ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2007年09月

拍手にご用心

年に何回か弊社のリングをお買い上げいただいたお客様より、「何度も使っていないのに変形した」と言うクレームをいただいています。
お客様の仰ることは疑っていませんでしたが、腑に落ちない時間を過ごしていました。

そのうち何人かのお客様がオペラやコンサートに行ったことが分かりました。

「もしかしたら、拍手ではないか?」

「まさか、拍手程度で。」

「でも、両手に指輪をしていたら?」

と言う議論から実際に試してみることにしました。


拍手前リングA拍手前リングB







このように、一般的なプラチナの指輪を2本用意しました。
費用の点から、宝石が留まっていない枠を使いました。

拍手







2つを薬指にして、30回ほど拍手をしてみました。
決して、感動して「ブラボー!」なんて叫びながらしているような強いものではなく、むしろ控えめな拍手です。

結果は、この通りです。
拍手後リングA拍手後リングB







地金の薄い方の指は、信じられないぐらい変形しました。
厚いほうは、殆ど変わりませんでした。

変形した方の手のひら側を拡大すると、打ち出しなべのような槌目がついています。
リングA拍手後槌目クローズアップ







因みに変形しなかった方は、この程度です。
リングB拍手後クローズアップ







そうです。
クレームをいただいたリングにも同じ槌目がついていました。


もし、これがエタニティーリング(全周に宝石が留まっているリング)でしたら、爪が変形して石が外れるでしょう。

皆さんも拍手が必要な場面では、リングは片方だけにしてください。
両手にされている時は、片方を傷つかないように子袋等に入れて、ハンドバックの内側のポケットなどに入れて、紛失しないように気をつけてください。

秋も深まって、オペラ、観劇、コンサートに良いシーズンです。
最後まで楽しい時間を過ごすために、覚えておいて下さい。





ミヤンマーの民主化と宝石

■本日のニュース
軍事政権に抗議するミャンマーでの僧侶デモは昨日、旧首都ヤンゴンで1万人が行進し、市民ら約1万人もこれに合流して最大規模に膨らんだ。
また初めて「(民主化運動指導者の)アウン・サン・スー・チー氏を含む政治犯の解放を」「国民和解を」といった政治的スローガンを連呼し市内を練り歩く様相となっており、反軍政抗議活動は新たな局面を迎えた。
僧侶らはこれまで経を唱えて行進するだけだったが、この日は政治的な主張もし始めた。
これまで沿道で飲料水や食料を提供する程度の支援にとどまっていた市民らもデモ行進に合流。外国人の姿もあった。


ミヤンマー(ビルマ)は、宝石の宝庫です。
ルビー、サファイアに始まり、ヒスイ、スピネル、ペリドットと上げたらキリがありません。
しかも、ミヤンマーがその宝石の最高の産地とされるものばかりです。

もし、今回の運動で本格的な政変が起きて、ミヤンマーが民主化されたら宝石はどうなるでしょう。

規制が撤廃されて、外資が自由に投資や取引に参加して、扱い量も金額も増えて活発になるのでしょうか。

そのヒントは、ロシアにあるように思えます。
共産主義が崩壊して、ロシアが民主化された後、世界のダイヤモンド業者がこぞってモスクワ詣でをして原石を競って買いました。
その後、政治が安定してくると、政府が資源の管理の強化を始めました。
原石の販売は、現地に研磨工場を作ることとが条件になり、雇用の向上を図られました。
当初は経済が困窮を極めていため、人件費も世界でも最も低いレベルでしたので、業者は競って工場を建設しました。
その後、経済が持ち直すと、当然のことながら人件費は高騰し始めました。
現在は、原石の安定調達の意味しかありません。
もちろん、それだけでも十分ですが、世界的な高騰を背景に、資源の国家管理は共産主義の時よりも強くしたたかになっています。
外資にとって、これからは更に厳しい状況が続くことが予想されます。

もし、ミヤンマーが民主化されたら、一時の混乱はあるでしょうが、もっと早く鉱山の国家管理が徹底され、多くが入札制度になるかも知れません。
そうなったら、稀少性が高く、世界的に人気のある無処理のルビー、サファイアの大粒は更に高騰するかも知れません。
ヒスイは、中華系に好まれるローカルな宝石ですが、中国の更なる発展で同じように高値を呼ぶ可能性はあります。
しかも、ダイヤモンドは世界の多くの国で採れますが、ルビー、サファイアやヒスイはミヤンマーに代わる魅力的な産地は殆どありません。

世界景気と富の二極分化の進展しだいですが、長期的に見るとミヤンマーの宝石を安く買えるチャンスは少ないように思えます。

ますます、還流品が重要になってきます。

皆さんは、どう思いますか。

ヒスイの選び方

ヒスイ 10ct size Gem Quality









ヒスイの選び方について問い合わせがありましたので、簡単にご説明します。

ヒスイは、品質の基準が分かりづらい宝石の一つです。
現物を見ないと分からない宝石の筆頭です。
透明石で無いために写真映りがよくなる傾向があります。
オークションのカタログでも、価格の差が写真になかなか現れません。


