ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2010年04月

Sotheby's New York Auction 3

ファンシーカラーダイヤモンドの価格は過熱の一方です。
最後にご紹介するのは、このサイズでは本当に珍しいカラーのダイヤモンドです。

○Diamond Ring
Diamond Radiant-cut 7.67cts
Fancy Intense Pinkish Orange Internally Flawless
Type2a (GIA)
ダイヤモンド ラディアントカット 7.67カラット
ファンシー インテンス ピンキッシュ オレンジ
インターナリーフローレス タイプ2a (GIA)
落札価格(手数料込み):$3,106,500(約2億9,500万円) 
1カラット当たり:$405,019(約3,800万円) 7.67ct F. I. Pinkish Orange
まるで、スリランカ産のパパラチアサファイアを思い起こす蓮の花のような色のダイヤモンドです。
GIAがグレードした中で最大のFancy Intense Pinkish Orange colorとの附記があります。
PinkとOrangeが逆のOrangy Pink又はOrange-Pinkは良く見うけられ、彩度が低くなるので単独のPinkよりも評価が低くなることが殆どですが、一方のPinkish Orangeは摩訶不思議な色です。
価格については、コメントのしようがありません。
どんなものの価格も常に上下します。
インフレを差し引けば、価格が常に上がりっぱなしのものはありませんが、高値と分かっていても買い手がいるほど通貨に対して信用がなくなっている現状であることは確かです。

Sotheby's New York Auction 2

○Cushion-shaped Ruby 8.66cts
Burmese Origin, No Indication of heating by AGL and Gubelin
クッションシェイプ ルビー 8.66 カラット
ビルマ産 加熱痕無し (グベリン)
落札価格(手数料込み):$2,098,500(約1億9,900万円) 
1カラット当たり:$242,321(約2,300万円)Burnese Ruby 8.66cts
Pigeon Blood(ピジョンブラッド)と称される美しいビルマ産の大粒ルビーは、米国の美術品収集家Mrs.Isabella Stewart Gardner (1840−1924)所有のもので、その家族から出品されました。
オークションのカタログによると当時$55,000で購入されたと記載されています。
次に紹介する同じぐらいのサイズで最高品質のダイヤモンドと比較すると、如何に大粒の高品質のルビーが稀少であるかがわかります。
1カラット当たりの価格を比較すると分かります。
参考:Isabella Stewart Gardner Museum

○Diamond Ring
Diamond Round-brilliant cut 9.25cts
D color Internally Flawless Excellent cut
Polish and Symmetry Excellent Type2a (GIA)
ダイヤモンド ラウンドブリリアントカット 9.25カラット
Dカラー インターナリーフローレス
カット:エクセレント
ポリッシュ&シンメトリー:エクセレント
タイプ2a (GIA)
落札価格(手数料込み):$1,538,500(約1億4,600万円) 
1カラット当たり:$166,324(約1,600万円)9.25ct D IF 3xEX Type2a



Sotheby's New York Auction 1

4月20日(火)、ニューヨークでサザビーズのジュエリーオークションが行われました。
落札金額合計US$ 34,662,338(約32億9千万円)、落札率83.7%と期待通りの結果に終わりました。
香港での好結果がニューヨークでも再現されて、ジュエリー関係者は高額宝石市場の力強さを確認しました。

代表的な結果を3回に分けてお伝えします。

まずは、カシミールサファイアのルースです。
今回は、コレクターからカシミールサファイアのルースがまとまって出品されました。
リーマンショック前の高い相場に匹敵する今回結果は、今後の商談の指標にされるでしょう。

○Cushion-shaped Sapphires 4.31cts and 4.29cts
Kashimire Origin, No Indication of heating by AGL and Gubelin
クッションシェイプ サファイア 4.31カラット、4.29カラット
カシミール産 加熱痕無し (AGL グベリン)
落札価格(手数料込み):$362,500(約3,400万円) 
1カラット当たり:$42,151(約400万円)Kashimire SA 4.31 4.29


