ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2008年01月

Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング

修正を施して、石留めも終わりました。
ほぼ完成です。

90% Complete 3ct size Ruby Dia Ring bird's-eye view







空枠に宝石を乗せただけの状態から随分まとまった印象になりました。
ペアシェイプのダイヤモンドを段差をつけて斜めに留めることで、立体感と落ち着きを与えています。
殆どのハートシェイプはマクルの原石から作られるので穏やかな輝きですが、このハートは本来ラウンドを研磨する原石(ソーヤブル)から作られているので、強い輝きを放っています。
写真からもルビーもダイヤモンドも透明度が高いのが良く分かります。


90% Complete 3ct size Ruby Dia Ring front view







真正面から見たところです。
着かず離れずの間隔がハートとペアシェイプの形をクッキリ出し、更に連鎖してより大きな輝きを作っています。


90% Complete 3ct size Ruby Dia Ring side view







横から見たところです。
ダイヤモンドの異なる段差が良く分かります。
ルビーのアッパーベゼル(石座)が前回より内側に絞り込まれて、着用したときに見えない工夫がされています。
残念ながら、二股に割れたイエローゴールドの4本の爪が、やや主張しすぎています。
明るく、透明度も高いルビーなのでプラチナの細い爪に換えてルビーの美しさだけをクローズアップすることにします。


90% Complete 3ct size Ruby Dia Ring back view







裏から見たところです。
爪が上から下にスーと絞り込まれて繊細さを演出しているのが前回より良く分かります。


次回は爪をプラチナにして、最終版をアップします。

Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング

Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング

プラチナ950で作った空枠が上がってきました。
いよいよ仮縫いです。

3ct size Ruby Diamond Ring Mounting 真上







空枠を真上から見たところです。
まだ、ベゼル(石座)の仕上げは十分ではありません。
これだけ見ても皆さんにはイメージが湧かないと思います。


3ct size Ruby Diamond Ring 石載せ 真上







実際に宝石を乗せると、いっぺんにジュエリーらしくなります。
上からは、対称性やダイヤとダイヤの隙間のチェックを行います。
ハートが取ってつけたようになっていたのを、先端をルビーに押し込んで違和感をなくしました。
ダイヤモンドの輝きの塊が四角張っていたのは、ペアーシェイプのお尻ももっと押し込むことでオーバルのルビーの形に沿って調和させました。
また、ダイヤとダイヤの隙間が開きすぎていたので、ほんの少し間隔を取ってハートとペアーシェイプの形を強調すると同時にダイヤモンドが連鎖して輝きが増すようにディレクションされています。
隙間がばらばらに見えますが、実際に石留めするときっちり調整されて上がります。


3ct size Ruby Diamond Ring Mounting Side







空枠を横から見たところです。
左右のハートのベゼル(石座)が高く、その次に天地のハートで、一番下にハートの間のペアーシェイプが位置しているのが分かります。
リングのショルダー(肩)は先細りにして繊細さを出して、更に先端を少しそり返すことで上から見たときに宝石だけが指に乗っているように見えるつくりをしています。
ショルダー(肩)とその下のローワーベゼル(指なじみ)の間の三角形の隙間を大きく空けることで軽やかに仕上げています。
肩には、幅いっぱいのシングルカットのダイヤモンドをビーズセット(彫り留め)して、華やかさを添えます。


3ct size Ruby Diamond Ring 石載せ 横から







実際に宝石を乗せると、このようになります。
ダイヤモンドは乗せているだけなので、ベゼル(石座)から浮いていますが、石留め後は綺麗に収まります。


3ct size Ruby Diamond Ring Lower and Uper Bezel










下から見ると爪に強弱がつけられているのが良く分かります。
上から下にかけてスーと細くすることで表情を豊かにしています。


3ct size Ruby Diamond Ring Mounting 鳥瞰






斜めから見たところです。
ペアーシェイプの段差が足りないのが気になりました。

3ct size Ruby Diamond Ring 石載せ 鳥瞰






宝石を乗せて確認しても、やはり落とし込みが足りません。
再度、更に下げるディレクションを追加しました。
やはり、仮縫いは一度ではすみませんでした。
この角度から見るとルビーもダイヤモンドも透明度が際立っていることが良く分かります。
今回は、ルビーの明度と透明度が高いのでプラチナの爪を採用します。
爪の金性は、宝石の特徴を見て決定します。


