ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2008年06月

テルアビブ 2008 

〇カラーに拘る

ペアーシェイプ カラーチェック





カラーをチェックする場合は、このように専用の白い紙に載せて、自然光を再現したデイライトの下でフェイスダウンで行います。
写真は、0.3カラットサイズと小粒なので、1回に10粒程度を並べてチェックします。
手早く肉眼で選別した後にカラーサンプルで確認します。
プロのバイヤーの場合は、そのズレは前後1ランクぐらいです。

ペアーシェイプ カラーチェック クローズアップ





クローズアップして見てみましょう。
このロットは、Collection Colorと言われている最も無色のロットです。
カラーの等級で言うとDカラーからH+カラーの範囲になります。
まだ、この写真では違いは分かりませんね。

ペアーシェイプ カラーチェック DとH





更に分かり易いように、この中からDカラーとHカラーを抜き出しました。
左の無色で透明度が高いのがDカラーで、右の僅かに黄色味ついているのがHカラーです。
単体で見ても分かりませんが、このように差のあるものを比較すると皆さんでも分かります。

カラーの選別はラウンドでもファンシーシェイプでも同じです。
但しラウンドの場合、この0.3カラットサイズをテーブルを上にした状態(フェイスアップ)では、このDカラーとHカラーの差はプロでも肉眼では殆ど分かりません。

では、ファンシーシェイプではいかがでしょう。

ペアーシェイプ カラーチェック DとH フェイスアップ





DカラーとHカラーをフェイスアップにしました。
どうでしょう。
皆さんにも分かりますね。
ファンシーシェイプは、ラウンドに比較して輝きが穏やかなので地色が良く分かります。
特にペアーシェイプやマーキスの尖った部分に色が溜まりやすく目立ちます。
そのため私はファンシーシェイプを買うときには、カラーに拘ります。

4回に分けて、特に輪郭について説明しましたが、説明した以外に最も大切なのは、透明度です。
透明度とクラリティが一緒と考えている人も多いと思いますが、クラリティグレードに透明度が考慮されるのは、極端に透明度が低い場合だけです。
Intenally FlawlessにもVVSにも透明度が悪いものがあります。
まずは、透明度を見極めることが大切です。
そのほかにも、クラリティーグレードのキズの優劣やカラーグレードでもブラウン味やグレー味の見極め等、チェックポイントは多岐にわたります。
その多くがグレーディングレポートには記載されていないことです。
それらについては機会を見てご紹介していきます。


テルアビブ 2008 

〇輪郭に拘る

ペアーシェイプの輪郭の膨らみ具合





上に2つのペアーシェイプを用意しました。
2つとも幅と長さの比率は1:1.55とほぼ同じです。
どちらも円を書いて、中心から上に向かって直径の1.55倍の位置に点を打ち、そこから円の左右の端に向かった弧を描いた線で結ばれていますが、膨らみ具合がことなります。

左は、僅かにカーブを描いて、右側は大きなカーブで結ばれています。
弧の強弱はありますが、右側のグループに属するものは比較的多く存在します。
裸石で見た場合は、それ程気になりませんが、ジュエリーに仕立てるときは注意が必要です。
ペアーシェイプをプロングセッティング(爪留め)する場合は、小さいものは丸みの両端と先端の尖ったところの3点で、大きめものは更にこのカーブの中心に左右1つずつ合計5つの爪で留めます。
爪は、その部分を強調しますので、肉眼では実際のカーブより大きなカーブに見えます。
実際に上の二つのペアーシェイプのその部分に仮の爪をかけてみましょう。

ペアーシェイプ爪と膨らみ 〇





左側のカーブが小さいものです。
すっきりしたドロップシェイプが保たれています。

ペアーシェイプ爪と膨らみ ×





右側のカーブの大きいものは、このように見えます。
ペアーでもドロップでもなく、あえて言えばビュレット(弾丸)シェイプでしょうか。
これほどカーブが大きくなければ、3点留めで綺麗に見えるものもあります。
反対にカーブが少なすぎるものを3点留めした場合は、爪の大きさにもよりますが3点が強調されすぎて三角に近く見えることもありますので、爪の大きさとかける位置によってその形がどのように見えるかを考えなければなりません。

私は、3点留めでも5点留めでも対応できるバランスの良いものを買い付けすることを心がけていますが、マーケットには多くありません。
研磨業者は、バランスよりも歩留まりを優先しますので、バランスの良いものに出会うのは非常に稀です。

ペアーシェイプ輪郭の差3つ並べて





最後に前回からの説明に使った3つのペアーシェイプを並べた写真をご覧ください。
左は、太めの洋ナシ形、右はカーブが大きい弾丸形、真ん中はバランスの良いドロップ形です。
ほぼ同じサイズですが、輪郭の大切さが実感できると思います。


テルアビブ 2008 

〇ペアーシェイプは買わない?!

