ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2009年04月

続Christie's New York Auction 結果

Natural Pearl and Diamond necklace byBoucheron








〇Natural Pearl and Diamond Necklace by Boucheron
 天然真珠 無処理(GIA) 5.65〜9.95mm 155個  長さ50インチ(約127センチ)
 落札価格(手数料込み):$398,500(約4,000万円)


この素晴らしいブシェロン製の天然真珠のネックレスは、その稀少性もさることながら当時の領収書が添付されていることが興味を引きます。
1971年にロンドンのブシェロンのお店が£35,000の領収書を発行しています。
現在の為替に換算すると1ポンドは150円程度ですので約500万円になりますが、当時はまだポンドが強くおよそ850円〜750円程度で取引されていたことを考えると約2,800万円になります。
当時の日本では、大変な金額です。
これを見ると貨幣の価値は変わりますが、宝石の価値は殆ど変わらないことが良く分かります。
高品質で大粒のダイヤモンドや無処理で大粒のルビーがそうであるように、稀少性が高い宝石の価値はあまり変わりません。
宝石の力を思い知らされる事例です。

*天然真珠と養殖真珠は、稀少性においてまったく別のものです。


Christie's New York Auction 結果

6.76cts Burma Ruby UT





春のオークションシーズンが始まりました。
昨日は、クリスティーズのニューヨークオークションが行われ、落札率が85%(ロット数)でオークションとしては理想的な結果となりました。
これは、オークション会社が商品構成とリザーブ価格設定に努力した成果です。
但し、総ロット数が208と少なく、落札総額も19.3百万ドル(約19億円)とバブル前の7掛け程度で、本格的な回復にはまだ時間がかかります。
世界的な不景気の中で超高額商品が予定通りに落札されていることが富裕層の購買意欲がなくなっていないことを証明しています。
主な落札結果を以下に記します。


〇Diamond Pear Shape 30.02cts D color Intenally Flawless Type?a
 落札価格(手数料込み):$4,002,500(約4億円)
 1カラット当たり:$133,328(約1,200万円)

〇Diamond Emerald Cut 32.72cts D color VS1
 落札価格(手数料込み):$1,650,500(約1億6,500万円)
 1カラット当たり:$50,443(約500万円)

〇Diamond Pear Shape 15.05cts D VVS2 by Harry Winston
 落札価格(手数料込み):$986,500(約9,900万円)
 1カラット当たり:$65,548(約650万円)

〇Ruby Diamond Ring
  Ruby Cushion Cut 6.76cts Burma origin No treated (GIA&AGL)
  Diamond Cushion Cut 2.01cts D VS1
  Diamond Cushion Cut 2.02cts E VS1
 落札価格(手数料込み):$866,500(約8,700万円)
 

*ダイヤモンドのレポートは全てGIA

上の写真は、6.76ctsのビルマ産無処理のルビー ダイヤモンドリングです。

光の指揮者

本日は、ジュエリーの撮影に立ち会いました。
写真家は、雑誌の世界では予約がいっぱいで、なかなか撮ってもらえない人気の方です。

プロデューサー(発注者)の意図を汲み取り、写真家が表現します。

アングルを決めて助手に指示を出し、四方八方からのライトを一つずつ角度、強弱の微調整をしていきます。
一つが決まると、次は別なライトを全く違った方向から同じように調整します。

あたかもオーケストラの指揮者が楽器毎に演奏させているかのように見えます。
「はい、バイオリン。」
「そこ、そこのところもっと情熱的に!」
「ここは若い男性が意中の女性に求愛している場面だ!」

   ↓
「はい、そのライト。」
「もう少し、右ななめ上から!」
「更に強く!」

このように、8個ものライト一つずつを、繰り返し、繰り返し調節していきます。
そして、最後に全てのライトをいっぺんに当てて一気に撮ります。
驚くことに写真家には、一つ一つのライティングを調節しているときに、全部のライトが点灯した時のイメージが出来ているのです。

プロデューサーと写真家、双方が満足するまでこの作業は続けられます。
時には、1枚の写真に2日がかりのときもあります。
そこには、妥協がありません。

宝石の買い付け、ジュエリーのプロデュースも基本は同じです。
初心に帰る思いで、スタジオを後にしました。

プロの道具箱

スコップ





今回は、ルースストン(裸石)を扱うときにピンセットと同じぐらい良く使う道具「スコップ」をご紹介します。
ルースストンをまとめてすくい取って、タトウ紙やビニール袋に収納します。
特に小粒宝石の選別には無くてはならないものです。

「スコップ」は「シャベル」と言うこともあります。
土砂を掘る「shovel」に、砂糖や小麦粉をすくう「scoop」と英語そのものです。

スコップサイズ別





写真のようにサイズは、長さ5センチ足らずのものから10センチ近いものまで様々です。
扱う量によって使い分けますが、プロのバイヤーでしたらなるべく大きなものをお勧めします。
出来るだけ多くの量を一度にすくって、作業効率を良くします。
慣れてくるとメレーダイヤモンドでしたら50カラットぐらいまで一度にすくう事が出来ます。
もちろん私は、一番大きなサイズを愛用しています。
また、少し頼りないぐらいに板が薄く、先端が鋭利に削ってあるものがベストです。

今回は、実際にすくうところを動画でお見せします。
まず、初めはメレーダイヤ約30カラットをすくって、元に戻す動作をご覧下さい。
本来は、選別用の白い紙(ソーティングパッド)の上で行いますが、ダイヤモンドが分かり易いように黒い紙の上で行います。
勢い良く飛び出さないように短い辺を使って、指で細かく叩きながら紙の上に戻します。
動画:メレーダイヤモンドをすくってから置くまで


次は、すくってからビニール袋に入れる動作をご覧下さい。
今度は、こぼれない様に長い辺を使ってビニールに流し込みます。
動画:メレーダイヤモンドをすくってから袋に入れるまで
如何でしょうか。
少しバイヤーの作業が実感できたでしょうか。
これからも少しずつ動画を増やして行きたいと思います。


プロの道具箱
プロの道具箱


がんばれ新社会人!

新聞の開き方









毎年この時期になると、あちこちで新入社員の方々を見かけます。
特に朝の電車の中では、なれない手つきで新聞を読んでいる姿が目に付きます。
まだ二つ折りにして読む技術を知らないので、まとまりがつかなくなって、悪戦苦闘している姿が初々しく思えます。
中には、見かねて広げ方を教えている親切な方もいらっしゃいます。
見習いたいものですね。

残念なことに4月にたくさん見かけた新聞を読む新入社員も、例年ゴールデンウィークが明ける頃になるとめっきり減ります。
とりわけ、若い女性が社内で新聞を読んでいるのはとてもかっこ良いので、見られなくなるのは寂しい限りです。
是非がんばって続けてください。
良い習慣は、人生を豊かにします。
ネットがいくら発達しても、紙の活字文化は大切にしたいものです。

私自身は、新聞を読まないと気持ちが悪いぐらい習慣になっています。
新聞の情報を既に古いと馬鹿にする方もいますが、時事問題を理解する上では未だに良い情報源です。
但し、自分の仕事の情報は現場主義が一番です。
現場に赴いて得る情報に適うものはありません。
今年度も私のブログでは、「宝石の美しさと価値」についての情報を現場からお届けします。







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