次回は、完成品をアップします。


Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング


円高から逃げない

Dia EM & MQ






1月16に日(水)の日経新聞の朝刊コラム「YEN漂流 私はこう見る」で早稲田大学教授の野口悠紀雄氏は円安について以下のように主張しています。

「日本人は円安によって海外製品を高く購入する結果となり、実質的な生活水準は下がっている。
通貨価値の上昇を英語では『アプリシエイト(評価する)』といい、良いことと位置付けられている。
だが、日本人は自国通貨の上昇をアプリシエイトしない。これは珍しい現象だ」
「ドイツ人は夏季休暇を外国で過ごすので、自国通貨が高ければ良い暮らしを実感できる。一方、大半の日本人はあまりそのような体験をしていないので、自国通貨高を評価しなかった」
「このため輸出産業の利益や意見が政府の政策に反映され、異常な円安になっていった。ここ数年の日本企業の収益性の回復は、リストラで企業体質が改善したというよりも、基本的には円安に支えられてきた」
と好調な企業業績も切り捨てています。

私も全く同感です。
最近、ロンドンやパリ、ニューヨークなどの世界の大都市に出張に行くと、滞在費用の高さに頭が痛くなります。
過去に東京にやって来た外国人が体験したことが、今では反対になっています。
為替はやはり国力です。
ドルで取引する宝石のビジネスにとっては、為替はどのように影響するのでしょうか。
ビジネスの多くは仕入れ原価を元に価格を決めますが、私の場合は販売価格を時価相場と連動させています。
国際相場や為替の変動が直接販売価格に反映されるため、円安では仕入れ価格が上がりますが、在庫の評価も上がります。
反対に円高は仕入れ価格は下がりますが、在庫の評価も下がります。
長期的には値下がりより値上がりの方が商売はしやすいのですが、短期的には在庫の量によって立場が異なります。
本当に美しいものは稀少ですので、短期間では集めることが出来ません。
時間をかけてこつこつ集めるしかありません。
そのため高い品質の商品を扱うためには在庫が必要です。
結果、販売は在庫が中心になりますので、相場の変動を考えなければ円高は在庫の評価減になり辛いところです。
それでも日本のことを考えれば円高を受け入れなければなりません。

更に野口さんは、以下のように続けています。
「先進国は、脱工業化が進んで、金融やIT(情報技術)が主要産業になっているが、日本には先端の金融技術を駆使できる人材がほとんどいないことと、英語が得意ではないため、金融立国は無理な話だ。」
(その上で、『ものづくり』で生き残るには、)
「日本の大半の製造業は苦労して技術開発しても、値下げ競争に巻き込まれて収益が上げられなくなる状況に陥りやすい。こういうものは『コモディティー』と呼ばれる。アップルのように製造業でもコモディティーでないものを作れるかどうかが重要だ。」

一つ一つが異なる宝石は、本来コモディティーとは相容れない正確のものですが、ダイヤモンドの品質を4Cだけで括ってコモディティー化しいる現状は皆が疲弊するだけで、楽しいはずの宝石の商いを暗いものにしています。
私は、大自然が創り上げた、2つとして同じものが存在しない、本当に美しい宝石を受け継ぐお手伝いをします。
また、宝石の魅力を余すとこなく伝えることが私の使命だと思います。

上の写真は、2カラットサイズのGem Qualityの写真です。姿かたちが理想的です。




Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング

ルビーリングのシルバー製のプロトタイプが出来上がりました。
各ダイヤモンドの角度や傾き、高低差を調節します。
ダイヤモンドは接着剤で仮留めしていますので、白濁していますので本来の輝きはありません。