ペアーシェイプリング





ペアーシェイプは、別名ドロップシェイプと呼ばれます。
雫が落ちるようなイメージから命名されています。
そのイメージからペンでペアーシェイプの理想的な形を描く場合のポイントは、写真のもののように、まず丸を書き中心から上に向かって直径の1.5〜1.75倍の位置に点を打ち、そこから円の左右の端に向かって僅かに弧を描いた線で結べば出来上がりです。

ファンシーシェイプ 肩の張ったものとの比較





2つのペアーシェイプを並べて比較してみましょう。
左は、綺麗な丸が描かれていないために肩が張っています。
裸石でも優雅さがありませんが、通常は肩に爪をかけるのでジュエリーに仕立てたときにまるで三角のようになってしまいます。
このタイプは、買いません。
右のペアーシェイプは綺麗に円が描かれています。
因みに幅と長さの比率は、1:1.6です。

この比率は大きさと用途によって適正なものが異なります。
小粒のものは、1:1.5未満になるとペアーシェイプの形が分かり辛くなりますので、少し長めのものの方が輪郭が綺麗に出ます。
反対に大粒のものは、少し太めでもおおらかさが出て魅力が出る場合もあります。
一番上の写真でジュエリーに使われているものは、3カラットサイズの非常に美しい形です。
この比率は1:1.55です。

また、ペアーシェイプの名前どおりに太めをペアー(洋ナシ)シェイプと呼び、細めをドロップ(雫)シェイプと呼んで分けている人もいます。

ペアーシェイプの輪郭の膨らみ具合





前回のブログの写真にあったプラスティックの箱のロットから2つのペアーシェイプを選び出しました。
写真を撮る都合で、フェイスダウン(テーブル面を下にする)にしています。
2つともほぼ同じ長さで、幅との比率が、左1:1.45で、右1:1.55です。
1:1.5以下と以上でこれだけ印象が異なります。
実際にジュエリーを作ってみると、左のようなペアーシェイプ(洋ナシ形)より右のようなドロップシェイプ(雫形)の方が用途が広がりますので、買い付けも右のタイプが殆どです。
ペアーシェイプを買いに来てペアシェイプ(洋ナシ形)は買わないとは、何とも皮肉なものです。

テルアビブ 2008 

テルアビブのダイヤモンド取引所は、ファンシーシェイプの取扱量が多いのが特徴です。
ファンシーシェイプとは、その宝石のメインの形以外を意味します。
ダイヤモンドの場合は、ラウンドシェイプが殆どなので、ラウンド以外の形は全てファンシーシェイプです。

ダイヤモンドのファンシーシェイプは大きく2つのグループに分かれます。
ラウンドシェイプに代表されるブリリアントカットとエメラルドカットに代表されるステップカットの2つです。
ブリリアントカットは、全ての稜線がガードルを跨いでいる事が特徴で、内側から湧き出る強い煌きが魅力のカットです。
ステップカットは、ガードルに平行した階段状の面がつけられている事が特徴で、吸い込まれるような透明度が強調されます。
ブリリアントカットには、ラウンドのほかにペアーシェイプ、オーバルシェイプ、マーキスシェイプ、ハートシェイプ等があります。
ステップカットは、エメラルドカットのほかにバケット、スクエアー、テーパーバケット等があります。
その他にどちらにも入らないもので人気があるのは、プリンセスカットです。

今日は、ブリリアントカットのファンシーシェイプから買い付けを始めました。

ファンシーシェイプのロット(ケース入り)





ダイヤモンドは、もともとは紙のパーセル(畳紙)に入っているのが基本ですが、ダイヤモンド同士が当たって角や尖った部分が欠けることを防ぐために特にファンシーシェイプの品質の高いものは、このようにプラスティックの容器に入れてあります。
ここに写っているダイヤモンドは0.3から1カラット未満の中粒のものですが、最高品質のため総額は数千万円になります。
今更ながらダイヤモンドは高価です。

ファンシーシェイプ3/8ブリリアント





0.4カラットサイズのロットを取り出します。

ファンシーシェイプのロット





紙の上にざらっと出して選別を行います。
宝石が転がらないためと、選別のメモが書けるので、必ず紙(ソーティングパッド)の上で作業を行います。
写真のように、既に選別用に区分けのマス目が印刷されたものもあります。

ファンシーシェイプ ルーペで覗く





ルーペで覗くとこのように見えます。
無色で透明度が高いのが確認できます。

次は、選別のポイントをご紹介します。


テルアビブ 2008

テルアビブの海岸






テルアビブの街並み






再び、テルアビブに来ています。
写真の通り、地中海の美しい海岸線と白を基調とした落ち着いた街並みの風景は10年、20年前と殆ど変わりません。
最近、大きな衝突はありませんが、相変わらず有事の国です。
新しいホテルも少なく、20年前の格付けがそのまま生きていて、時間が止まっています。
現地の人の感情からは和平はまだ遠くにあると感じられますが、他の国のような発展がこの地に早く訪れることを切に願います。

昨日、友人のお嬢さんの結婚式に出席しました。
ユダヤの結婚式は、熱狂的に盛り上がります。
ダンス、ダンス、またダンスが朝まで続きました。


ユダヤ人の結婚式については昨年のブログをご覧ください。








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