以外は、自社でType2を選別して全宝協さんに鑑別依頼をしています。
残念なことに今までに数個の「高温高圧処理」が見つかっています。
通常グレーディングレポートを作らない0.3カラット未満も含まれていることが問題を深刻にしています。

先週、既に「高温高圧処理」と分かっているダイヤモンドを別の鑑別会社に依頼しました。
結果は、4Cの記述とType2が判明しただけで処理については不明と出てきました。
このことは、鑑別会社に何が求められているかを明確にしています。
プロならば肉眼で美しさを判断し、ルーペを使って肉眼で見えない要素を確認する作業は出来ますが、処理の有無や原産地の同定は鑑別のプロの領域です。
本来、ダイヤモンドグレーディングの作業は各メーカー、小売店が独自に行うべきです。
取扱量から鑑別会社にアウトソーシング(外注)するのは結構ですが、鑑別会社のグレーディングレポートを作るのではなく、自社の保証書に記載する内容の補助作業として行うべきです。

ダイヤモンドもGem Stoneの一つです。
ルビー、サファイアやエメラルド等と同じく「鑑別」が大切です。
合成ダイヤモンドも今後ますます製造されると想像できるので、今まで以上に「鑑別」の重要性が高まってくるでしょう。
処理されたものや合成ダイヤモンドを販売してしまったら信用は一気に地に落ちます。
分からなかったと言ってもプロである以上、「不作為の罪」に問われても仕方ありません。
鑑別能力を見極めるのもプロの責任です。




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Gimel

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尚、このブログは一定期間後に削除します。


刻印の品質

Van Cleef & Arpels

Van Cleef & Arpels、丁寧に彫刻刀で彫られた文字が目に入った瞬間から査定も真剣モードに入ります。
手彫りの刻印はこのブランドの最上位のラインの証です。
知らずと見る方の背筋も伸びます。
幾つかのフランスのブランドは、このように刻印の方法で商品の上下関係を表現しています。

どのような方法でどの位気を使って刻印をしているかで、自ずからジュエリーの品質も決まってきます。
中途半端な品質のものに対して、熟練した職人は彫刻刀で芸術的に一文字ずつ彫る刻印は入れません。
費用もさることながら、その姿勢が刻印に表れます。

金属に彫られた刻印をハンマー等で叩いて入れる方法が一般的ですが、適度な圧力で真っ直ぐにバランスよい間隔を保って押されているかどうかでジュエリーの品質が伺えます。
メーカー刻印のほか、Pt950、K18等の金性、石目方等の数字と順番を決めてバランスよく入れていくのは容易くはありません。

原型に打ったものを仕上げたり、レーザーで入れてあるものはサインを印刷しているようなものでアクセサリーレベルと判断されても仕方ありません。

メーカー刻印のないもの、あったとしても略号で判断できないものは、その真贋すら疑われます。

刻印の有無、方法、丁寧さを見ることは、一般の方でも出来るジュエリーの品質判断の有効な方法です。

プロとしての選択

顕微鏡

<全宝協さんに鑑別依頼する理由>

ダイヤモンドグレードかさ上げ騒動に揺れている全国宝石学協会さん(以下、全宝協さん)に対し、業界では厳しい対応を取る人が多い状況です。
そのような状況の中で私は全宝協さんに鑑別の依頼を続けています。
もともとダイヤモンドグレーディングは依頼していないのでその方針は変わりませんが、鑑別に関しては以下の理由で続けています。
尚、社内用のデータのための鑑別なので、鑑別書の作成は殆ど依頼していません。

1.鑑別専門会社の必要性
2.信頼できる世界レベルのプロがいる。
3.代替できない。


1.鑑別専門会社の必要性

新産の宝石でトレーサビリティ(追跡可能性)が取れているものは鑑別は不要ですが、還流品には不可欠です。
私が査定しているオークションの商品のような還流品には専門に鑑別を行う会社が必要です。
最近の処理は高度になっているので、専門学校で習うレベルの鑑別では判断が難しいものが多く、最新の処理を看破するためには高額な専門の機材を必要とするため、その機材を揃えている会社が必須条件です。
全宝協さんの機材は条件に合致しています。


2.信頼できる世界レベルのプロがいる。

全宝協さんのLaboには信頼できる鑑別のプロの方がいます。
鑑別は、組織としての力より個人の技術レベルに負うところが大きく、病院選びと同じでどの病院よりも誰(医者)がいるかでレベルが決まります。
また、処理と原産地の鑑別においても、世界的に有名なGUBELINやSSEFのスイス勢の伝統的なアプローチに対して、科学的データの蓄積を重視した全宝協さんの方法は世界でも注目されています。
処理と産地鑑別には絶対はありませんが、データの蓄積が進むと精度は更に上がっていきます。
世界レベルで認められる鑑別会社が日本でも必要です。


3.代替出来ない。

全宝協さんのレベルの鑑別を代行できるところがありません。
最終的にはこの理由が決定的です。

宝石のプロとして仕事の質から全宝協さんに依頼しています。





婚礼用指輪から婚約記念日の指輪へ

立爪リング

結婚して二人で新たな生活を始める時は、様々なものを購入しなくてはならないのが一般的です。
住居(含賃貸)、家具、寝具、食器、家電などが代表的でしょう。

それらを購入するときには以前は婚礼用家具5点セット、婚礼用寝具セット等の新婚向け商品が定番だったのかもしれませんが、現在では多くの人が一般の商品の中から好きな商品を選んで購入しています。
お店も予算や大きさで新婚向けの商品を括っていることはありますが、婚礼専用の商品と言うのは殆どありません。

翻ってジュエリーはどうでしょう。
どの小売店でも立爪リングを中心としたブライダル専用リングが沢山揃っています。
更にはBridal Ring専門店なるものも林立しています。
Bridal Ringを直訳すると「婚礼用指輪」です。
もともとが儀式用と考えると、結婚式後の日常生活の使用には適さないのも頷けます。
他の商品では既に殆ど存在しない婚礼用が、ジュエリーにあること自体が時代遅れです。

では、結婚に指輪は必要ないのでしょうか。
指輪は他の装身具に比較しても思いのこもった特別な装身具です。
その証拠にウエディングドレスと同じようにネックレス、ティアラはレンタルが主流ですが、指輪のレンタルは殆どありません。
婚約や結婚の記念日に指輪を贈ることは、今後もなくならないでしょう。
愛情のこもった記念の指輪です。
儀式の専用ではなく、生涯楽しめて、さらに次の世代に受け継がれる指輪を慎重に選んでください。



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