シルバー仮枠正面







正面から見たところです。
構想では、左右の大きなハートシェイプが大きな輝きで存在感を持つはずでしたが、高低差が足りず回りのダイヤモンドに溶け込んでいます。
また、ペアシェイプが外に張り出しすぎていて、左右天地の十字のハートに対抗して、まるで六条の星のようなベクトルが出来ています。
ペアシェイプをやや内側に入れて全体が丸くなるようにします。


シルバー仮枠側面








横から見たても左右のハートの位置が中途半端なことが分かります。
高さは、〆険Δ梁腓なハート、天地の小さなハート、4屬離撻▲轡Дぅ廚僚腓鵬爾って行きます。
但し、,鉢△廊△鉢Dの高低差はありません。

シルバー仮枠鳥瞰










鳥瞰でも、行儀が良すぎてメリハリのないのが分かります。


ルビー入りシルバー仮枠正面







ルビー入りシルバー仮枠側面






ルビーを置いて、更にバランスを確認します。
左右のハートの先端は、もう少しルビーに食い込んで爪が見えないようにします。
ルビーのアッパーベゼル(石座)は更に小さくして、内側に寄せます。
横から見ても地金ではなくルビーの側面の赤が目に入るようにします。

シャンク(腕)にはメレーダイヤをビーズセット(彫留)します。
そのほか、シャンクとベゼルのつけ方やローワーベゼル(指なじみ)とアッパーベゼル(石座)の間に延びる丸線の本数等を打ち合わせしました。

次回は、プラチナとイエローゴールドで作ります。
今回は、洋服の仕立てで言うと「型紙」を作った段階です。
次回は、「仮縫い」です。
「仮縫い」が1回で終わると良いのですが。


Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング



本来の稀少性が炙り出す宝石の相場に

14.ct Diamond Rough with finger







明けましておめでとうございます。
昨年は予想を超えるアクセスをいただきありがとうございます。
皆様のアクセスが良いプレッシャーとなり、何とか更新を続けることができました。
今年もジュエリーの査定と資産性のある宝石の専門家として発信していきます。

さて、ここ数年のダイヤモンド相場は「管理相場から需給による相場へ」がキーワードでした。
ダイヤモンドの原石市場でDTC(De Beers)が7割、8割も占めていたころは、彼等の都合で相場を管理していましたが、現在は4割程度で寡占市場の1プレイヤーとなりました。
その結果、相場は徐々に需給を反映するものになりました。
言うならば、共産主義の計画経済から資本主義の自由経済に移行するようなものです。
具体的には、小粒や低品質なものが実質的に値下がりして、大粒で高品質なものが大幅に値上がりしました。
またBRICSに代表される新興国で新富裕層の出現したことが大粒で高品質なものを更に高値に押し上げています。
未だ大きなシェアを占めているDTCがプライスリーダーであることに変わりはありませんが、今後は更に需給を反映したものになって行くことでしょう。
商品の相場としては健全なものに移行していきますが、古い体制から脱却できない人たちにとっては淘汰の時代の到来です。

ルビーやサファイアやエメラルドの相場にも異なる原因から変化が出ています。
ジュエリーの大衆化の要請から加熱や含侵による処理が進んで、昔は宝石でなかった素材が宝石に変わりましたが、鑑別の進歩によって本来の宝石品質のものと区別ができるようになってきました。
それに伴い本来の稀少性が炙り出されて、無処理のものが値上がりして、処理のものが値下がりを始めました。
これからは、更に本来の稀少性−需給によるもの−が露わになっていくでしょう。

今後も「美しさと稀少性」について、できるだけ相場の動向も交えてお伝えしたいと思います。

写真は昨年、当社オーナーが購入した14カラットのダイヤモンド原石の写真です。(Gem Quality)



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