ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2009年09月

507.55カラット ダイヤモンド原石 発見

cullinan507carats
9月29日、Petra Diamonds Limited は、 南アフリカのCullinan鉱山で、507.55カラットの大粒ダイヤモンド原石を発見したと発表しました。


原石は、9月24日木曜日に発見されて現在専門家による詳細な分析がされていますが、カラーと透明度からType2のダイヤモンドであることが期待されています。






さらに同じ鉱区で同様の品質の168.00、58.50、53.30カラットの3つの原石も発見されたとしています。
507.55カラット(ちょうど100グラム程度)のダイヤモンド原石は今まで発見された高品質な原石の上位20個に入ります。
cullinan507carats + another 3 stone

Cullinan鉱山は、1905年に発見された史上最大のダイヤモンド原石Cullinan 3,106カラットを筆頭に755カラットの Golden Jubilee、599カラットのCentenary を過去に産出してます。
鉱山は 2007年11月にDe Beersからサウジアラビアの投資会社系列のPetra Diamondsに10億ランド(現在のレートで約120億円)で売却されていましたが、稀少な大粒ダイヤモンド原石を産出したことで再び注目を浴びることでしょう。

原石は、入札又はオークションによって販売されると思いますが、誰が手に入れたとしても研磨済みが公開されることを期待します。

map_sa

「大きな葛篭(つづら)」

I and D color face up

この二つのダイヤモンドのどちらか一つ差し上げますと言われたらどちらを選びますか。
直径は、小さいほうが5.3ミリ、大きいほうが6.5ミリと数字だけ比べると1.2ミリの差しかありません。
皆さんは、目を凝らして差を見出そうとするでしょう。
また、どちら方が高いか考えを巡らすでしょう。

美しさも変わらないように見えると思います。
写真より現物のほうが大きさ以外の差を見出すのは困難なぐらいです。

更に加えて、価格の差も殆どありません。

そらぞれのスペックは以下の通りです。

0.56カラット Dカラー、Internally Flawless EX

1.05カラット Iカラー、VS2 EX


ソリテールリング(立爪リング)にするのでしたら、私は迷わず大きいほうを選びます。
小さいほうのダイヤモンドで宝石の装身具を仕立てるのには、スリーストンやファイブストンリングのように幾つか集めて大きな輝きを作る必要があります。
単独では、存在感が不足してしまいます。
サイズ(大きさ)は宝石の品質の重要な要素です。
ファイブストンリング







ラウンドブリリアントカットは輝きが強いので、ある程度の大きさまではIカラー以上の差が分かりづらく、カラーレス(無色)のように見えます。
これが、輝きの穏やかなマーキスシェイプ、ペアーシェイプ等のファンシーシェイプの場合は色溜りもあり、差がはっきりします。
付加価値をつけるための特別なカットや過度なクラリティーを求めずに、大粒を選んでみては如何でしょうか。
「山椒は小粒でピリリと辛い」より「大きな葛篭」の選択が「受け継ぐ人に喜ばれること」になることもあります。
もちろん透明度が高い美しいダイヤモンドであることが前提です。






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