ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

Diamonnd Pipeline 2014 (4)

国別ダイヤモンドジュエリー販売金額

やっとDiamond Pipelineの終点にたどり着きました。
国別ダイヤモンドジュエリー販売金額です。
原石の産出金額16.54 $Billionがジュエリーとなって78.50 $Billionと約5倍になっています。
もちろんダイヤモンドだけでなく貴金属や製造に関する費用や流通マージンも含まれています。
ジュエリー全体の金額には貴金属だけの装身具やカラーストンジュエリー、真珠もあるのでもう少し多くなりますが、ダイヤモンドジュエリーの割合が圧倒的に高いので比率は大きく変わりません。

ダントツの1位は米国です。
絶え間ない移民の流入でジュエリーの購入に不可欠な消費人口を保ち経済成長を続けていることが地位を支えています。
但し、年齢構成では問題のない米国も富裕層と貧困層が増えて今までジュエリーの消費を支えていた中間層が減少して街の宝石店の閉店が続いています。
富の分配が問われています。

次ぎは約1割を占めている中国とインドです。
GNPでは米国の約6割と迫っている中国もダイヤモンドジュエリーの販売金額では約3割と発展途上です。
中国はこれから高齢化が急速に進むことを考えると、むしろ人口構成のバランスの良いインドの方が大きくなるかも知れません。

日本はバブルの頃は米国に迫ったことがあります。
今から考えると人口が3倍の国に迫ったこと自体がバブルでした。
失われた20年を経て10%程度を保っていましたが、ここ数年で7%となっています。
日本の金額が変わらなくても世界の市場規模が大きくなると更にシェアの低下もありえます。

日本と同程度の中東のシェアは産油価格しだいでしょう。
昨今の政情不安と産油価格下落では先行き明るくはありません。

中東ほどではありませんが、富裕層が消費の割合が高い香港と台湾が2%程度です。
トルコも新興国として上がってきましたが、地理的要因と政情不安で現在は期待されたほどの成長は難しい状況です。

このグラフにヨーロッパ諸国が入っていないのが不思議と思われるかも知れませんが、ヨーロッパ全体で10-15%のシェアがありますが、1カ国では2%に満たないものと思われます。

世界人口の増加と新興国の需要増加で市場規模は大きくなるとされて、源の供給が増えないことが心配されています。
幸運なことに宝石は他のどの商品よりもリサイクルが可能な商品です。
そのような状況になればリサイクル率は自然と上がってきます。
鉱山からの供給が徐々に減少していくと10年後に需要の3分の1をリサイクル品が埋めないと間に合わないと言う試算もあります。
環境保全を考えると鉱山開発が減ってリサイクルが増えるのは自然な流れです。
10年後のグラフがどう変わるか楽しみです

Diamond Pipeline 2014 以上。



Diamonnd Pipeline 2014 (3)

