ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2008年02月

新聞記事の読み方

20ct PS Diamond









ダイヤモンド、大粒品の卸値上昇

 ダイヤモンドで大粒クラスの国内卸価格が上昇している。
2カラット(Gカラー、SIクラス)の卸値(一次卸)は75万円〜85万円で半年前より5万円(6.6%)前後上昇した。
国際価格が大粒品を中心に上昇している流れを受け、国内でも転嫁の動きがでた。
 大粒品は質の高い鉱石の減少で供給が減っているうえ、先行きの値上がりを見込んだ買い付けで国際相場が上昇している。
この余波で2カラット級の国内卸値も上昇した。
宝飾品メーカーの高額在庫は小粒品に比べて低水準で、値上げが通りやすい環境にあるという。
 一方で0.3カラットは同13万円〜15万円、0.5カラットは20万円〜23万円とほぼ同水準が続く。
 景気減速で国内の宝飾市場は低迷が続き、宝飾品市場は低迷が続き、宝飾メーカーは素材の手当てを控えている。
また金やプラチナなどの素材の上昇で、小売店価格を抑えるため品位の低いダイヤを使うダイヤを使うなどコスト削減の姿勢が強い。「値上げを要請してから浸透まで3ヶ月かかった。」(商社)との声も出ている。

上記のように本日の日経新聞の商品欄に久しぶりにダイヤモンドの相場に関する記事が載りました。
新聞の記事は、その業界の方にとっては既に古くなっている情報が少なくないのですが、今回の記事を段落を追いながら、事実と照らし合わせて解説したいと思います。


ダイヤモンド、大粒品の卸値上昇

 ダイヤモンドで大粒クラスの国内卸価格が上昇している。
2カラット(Gカラー、SIクラス)の卸値(一次卸)は75万円〜85万円で半年前より5万円(6.6%)前後上昇した。
国際価格が大粒品を中心に上昇している流れを受け、国内でも転嫁の動きがでた。

国際的には大粒ダイヤモンドの高騰は既に2年以上前から続いています。
当初は1カラット以上のダイヤモンド、次に2カラット以上になり、最近は3カラット以上が値上がりを続けています。
実は2カラット以下は、1年以上前に落ち着いています。
日本はこの間の景気が悪いために値上がったダイヤモンドの新規の仕入れが少なかったのでタイムラグが生じました。
現在は4カラット以上のサイズが強く、特に5カラット以上は2年前に比べて倍近く値上がりしています。

 大粒品は質の高い鉱石の減少で供給が減っているうえ、先行きの値上がりを見込んだ買い付けで国際相場が上昇している。
この余波で2カラット級の国内卸値も上昇した。

まず、「鉱石」は「原石」という言葉が宝石には適しています。
質の高い大粒ダイヤモンドはもともとその年に産出されたものは少なく、還流品が主流なので、供給が減っていると言う表現は正確ではありません。
また、先行きの値上がりを見込んだ買い付けもあるでしょうが、BRICS等の新しい富裕層やオイルマネーが進んで大粒宝石を買っているのが大きな理由です。
宝飾品メーカーの高額在庫は小粒品に比べて低水準で、値上げが通りやすい環境にあるという。

輸入卸の段階では、仕入れは国際相場なので、卸価格はおおかた値上げ済みです。

 一方で0.3カラットは同13万円〜15万円、0.5カラットは20万円〜23万円とほぼ同水準が続く。

こちらは、横ばいですが、10年ぐらい前に比較すると反対に値下がり気味です。
このサイズが値上がりしたのは、日本の景気が良かった時です。

 景気減速で国内の宝飾市場は低迷が続き、宝飾メーカーは素材の手当てを控えている。
また金やプラチナなどの素材の上昇で、小売店価格を抑えるため品位の低いダイヤを使うダイヤを使うなどコスト削減の姿勢が強い。「値上げを要請してから浸透まで3ヶ月かかった。」(商社)との声も出ている。

食べるものは、安い素材を使うと味が落ちるのでコストダウンには慎重になります。
結果、質より量の犠牲を取って、内容量を減らして店頭価格を抑えることもあります。
ジュエリーは細かな差が分かり辛いので、安易に宝石の品質を下げたり、貴金属の品位下げて店頭価格を抑えようとする動きが多くなります。
ここ2年の貴金属や宝石素材の値上がりは企業努力を遥かに超えるため、弊社の商品も何度か値上げをしました。
反対に値上げがなかったものは、品質を疑った方が良いということです。


私は、新聞を読むのが習慣になっています。
新聞に載っている情報は、既に遅いと言う指摘もありますが、もともとタイムリーを求めない異業種で起きていることを知ることでは、未だに良質な情報源です。
読み方に訓練は要りますが、世の中の大きな動きを掴むことも出来ます。
情報源での紙媒体の地位が低下していますが、がんばってもらいたいと思います。

