ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2009年12月

常識を疑え

愛用のルーペ

都内で時給1,200円前後、営業利益率が10%強のレストラン。

皆さん、どんなレストランを想像しますか。

経営者ならば、客単価の高い高級レストランを思い浮かべるのではないでしょうか。

実はこれは、昨日の日経新聞の朝刊コラム「経営の視点」で紹介されていたサイゼリアさんのことです。
ご存知のように500円未満のメニューが大半の低価格ファミリーレストランです。

サイゼリアさんが心がけているのは「生産性の向上」、基本原理にまでさかのぼって作業を一つ一つ洗いなおす、ということ。

<例>

 「店内清掃」とは何か→床のゴミやホコリを取ること。

 掃除機を使う必要があるのか→空気まで吸い上げる必要がない。

 掃除機は、何度もひじを動かさなくてはならない。
  ↓
 モップなら歩いて押すだけ。
 但し、30センチ幅のモップでは掃除機と歩数が変わらない。
  ↓
 120センチ幅に変更
  ↓
 掃除機で1時間かかった作業が30分に短縮。


常識を疑い科学的に考えて生産性を向上させることは是非見習わなくてはなりませんが、それと同時に同業と比べて高い賃金を支払っていることが良い結果につながっていると思いました。
良い待遇のもとにポテンシャルの高い人が集まり、方針が実践されるので好循環が続きます。
経営は基本的に多答解ですが、「三方良し」の経営を目指したいものです。

皆さんの仕事でも、昔からそうやっていたからと言う理由だけで続けている仕事はないですか。
私は、私生活を含めてたくさんありそうです。
新年も近いので今日から見直します。



Diamonds Rough to Romance

Rough to Romance新刊本のご紹介です。弊社オーナー諏訪恭一氏とデビアス・インスティテュート・オブ・ダイヤモンズの社長のAndrew Coxon氏との共著「ダイヤモンド 原石から装身具へ」Diamonds -Rough to Romance-が世界文化社より8,400円(税込み)で発刊されました。「ダイヤモンドの美しさは、自分の目で見て確かめる」と言う考え方を多くの人に伝えたいと言う思いを二人が共感して書き上げました。 4Cでは要約することが出来ないダイヤモンドの美しさを原石の個性と言う点から捉えて解説しています。


第1章では諏訪氏自身が買い付けした原石を実際に研磨して、原石とはどのようなもので、美しく歩留まり良く仕上げるためにどのような計画が立てられて、研磨されるかが考察されています。

第2章は、15世紀に始まる約600年のダイヤモンドの研磨技術の進歩を、橋本貫志氏のヒストリックリングコレクションを手がかりにたどっています。

第3章は、4Cを語る以前にダイヤモンドジュエリーの美しさは如何にサイズとシェイプが生かされているかで決まることを有名ブランドのジュエリーの写真と共に解説しています。

第1章抜粋
Elongated Octahedron











第2章抜粋
Octahedal Rough Diamond Ring










第3章 サイズとシェイプの生かし方
第3章 サイズとシェイプの生かし方

Christie's Hong Kong Auction 4

○The Diamond Love Cuff by Cartier
$348,000
約3,100万円
2452 Weared Love Cuff by Cartier
Love Ringでお馴染みのCartierのLoveシリーズのCuffです。
ファッション性の強い装身具なので本来私のブログで取り上げるジュエリーではありませんが、あまりに豪華でロマンティックなのでご紹介します。
ラブブレス同様にドライバーでなければ取り外すことが出来ません。

2452 Love Cuff by Cartier










○Radiant cut 3.02ct Fancy Intense Blue VS1 by Tiffany & Co.
$1,163,680(385,000/ct)
約1億円(1カラット当たり約3,400万円)
Tiffany社製のブルーダイヤモンドリングです。
Intense Blueのグレードですがグレー味が感じられず、さすがTiffanyと言うセレクションです。
02ct Fancy Intense Bule VS1


○cushion shape 8.66ct D Intenally Flwales Type2a
$1,086,000($125,000/ct)
約9,500万円(1カラット当たり約1,100万円)
下見会で最も気に入ったダイヤモンドです。
縦横約13ミリで深さが約6.7ミリのとても魅力的な姿かたちです。
Total depthは52%と数字の上では浅すぎるのですが、透けることもなく美しい輝きを保っています。
角があるクッションシェイプの変形ですが、優しさの中に凛としたたたずまいの輪郭にもひきつけられます。
Type2aと言っても中には透明度が低いものがある中で、このダイヤモンドはまさにゴルコンダのような逸品です。
2417 8.66ct D IF Type2a



オークション落札結果紹介終わり。

Christie's Hong Kong Auction 3

○Cushion shape 16.65ct Kashmir Spphire By VCA
$2,396,820($144,000/ct)
約2億1,000万円(1カラット当たり1,270万円)
オークションの世界記録価格(サファイアの1カラット当たりの価格)

Van Cleef & Arpelsのカシミールサファイアリングです。
少し濃い目ですが、このサイズなら申し分ありません。
最近見たカシミールサファイアの中では群を抜いた美しさです。
上下左右4点のバーセットがヨーロッパらしさを演出しています。
2453 16.55ct Kashimir Sapphire



○Cushion shape 7.35ct Sapphire Untreated Burma origin by AGTA $168,000($23,000/ct)
約1,500万円(1カラット当たり約200万円)
ビルマ産(無処理)にしては優しいブルーなのは、程よいシルクインクルージョンのお陰です。トーンも上記のカシミールサファイアに比べるとやや淡目ですが、とても魅力的なリングに仕上がっています。下見会でも気になったサファイアです。2416 7.35ct Burma Sapphire UT AGTA


○Cushion shape 4.04ct Ruby UT Burma origin by SSEF & GRS
$218,000($54,000/ct)
約1,900万円(1カラット当たり約480万円)
ビルマ産サファイア(無処理)
姿形が良いために標準のプロポーションの5〜6カラットサイズの大きさがあります。写真では良く分かりませんが、ピジョンブラッドと呼ぶに相応しい濃さ、赤さ、透明度を備えているルビーです。
2291 4.04ct Ruby Burma UT SSEF



続く。

Christie's Hong Kong Auction 2

○Oval 9.03ct Fancy Vivid Yellow VVS1 by GRAFF
$1,529,940 $169,000/ct
約1億3,500万円(1カラット当たり約1,500万)

このサイズにしては異例に濃くきれいなイエローです。

2453 9.03ct Fancy Vivid Yellow VVS1



○Round 16.99cts D Flawless EX EX EX Type2a
$2,902,500 $171,999/ct
約2億5,500万円(1カラット当たり約1,500万円)

2451 16.09ct D Flawless 3XEX



○Emerald cut 0.84cts Fancy Red
$290,000($345,000/ct)
約2,550万円(1カラット当たり約3,000万円)
典型的なコレクターアイテムです。

2449 0.84ct Fancy Red




次回に続く。
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