国別研磨済み生産金額

この表は国別の研磨済み生産金額です。
平たく言うとどこの国で幾らぐらいダイヤモンドが研磨されているのかと言うことです。
ご覧の通り半分以上がインドです。
ここでは金額の比較のみですが、重量ベースは90%以上がインド研磨です。
サイズが小さくなればなるほどインド研磨の割合が増えます。
De Beersのコントロールが機能していた頃は金額ベースでインド、イスラエル、ベルギーが3割ずつで残り1割をその他の研磨地と言うのが長く続いていましたが、現在はインドの1強とその他となっています。
インドの研磨工は盛時で100万人と言われていましたので圧倒的です。
研磨の品質も以前はインド物と称して悪いカットの代名詞となっていましたが、現在は技術的な差は殆どありません。
むしろ、最新の研磨機の導入はインドが最も積極的です。
サイズも私が初めて買い付けに行った30年前は一番大きなサイズで0.10ct(直径3ミリ)程度でしたが、現在はどんなサイズも形も研磨しています。
一般的な消費者が見るダイヤモンドは殆どインド研磨だと思って間違えありません。
中国が2位にあがっていますが多くがベルギーやイスラエル等の研磨業者の工場なので、オーナーの国経由で輸出されます。
ベルギーは特別に完成度が高いものや、大粒で特別高価な原石等の付加価値の高いものが得意です。
イスラエルは伝統的にファンシーシェイプが得意ですが、現在は中粒以上の大きなものに限定されています。
米国はニューヨークです。
De Beers独占時代に工賃の割合の少ない大粒石をニューヨークの業者に割り振っていた名残ですが、GIA New Yorkの存在抜きでは語ることが出来ません。
GIAは米国以外でもラボを展開していますが、今でも4カラット以上とファンシーカラーはニューヨークでのみグレーディングしています。
ファンシーカラーは同一のマスターストンが出来ないことと大きなサイズは1グレードで大きく価値がことなるのでばらつきをなくすことが目的です。
ニューヨークの研磨業がなくならないのは地の利も大きく関係しています。
バイヤーはインド以外ではアントワープ、テルアビブ、ドバイ、香港、ニューヨークと言った集荷地で買い付けをしますが、どちらで買っても殆どの小粒サイズはインド研磨のものです。
インド以外のダイヤモンドの研磨地の変遷は安い工賃を求めての歴史です。
タイに始まりスリランカ、ソビエト崩壊直後のロシア、中国、ラオス、ベトナム等と場所を変えてきましたが一時的に工賃の最安値を記録しても結局インドの工賃に対抗できないので、研磨地として残ったとしても付加価値の高いものに限定されています。
最近はボツワナ等でも研磨が盛んですが、これは地元政府との契約で原石を購入するにはに研磨工場の経営が条件となっているためです。
地元としては産業の振興と雇用の確保が狙いです。
以前のように採掘権だけではすまなくなっています。
でも実際には見合っていない工場が殆どのようです。


Diamonnd Pipeline 2014 (4)に続く。

Diamonnd Pipeline 2014 (2)

供給業者別原石金額

このグラフは原石供給の2大プレーヤーであるDe Beers(デビアス)とAlrosa(アルロサ)のシェアを示したものです。
De Beersはかつて殆どの鉱山を傘下に収め原石供給の8割を握っていたことがある独占企業でしたが、現在は南アフリカ、ボツワナ、ナミビアに自社が権利を持っている鉱山とカナダの2鉱山がメインとなっています。
とはいっても40%近いシェアのリーディングカンパニーなので未だに影響力は大です。

Alrosaはロシアの上場企業ですがロシアと地元サハ共和国が株の75%を持っている国営ダイヤモンド採掘企業です。
ロシア内の殆ど鉱山と最近ではアンゴラ、ボツワナ、ジンバブエ等のアフリカでの採掘事業にも進出しています。

原石市場はDe BeersとAlrosaの2社で約7割を占めいている寡占状態です。
2社は販売手法からみると性格の異なる企業です。
De Beersは伝統的なサイトホルダーと言う長期契約で定期購入顧客が90%で残り10%が自由参加の入札で販売しています。
より安定を重視した体制です。
対するAlrosaは64%がサイトホルダー、スポット販売が21%で残り18%が入札制なので、より変動的です。
両社が歩調を合わせれば価格の調整は可能ですが、現在は入札制と言う需給に応じた販売も少なくないので思い通りにはいきません。

2社以外の独立系の企業の多くが入札制を取り入れているので今後の相場の変動はより大きくなります。
2000年にDe Beersが価格のコントロールを放棄したことで需給に応じて相場が変動する体制が出来、その後の資産バブルに伴って大粒ダイヤモンドが高騰しましたが、入札制が値上がりのピッチを高めたことも見逃せません。

Diamonnd Pipeline 2014 (3)に続く。


Diamonds Pipeline 2014 (1)

2014年のダイヤモンドの鉱山からジュエリーの販売までのパイプラインをご説明します。
毎年5月頃に前年の統計が発表されるので2014年版が最新です。
ダイヤモンド原石がどの国からどのくらい採れて、どの業者がどのくらい販売して、どの国でどのくらい研磨され、どの国にどのくらいジュエリーとして販売されているかを示しています。
出典:Tacy Diamonds Pipeline 2014
単位:Billion US$ 1Billion US$=10億ドル 約1,150億円(US$1=¥115の場合)
ダイヤモンド原石産出国金額