○Cushion-shaped Sapphires 6.39cts and 6.31cts
Kashimire Origin, No Indication of heating by AGL and Gubelin
クッションシェイプ サファイア 6.39カラット、6.31カラット
カシミール産 加熱痕無し (AGL グベリン)
落札価格(手数料込み):$974,500(約9,200万円) 
1カラット当たり:$76,732(約720万円)Kashimire SA 6.39 6.31


○Cushion-shaped Sapphires 8.37cts and 8.02cts
Kashimire Origin, No Indication of heating by AGL and Gubelin
クッションシェイプ サファイア 8.37カラット、8.02カラット
カシミール産 加熱痕無し (AGL グベリン)
落札価格(手数料込み):$1,082,500(約1億200万円) 
1カラット当たり:$66,046(約620万円)Kashimire SA 8.37 8.02


○Square-emerald cut Sapphire 8.73cts
Kashimire Origin, No Indication of heating by AGL and Gubelin
クッションシェイプ サファイア 8.73 カラット
カシミール産 加熱痕無し (AGL グベリン)
落札価格(手数料込み):$434,500(約4,100万円) 
1カラット当たり:$49,770(約470万円)Kashimire SA 8.73



4.31と4.29カラットのセットは透明度が少し劣るため、8.73カラットは見た目が小さいために価格が伸びなかったと思われます。






twitter始めました

twitter

つぶやくのは苦手ですが、もっと気軽に発言する場として始めました。

名前は、ブログのタイトル通り「JwelryConcierge」です。
フォローしていただくとブログの更新時に自動的にお知らせがあります。
ご興味のある方は、ご登録下さい。


JwelryConcierge


追伸、今月中にあと何回かブログ更新します。




続ジュエリーの作り替え

ファイブストンリング

−失敗しないジュエリーの作り替え−

ジュエリーの作り替えで気をつけなければならない3つの項目

1.作り替えに値するものか
2.スタイルは合っているか
3.手作りはリスクが高い

1.作り替えに値するものか

価値に関わらず特別な思いから作り替えて身に着けたい場合もありますが、果たしてその宝石が作り替える価値があるかないか確認してください。
何でも無条件に作り替えるのは、プロの仕事ではありません。
また、硬度が不十分な宝石はリングやブレスレットには向きません。
ペンダントやブローチが向いています。
具体的には、タンザナイトやペリドットが該当します。
タンザナイトやペリドットでも大粒で品質が高いものは、キズがついても外して研磨し直しが出来るので全くリングに出来ないわけではありませんが、使っているうちにキズがつくのは避けられません。


2.スタイルは合っているか。

流行のジュエリーを真似て作るのはお勧めできません。
宝石の装身具はスタイルを間違わなければ、次の世代にも受け継がれて行くものです。
小粒は沢山集めて中粒は幾つか揃えて大きな輝きを作り、大粒はその美しさを引き立てるスタイルが基本です。
もともと構想がしっかりした出来の良いジュエリーは、作り替える必要がありません。
作り替えなければならないこと自体が問題です。
将来、流行遅れに感じて身に着けなくなったり、再び作り替えせざるを得なくなったりしないように気をつけましょう。


3.手作りはリスクが高い

我々は「手作り」と言う言葉に弱いようです。
「手作り」だから良いということはありません。
腕の悪い職人がつくった「手作り」は目も当てられません。
完成度の高い鋳造の枠の方が良いケースが多くあります。
海外旅行で目にする「HAND MADE」も全く同じです。
もし、「手作り」でお願いする場合は、店に頼んで見本となるジュエリーを手に取ってください。
これだけでイメージ違いが少なくなります。
また、自分だけのオリジナルに拘って奇抜なデザインも避けなければなりません。
ジュエリーは長く使うものなので、むしろ伝統的なデザインを如何に洗練させるか考えましょう。
最近は、婚約リングや結婚リングにオリジナルを求める傾向があるようですが、
奇抜なものは避けて一生使えるものを選びましょう。
幸せな気持ちは分かりますが、落ち着いてご購入下さい。






Profile

原田信之

Archives
ギャラリー
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ライブドアブログ