ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2008年07月

V&A Museum

V&A Museum 外観










ロンドンのVictoria and Albert Museumで新しくなったジュエリーの展示を見てきました。
古代から現代までのジュエリーを一堂に見ることが出来るのでロンドンに来るたびに訪れていましたが、新しい展示は以前と同じものが並んでいるとは信じられない程、素晴らしい出来具合です。
2年間も閉鎖していたのがうなずけます。

V&A Museum 沢山のご婦人で賑わう





以前は資料館的な展示のため訪れる人もまばらでしたが、展示が新しくなった現在はご婦人方でごった返しています。

V&A Museum 年代別展示











年代別に整理された展示は、ジュエリー業界の方はもとよりジュエリー好きの一般の方にも必見です。
現在のジュエリーデザインの殆どが、遥か昔から既に存在していたことを見れば、何を作るべきか、また何を買うべきかがはっきりしてきます。

V&A Museum 裏側も見られる展示





今回の展示のハイライトは、部屋の中央を縦断する透明な板に展示されているジュエリーです。
透明な板に留められているため、ジュエリーを裏側から見ることが出来ます。
ジュエリーの出来の良し悪しは裏側から見ると簡単に判断できます。
この展示のプロデューサーの腕はなかなかなものです。
透明な板は、真っ直ぐではなく波を打っているので展示の流れに動きを与えています。

V&A目録表紙









V&A目録中身






ジュエリーの図録が売店で販売されていますので、更に勉強したい方は購入されると良いでしょう。
題名が「JEWELS & JEWELLERY」となっているのが、とても興味深いところです。
宝石を主体としたものがJEWELSで、地金でフォルムを作っているアクセサリー的なものをJEWELLERYとして使い分けているのではないかと思います。
価格は、£19.99(約4,400円)です。
但し、英語版しかありません。



DTC (De Beers) 原石値上げ

14CT Diamond Rough






先月の終わりに8月のサイトより原石の値上げをする旨の通達がありました。
サイズ、品質毎に値上がり率が異なります。
A






これが実際に送られてきた通達の写しです。

Polished Sizesとは、研磨上がり後のサイズと言う意味です。
+1ctは1カラット以上
+20ptsとは1カラット未満0.2カラット以上
Meleeとは、0.2カラット未満1/40カラット(0.025カラット)以上
Starsとは、1/40カラット未満

+VSとはクラリティーがVSクラス以上
SIとはクラリティーがSIクラス
SIクラス未満のI1〜I3は、値上げ無しと最後に一文入っています。

大粒になるほど、品質が高くなるほど値上がりが激しくなっているのが見て取れます。
これを見て皆さんは、「また来月から大粒ダイヤが高くなるの?」と考えるのは性急です。

実は、既に値上がりした原石価格で取引がされており、サイトの原石価格に上乗せされています。
その上乗せ率が値上げ率です。
そうです。市場で既に値上がりしている分をDTCは後追いで値上げしているのです。
この上乗せ率をプレミアムと言い、DTC(De Beers)は値上げのことを「プレミアムの吸収」と呼んでいます。
既に原石価格が上がっているのなら、発表しなくても良さそうなものですが、そこには別の意図があります。
発表は、サイトホルダーに向けて行われますが、実際はサイトホルダーが彼らの研磨済みの顧客に対しての値上げをスムーズにする目的の方が重要です。


現在のところ、大粒ダイヤモンドの価格の上昇は一服しています。
高止まりしている状態です。
この値上げの発表が更に強気な相場を醸成するのか、単にプレミアムを吸収するだけなのかは分かりません。


Aurora Collection

オーロラコレクション紫外線下の蛍光色





これは、人魂ではありません。
ダイヤモンドが発する様々な色の蛍光です。

知人のブログより紹介があったファンシーカラーダイヤモンドのコレクションで有名なオーロラコレクションロンドンの自然史博物館で見てきました。
25年の歳月をかけて、296個の異なる色のダイヤモンドをコレクションしたAlan Bronstein氏 と Harry Rodman氏の情熱には頭が下がります。
ファンシーカラーダイヤモンドのコレクターには垂涎の的でしょう。


