前回は、メレーダイヤモンドの範囲について書きましたが、今回はダイヤモンドのサイズと価格の区分についてご説明します。
殆どの宝石は、大きくなればなる程価格も高くなります。
全体の価格も高くなりますが、1カラットあたりの単価も原則として高くなります。
その括りは、時代によって変わってきます。
ここでサイズの括りを20年前と現在とで比較してみたいと思います。
各国で括りや呼び名は異なりますが、小さいサイズはムンバイ、中粒以上はアントワープでの取引を基本としています。
記憶違いがありましたら、ご容赦下さい。
右はロットの名称(-6.5等はシーブサイズ)
<20年前>
0.02ct以下 -6.5 or Star size
0.03〜0.06ct -11 or Melee size
0.07〜0.17ct 1/10-1/6
0.18〜0.27ct 1/5-1/4
0.28〜0.37ct 1/3
0.38〜0.47ct 3/8
0.48〜0.69ct 1/2
0.70〜0.98ct 3/4
0.99〜1.99ct 4/4
以上1カラット刻み
<現在>
0.008ct以下 -2
0.009〜0.02ct -6.5
0.03〜0.07ct -11.5
0.08〜0.12ct 1/10
0.13〜0.17ct 1/6
0.18〜0.22ct 1/5
0.23〜0.29ct 1/4
0.30〜0.39ct 1/3
0.40〜0.49ct 3/8
0.50〜0.69ct 1/2
0.70〜0.99ct 3/4
1.00〜1.49ct 4/4
1.50〜1.99ct 6/4
2.00〜2.99ct
以上1カラット刻み
20年前と現在を比較すると区分が細分化しているのが分かります。
本来、1カラット以上にのみ使われていたグレーディングレポート(4C)が小さいサイズにまで使われたことが大きな要因です。
同じサイズ区分のダイヤモンドは単価が一緒です。
察しの良い方はもうお分かりだと思いますが、同じ区分の一番大きなサイズがお買い得と言う事です。
例えば、0.70ctと0.99ctでは同程度の品質の場合、1カラット当たりの単価は変わらないので、0.99ctは1.00ctとほぼ同じ見栄えで1.00ctサイズより単価が安く相当なお買い得と言う事ができます。
残念ながら大粒になればなるほど、サイズ区分の上限のものは少なくなります。
近年、原石段階からコンピューターでかなり正確に研磨上がりがシュミレーション可能になり、研磨業者も出来るだけ上のサイズに研磨するので、なお更出会う機会が少なくなりました。
但し、0.70カラットサイズ未満の場合は、原石の供給量も多いので、サイズ区分の上限のものも多く存在します。
20年前は1.50カラットサイズは1.00カラットサイズに含まれていましたが、人気が定着したため独立して取引されるようになりました。
現在は2.50カラットサイズが人気です。
既に、市場では10%程度のプレミアムがついて取引されています。
人気が続いたら、独立したサイズ区分になるかも知れません。
もともと1.50カラットサイズや2.50カラットサイズのような中間サイズは、その一つ上のサイズの見た目に近くなります。
1.50カラットサイズは1.00サイズではなく2.00カラットサイズに、2.50カラットサイズは2.00カラットサイズではなく3.00カラットサイズに近いと言う具合です。
もし、1.30カラットとか2.70カラット等の中途半端に思えるサイズで美しいものに出会えたら幸運です。
大きく見えるだけでなく、カットやプロポーションが良い可能性が高くなります。
なぜなら、1.00とか2.00カラットのようにサイズ区分の下限のものは、どこか無理をしてギリギリそのサイズに仕上げている可能性が高いからです。
もちろん、下限で良いものも存在します。
今回は、サイズ区分から見た選び方をご紹介しました。
皆さんがご予算の範囲内でより大粒で美しいダイヤモンドを購入されることを願って止みません。