見極めの主なポイントを以下に記します。

[个美しい
 黒味やブラウン味が感じられない

程よい濃さ
 濃さは、好みですが、クオリティースケールのトーン5、6が人気があります。


ヒスイクオリティスケール













ぅボションの山が高い
 品質の差が無い場合は平べったいものより、厚みがあるものがより稀少です。
 下の写真の左側が山高(High Dome)で、右より稀少性が高くなります。

ヒスイ 山の高さ








ノ个良分が多い
 裏から比較的強い光を当てて、ルーペで見て白い部分が少なく緑の部分が詰まっている。
 日本では、ロウカンが重視されますが、本場の香港では緑の密度も重視します。
 中華圏の宝石なので、香港の価値観が国際的には重要です。
 
 一般的には綺麗なヒスイです。
ヒスイ 通常撮影






 強いライトを下から当てて拡大してみると手前に白い部分がはっきり見えます。
ヒスイ 下からライトを当てる








Φ砧がない
 同じく中華圏の価値観ですが、亀裂があると割れることに結びついて不吉とされ、極端に嫌われます。これも避けたほうが良いですね。
 チェックの方法はイ汎韻犬任后
 下の写真の手前に縦に伸びる亀裂が確認できます。

ヒスイの亀裂








一般的なヒスイに関する説明は「宝石1」をご覧ください。

お役に立ちましたか?

因みに一番上のヒスイは、10カラットサイズのGem Qualityです。

最後にヒスイの色のバラエティをご覧ください。

いろいろなヒスイ

査定、査定、査定。

毎日、ジュエリーの査定をしていますが、今日はオークションの査定がピークで、他の仕事が出来ませんでした。
査定は、稀少性が高くなればなるほど、時間がかかります。
見る時間も結論を出す時間も長くなります。
特に無処理のルビー、サファイアやファンシーカラーのダイヤモンドは査定が終わっても、何度も見直します。
宝石は一つ一つが異なるので、時間が経ってから見直すと違う要素が見えてくることがあります。
買い付けは、自分の美しさの価値観だけで判断しますが、査定は他の人が作ったジュエリーに価格をつけていきますので、より幅が広くなります。
今日は、ファンシーカラーの高品質なものに時間が取られました。

ジュエリーのプロデュースの仕事が溜まっています。
明日は出来るだけ、「石合わせ」をやりたいと思います。
「石合わせ」とは、デザイン図やラフスケッチに合わせて石を並べて、バランスを確認する作業です。
この作業が宝石を主体とする装身具では重要です。
宝石の美しさは3次元ですので、描いた絵だけでは分かりません。
平面に並べて、分からないときは粘土の上に置いて、角度を調節したり、立体的な美しさを追求します。
でも、この作業で美しい宝石の装身具が出来るわけではありません。
いくら「石合わせ」が思ったように出来ても、腕が良く、感性の鋭い職人さん抜きでは話になりません。

美味しい料理に良い素材は不可欠ですが、その素材を生かす腕の良い料理人がいなければならないように、ジュエリーも最後の決め手は、職人さんにかかっています。

本当に美しい素材も、一流の仕事が出来る人材も限られているので、ちょうどバランスが取れているのかも知れません。



Fancy Intense Green

ファンシーグリーン









今日は、ニューヨークより良い知らせがありました。

7月に買い付けた0.5カラットサイズのグリーンのダイヤのカラーグレードが決まったとニューヨークのGIAよりメールが来ました。
結果は、Fancy Intense Green Natural Colorです。
過去20数年間、グリーンのダイヤモンドを幾つもGIAに送りましたが、常に「天然か処理か判断がつかない」と言う結果でした。
初めてNaturalがとれたものが、Fancy Intense Greenとは感激です。

バイヤーにとって何もレポートがついていない宝石を買うことは当たり前です。
但し、ファンシーカラーの類のダイヤモンドをレポートなしで買い付けることは大きなリスクがあります。
特にグリーンの場合は、判断がつかないものが殆どです。
ご存知のように、ダイヤモンドのグリーンの色の起源は、放射線です。
自然界から受けた放射線か人工的に照射されたものかの判断が難しいのでNaturalと記載されたレポートは極稀です。
その中でも綺麗なものは、更に稀少です。

既にGIAのレポートがついていたグリーンのダイヤモンドを扱ったことは何度もありますが、どれもクラリティーが極端に悪かったり、グリーンといっても彩度が低いものだったりしましたが、今回は、自分で見極めていますので納得の品質です。
スタッフからは、非売品にしたらと言う声も出ていますが、非売品が増えてしまって、利益責任のある身にとっては辛いところです。
現物が戻ってきたら、もっと綺麗な写真をアップしますので楽しみにしてください。

奇しくも、今日は私の誕生日です。
何よりのプレゼントでした。


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