オーロラコレクションケース全体像











自然史博物館内にあるミネラルの部屋のコーナーに、独立したハイケースが設置されそこに陳列されています。

オーロラコレクション全体像





ケースの中ではピラミッド状の斜面になった展示板に、ダイヤモンドが虫の標本のように整然と並べられています。オーロラコレクション通常ライトクローズアップ2






クローズアップしてみます。

オーロラコレクション説明文



説明文です。


何よりも感動したのは、展示方法です。
断続的に明るい照明から真っ暗になり、暗闇の中から紫外線に照らされて様々な蛍光を発するダイヤモンドを観察できます。
正直なところファンシーカラーのバラエティーよりも、一度にこれだけの種類の蛍光を見ることが出来ることには驚きました。
ダイヤモンドには蛍光があるものと無いものがあります。
蛍光は、暗闇にして紫外線のライトを当てると浮かび上がります。
そして蛍光を発するものの殆どの色はブルーです。
そのほかに黄色やオレンジ等がありますが、出現率は低くなります。
但し、ファンシーカラーダイヤモンドの多くは、カラーレスのダイヤモンドより様々な色の強い蛍光を発します。
オーロラコレクションは展示を工夫することで、その名の通りオーロラのように美しい蛍光色を見せてくれます。


オーロラコレクション通常ライト下の色オーロラコレクション紫外線下の蛍光色





最初の写真を照明が明るい時と、暗くして蛍光を浮かび上がらせた時とを並べてみました。

オーロラコレクション通常ライトクローズアップオーロラコレクション紫外線下の蛍光色クローズアップ









斜めからの比較もご覧ください。


オーロラコレクション オレンジの蛍光








この写真の真ん中に鮮やかなオレンジの蛍光を発しているハートシェイプのダイヤモンドが確認できます。
本来の色はどんなに綺麗であろうと期待して、明るくなるのを待っていました。
すると、何と本来の色はオリーブグリーンで、決して綺麗とはいえないものでした。
こんな楽しみ方もあります。


最後に、色が変わる様を動画に撮りましので、アップします。
不慣れなために、ピントがずれている箇所も多くありますが、雰囲気だけでも味わってください。
動画:オーロラコレクション

大粒ダイヤモンドの相場

10ct以上大粒ダイヤモンド










 テルアビブに限らずダイヤモンド業界の一番の関心は、ここ数年で高騰した大粒ダイヤモンドの価格崩壊の有無についてです。
高品質で5カラット以上のダイヤモンドは、ここ数年で倍以上の価格になったことから、既に危険水準に入っていると主張する業者もいます。
一方ではロシア、インド、中国の新興国の実需に基づいているので、大きく変わらないとする人も多く、見方は割れています。
そこに、以前から計画が明らかにされていた高額ダイヤモンドに投資するファンドがロンドン市場に上場しました。
このファンドでは1個100万ドル以上の稀少性の高いダイヤモンドに投資するとしています。
このニュースは両者の議論に水を差す可能性があります。
実需に基づくと主張していたグループも具体的な投機資金の流入には慎重な見方にならざるを得ないかも知れません。
ファンドの影響力が強くなって更なる高騰が続いた場合は、注意が必要です。


世界のダイヤモンド研磨地とテルアビブ

テルアビブ研磨作業







 アントワープ、イスラエル、ムンバイ、ニューヨークが世界四大ダイヤモンド研磨地と呼ばれてから久しくなります。

その後も人件費の優位から発展を続けたムンバイを別にすると世界のダイヤモンド研磨産業の情勢は大きく変わりました。

 ニューヨークは、研磨地と言っても大粒石に特化していたので、金額は別として研磨能力はもともと極僅かでした。
米国と言う圧倒的に大きなマーケットを抱えているので現在でも大粒ダイヤモンドの取引では確固たる地位を保っています。
 既に集荷地として認識されていたアントワープは、原石の取引を独占できたこともあり生き残りました。
しかし、数年前よりベルギー政府が脱税を厳格に取り締まる方針を発してから業者の流失が始まり、集荷地としての地位が脅かされています。
 テルアビブは、アントワープと同様に人件費の高騰から研磨量が激減し政治的情勢からバイヤーにも敬遠され、一時は危機的状況に追い込まれましたが、現在は原石の管理と研磨済みの集荷地としてアントワープと競っています。
数年前に比べ、イスラエルのダイヤモンド取引所のオフィス価格は倍になっています。
業態転換によって復活したことがオフィス価格に反映された結果ですが、アントワープの業者の一部が避難してきたことも影響しています。

 研磨地としては、インドの他に中国、タイを中心としたバーツ経済圏、ロシア等のシェアが大きく、これに南アフリカ、ボツワナ等のアフリカの原石の産地が雇用政策を進めているため、新たに加わりつつあります。



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