国別のダイヤモンド産出金額のグラフです。
1位のボツワナと2位のロシアは毎年デットヒートしています。
この2カ国で半分近いシェアです。
ピンクのボツワナ、ナミビア、南アフリカはデビアスの牙城です。
多くの鉱山がデビアスの傘下で、特にボツワナのシェアが高く重要性の高さを表しています。
デビアスがロンドンのサイトをボツワナに移したことも理解できます。
まさにボツワナはデビアスの生命線です。
そのためボツワナ政府の発言権が高まり、現在は産出の1割をボツワナ政府に納めています。
今後も契約更改の度に年貢が増える可能性がありますが、ダイヤモンドの流通の中で儲かっているのは鉱山会社とジュエリーブランドだけと言われているので、まだ余裕がありそうです。
因みに産出量(ct)の1位はロシアで約30%のシェアです。
2位はボツワナですが、金額とは異なりシェアは約20%なのでボツワナの方が品質が高いことが分ります。
単価(1カラットあたりの価格)は鉱山の品質を表します。
以下にグラフの各国の単価を上位から列挙しました。

1.レソト共和国 $990.18
2.ナミビア $602.57
3.カナダ $1666.78
4.南アフリカ $164.76
5.アンゴラ $149.86
6.ボツワナ $147.84
7.ロシア $97.47
8.ジンバブエ $50.00
9.オーストラリア $32.76
10.DRCコンゴ $8.72
出典:Kimberley Process Certification Scheme

1,000ドル近いレソトから10ドル以下のDRCコンゴまで大差です。
レソト共和国は南アフリカ共和国の中央に位置している人口2百万人程度の小国です。
但し、ダイヤモンドの単価はダントツで大粒のTypeaの原石を多く産出することが知られています。
GRAFFさんも15%出資しているGem Diaomondsが所有しているLetšeng鉱山が有名です。
3,000メートルの高地で世界で最も高いところにあるダイヤモンド鉱山でもあります。
ナミビアの主な産地は沿岸の海底です。
内陸の鉱床が河川によって浸食され、運ばれていく間にキズの少ない高品質なものが海までたどり着いて海底に堆積したので単価が高くなります。
デビアスが所有している特殊な採掘船で海底から掘り出します。
オーストラリアは資源メジャーのRio Tintoが所有している Argyle鉱山が有名です。
1980年代後半から1990年代前半は世界一の生産量を誇りましたが、有名なピンクダイヤモンドを除くと工業用品質が主で世界最大の工業用ダイヤモンド鉱山と言われていました。
その鉱山も2020年には寿命を終えますのでこのリストからいずれ消えます。
現在オーストラリアに代わって工業用の最大の供給国はDRCコンゴです。
量ではボツワナ、ロシアに続いて3位ですが、圧倒的な単価の低さが品質を物語っています。


Diamonds Pipeline 2014 (2)に続く。






イエローゴールド ダイヤモンドイヤリング by Gimel

イエローゴールド ダイヤモンドイヤリング by Gimel

中心の鮮やかな黄色が白い花びらに映っている様子を表現した花をモチーフにしたイヤリングです。 
形の異なる5つの花びら1枚毎に大小のメレーダイヤモンドを独自に配することで、生き生きとした自然の美しさを表現しています。 
中心の彩度が高く濃いイエローのダイヤモンドは、透明で非常に稀少性の高いものです。 
イエローゴールド ダイヤモンドイヤリング by Gimel 裏面

ダイヤモンド同士が当たらないギリギリの間隔で敷き詰められたパヴェセッティングと繊細なハニカム構造のアジュール(裏取り)は、欧米の一流品を遥かに凌駕したレベルで仕上げられています。 
プロデューサーの卓越したディレクションとそれに応えるクラフトマンの技術の高さを感じさせる逸品です。
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