上の写真は、20カラットサイズのペアーシェイプのダイヤモンドです。



OVER 100 CARATS DIAMOND

ChristiesDiamond 101.27ct F VVS1 EX EX







101.27ct with finger







来る5月28日に行われる香港のクリスティーズオークションで、101.27カラットのFカラー VVS1のダイヤモンドが出品されることが発表されました。
形は写真の通り、SHIELD(盾)のような形です。
クリスティーズによると過去18年間にオークションで売られた無色のダイヤモンドで最大の大きさになるそうです。
また、460カラットの原石から研磨されたことが明らかにされています。
落札価格は600万ドル(約6億6千万円)以上が期待されています。
過去に100カラットを超えるダイヤモンドがオークションに出品されたのは3つしかなく、その全てがジュネーブのオークションだそうです。
今回香港のオークションに出品されたことで、アジアのマーケットの重要性が証明されました。

今のところ、オークションには参加する予定ですので、実際に拝見したいと思います。
実現しましたら、感想をアップしたいと思いますので楽しみにしてください。






希望・楽観主義・寛容

5ct size Kashimir Sapphire Ring







2月17日(日)米ワシントンポストは社説で民主党オバマ氏のことを以下のように伝えました。
「オバマ氏が民主党大統領候補の争いで先頭に立ったのは、米国の問題を希望楽観主義、そして寛容の言葉で語ったからだ」
簡潔にオバマ氏優勢の理由をまとめたことに感心しました。 

この社説の言葉を反対の言葉に置き換えると、「問題を絶望、悲観主義、偏狭な言葉で語る」になり、比較しやすくなります。

例えば、宝石の処理の情報開示と無処理の宝石について、販売する人が以下のように話すと希望も何もなくなります。
「今まで特に説明していなかったのに、処理されていることが分かったら売れなくなる。過去に売ったものはどうするのか。」
「処理されているものと無処理のものを一緒に売れば、処理されたものが売れなくなる。」
「お客さんには、教えすぎると商売がしづらくなる。」

これを、オバマ氏風に話すとこんな具合でしょうか。
「過去は過去として、今出来ることから始めましょう。」
「お客様に産地や処理の有無に関して十分な説明と表示をしていきましょう。」
「もし処理の説明をしたことでお客様が処理した宝石の購入を望まない場合は、処理を必要としない宝石をお勧めすることが出来ます。」
「何故なら、宝石の半分以上は処理を必要としません。更に売り上げの多くを占めるダイヤモンドの殆どは処理されていません。」

私も問題を抱えたときにはオバマ氏のように前向きに話すよう心がけたいと思います。

写真は、5カラットサイズのカシミール産サファイア(無処理)のリングです。

Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリングΑ欖粟−

ルースからリングが出来上がるまでの製作過程を約2ヶ月かけてアップしていきましたが、終に完成です。
ルビーのルースを購入してから周りのダイヤモンドを調達するまで何ヶ月かかかりましたので、実際には半年以上を必要としました。
もっと早く作ることもできますが、仕事が粗くなり完成度が低くなります。
前回からの改良点は、ルビーの爪をイエローゴールドのイーグルクロウ(鷲爪)二本爪からプラチナの頭を丸く仕上げた1本爪に変更したことです。
このルビーはルースの段階ではプラチナの爪に留める予定でしたが、私の迷いでイエローゴールドにしてしまい、職人さんにご迷惑をかけました。
強く濃いルビーでしたらイエローゴールで留めることで強さを緩和することも出来ますが、やはりこれだけ透明度が高いルビーはプラチナの爪で留めることによって、更に透明度が強調されて気品が高まります。
では、色々な角度からの写真をご覧ください。

3ct UT Ruby Dia Ring Complete front view







3ct UT Ruby Dia Ring Complete side view






3ct UT Ruby Dia Ring Complete bird's eye view






3ct UT Ruby Dia Ring Complete Uper and Lower Bezel








Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング
Making 3カラットサイズ ルビー ダイヤモンドリング



南極からルビー?

昨日の日経新聞夕刊のコラム「地球の極を究める」に大変興味深い記事がありましたので原文のままでご紹介します。

「やっぱりあったか」
15年前、現国立局地研究所副所長の本吉洋一郎は、南極の昭和基地の東方100キロメートルで地表から露出していた岩石(露岩)の中にルビーを発見した。
 2億年ほど前、昭和基地の目の前にはスリランカがあったとされる。
もし、この仮説が正しければ、「昭和基地の近くでもスリランカのように宝石が出るはずだ」。
そう思って探してみたら、予想が的中した。
 昭和基地の西側は南アフリカとつながっていたはずなので「ダイヤモンドが出ても不思議じゃない」という。

大陸の誕生と進化の研究で見つかったことですが、大陸の移動と宝石の産地の関連を覚える上では良い機会です。

以下に関連ページのリンクを張りましたので、ご興味ある方はご覧ください。


〇南極から地球を考える

〇地球のダイナミズム

〇PALEOMAP Project
このサイトのページの左に大陸の移動が過去から未来に20段階に分かれて図解されています。
大陸がどのように動いて現在の位置にあるか、また未来はどのようになるか推測されています。




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