ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2009年10月

Hope Diamond

Hope Diamond

ついに、世界で最も有名なブルーダイヤモンドのホープダイヤモンドを手に取りました。



と言うのは、冗談です。
弊社の会長の諏訪がスミソニアン博物館のミュージアムショップにて100ドルで買ってきたレプリカです。
なぜ、今更ホープダイヤモンドを紹介するのかと言うと理由は、3つあります。
Hope Diamond GIA Report

まず、ホープのブルーの色です。
一般の方がご覧になって、「きれいだった」と感想を聞くことがありますが、決してきれいなブルーではありません。
ご覧の写真のようなブルーです。
レプリカながら、実物に近いブルーが良く再現されています。
GIAのレポートでは
Fancy Deep Grayish Blue です。
強引に日本語訳すると「彩度が低く灰色がかった濃い青色」です。

二つ目は、原産地がインドのゴルコンダと分かっている数少ないダイヤモンドです。
現在のところ科学的な特徴からはダイヤモンドの原産地の表記は難しいのですが、来歴がはっきりしている歴史的なダイヤモンドについては産地の言及が可能です。
博物館の公式サイトにも産地としてゴルコンダの記載があります。

三つ目は、語り継がれている「呪い」についてです。
全くの迷信です。
私は、宝石に人の「怨念」とか「呪い」がついていると言う類は信じません。
ホープダイヤモンドの歴代の所有者の詳細については下記のページをご覧下さい。
ホープダイヤモンド

最後にホープダイヤモンドの燐光について触れておきます。
紫外線等を当てたときに発生する発光は「蛍光」と言うのはご存知だと思います。
光源を切った後も僅かに持続し、そして消滅する光を「燐光」と言います。
「燐光」を発するダイヤモンドは稀で、その多くがType2bのブルーダイヤモンドと言われています。
「燐光」の色は通常「青」又は「赤」で、ホープダイヤモンドの「燐光」は赤色です。
Hope 燐光






現在、ホープダイヤモンドは枠から外されて、ジュエリーのリモデルの最中とのことです。
写真の姿では見ることは出来ません。
次は、ネックレスになって登場すると聞いています。
ワシントンにお出かけの際は、是非ご自身の目で美しさを確認して下さい。

Fancy Vivid Pink 5cts

00ct Fancy Vivid Pink Ptentially Flawless

12月1日(火)に香港のクリスティーズのオークションに高価なピンクダイヤモンドが出品されます。

GIAのファンシーカラーの表記は鵜呑みに出来ませんが、Fancy Vivid Purplish Pink(赤紫味のあるピンク色)でなくFancy Vivid Pink(ピンク色)の表記は極めて稀です。

データは以下の通りです。

Weight: 5.00cts
Shape & Cut: Cushio-shaped brilliant-cut
Color : Facny Vivid Pink
Clarity : Potentially Flawless
Jeweller : Graff
Estimate price : HK$39,000,000-55,000,000
             (US$5,000,0000-7,000,00)

重量:5.00カラット
形とカット:クッションシェイプ ブリリアントカット
カラー: ファンシー ヴィヴィッド ピンク
クラリティー:ポテンシャリー フローレス
       (外部のキズを研磨すると恐らくフローレス)
ブランド:グラフ
見積価格:3千9百万-5千5百万香港ドル  (5百万-7百万米ドル)
     (約4億6千万円-6億4千万円)



2009年5月のクリスティーズ ジュネーブのオークションで5.29カラットのFancy Intense PinkがCHF2,266,500(当時約2億4,000万円手数料込み)で落札されたことを考えると見積価格にも説得力があります。
結果が楽しみです。
また、現地から報告します。

稀少ダイヤモンド相場堅調

53cts D IF PS昨日のサザビーズ ニューヨークのオークションに出品された大粒ダイヤモンドが高額で落札されました。
大粒で稀少な宝石相場は貨幣価値に対する不安から引き続き高値を維持しています。


今月から本格的なオークションシーズンに入りますので、稀少宝石の相場から目が離せません。





落札価格(手数料込み): 3,498,500ドル (1カラット当たり118,472ドル)
              約3億2,200万円 (1カラット当たり約1,090万円)
形とカット: ペアーシェイプ ブリリアントカット
重量: 29,53カラット
カラー: Dカラー
クラリティー: インターナリーフローレス
       (外部のキズを研磨すると恐らくフローレス)
タイプ: タイプ2a
 (全てのダイヤモンドで2%以下と言われている窒素を殆ど含まないタイプ)
*US$1=¥92


Hmmer Price(including buyer's premium)
        :$3,498,500 ($118,472/ct)
Shape and cut: Pear-shaped brilliant-cut
Weight: 29.53cts
Color : D
Clarity: Internally Flawless (May be potentially flawless)
Type: Type 2a




プロの道具箱 (4) その3

ジュエリーにセットされた宝石

ジュエリーに爪留めされた宝石もゲージの先端右の部分で測定が可能です。


石留めされた宝石の直径を測る



直径はこの様に挟んで測ります。




石留めされた宝石の深さを測る

深さは、裏側の穴を利用して測ります。
穴のサイズが小さいものや深いものにも対応できるように装着できる別の金具も付いています。




○なぜアナログか

私はジュエリーは工芸品なので工業用品のような精密なサイズは必要ないと考えています。
完成度の高いジュエリー作りには宝石のサイズにも正確さが求められますが、百分の一までは不要です。
また、原石の歩留まりと研磨の効率からしても無駄です。
アナログの良いところはサイズに関して不必要に厳しくならないで済むところです。

デジタルの数字を読むことは疲れるので、バイヤーのように長時間作業をする仕事にはアナログの方が向くと考えるのは私だけでしょうか。

サイズの範囲をゲージに記す例えば、サイズの範囲をプラスマイナス0.1ミリとした縦3ミリ横2ミリの小粒のバケットやマーキスを選別するときには、水性ペンでゲージに範囲を記してしまいます。
ゲージの針がこの範囲に留まるか否かを判断しているだけなので数字として見ていません。
アナログを好むかデジタルを好むかは人それぞれですが、仕事の道具となればその選択は私にとって大事なことです。


○プロの道具箱(1)
○プロの道具箱(2)
○プロの道具箱(3)



プロの道具箱 (4) その2

宝石を測る

○ルース


ルースの直径を測る




ルース(裸石)の直径はこの様に測ります。
肉眼では真円に見えるラウンドのダイヤモンドも完全な円ではありませんので数箇所測るのが基本です。




ルースの深さを測る


深さを測る場合は、ゲージを立ててフェイスダウン(テーブルを下)に置いて測ります。
その時にキュレット(尖った部分)が壊れないように、そっと測らなくてはなりません。
ダイヤモンドは世の中で一番硬い分質ですが、面をつけていないキュレットや、ナイフのように尖ったガードル(外郭)は強い衝撃を与えると壊れます。


縦横や直径と深さが分かると宝石の大体の重さが分かります。
査定業務では欠かせない作業です。
特にラウンドのダイヤモンドは以下の数式でほぼ正確な重さがわかりますので、業界の方は暗記すると良いでしょう。
因みに私は、多いときは一日に数十回はこの計算を行います。

直径の二乗×深さ×0.0061=重さ(カラット)

ラウンド以外のダイヤモンドの場合も、直径の二乗の代わりに縦×横でおおよその重さが分かります。
ダイヤモンド以外もダイヤモンドとの比重の違いで調節すると使うことが出来ます。
クラウンやパビリオンの比率や形状の違いで誤差が出ますが、経験値で修正することで精度が上がります。
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