ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2010年09月

Sotheby's NY Auction Result

9月28日にニューヨークのSotheby'sでImportant Jewelsのオークションが行われました。
結果は総額で15,047,800ドル(約12億8千万円)でした。
大粒ダイヤモンドは、高値安定しています。
ハイライトの2点を速報いたします。
気になったロットは後日報告します。

○Fancy Intense Yellow Diamond Ring
 Yellow VVS1

Radiant-cut 17.97ct
Fnacy Intense Yellow VVS1 GIA
Trapeze-cut 2-3.00ct
落札結果 $482,500(約4千100万円)
1カラット当たり $26,850(約228万円)

米国人の好むラディアントカットで引き出された黄色が美しい大粒ダイヤモンドです。

○Diamond Pendant-Necklace by Harry Winston

10.02ct D IF Type2a + 30ct Nec by Harry Winston

Pear-Shaped Diamond 10.02ct
D Internally Flawless Type2a GIA
Roud and Pear-Shaped Diamond app.30ct
落札価格 $1,286,500(約1億900万円)
1カラット当たり $128,393(約1千90万円)

総重量30カラットのペアーシェイプとラウンドブリリアントのダイヤモンドネックレス(約40センチ)に、写真からも透明度が高いことが分かる10カラットのペアーシェイプダイヤモンドのペンダントがぶら下がっています。


会議の席順

Meeting Room

会議で大事なのは、年齢や役職に囚われずに自由に意見を出すことです。
そして、満遍なく指名して意見を引き出すことが、司会の大きな役割です。

しかし年功意識の高い日本の社会では、会議の席順も年齢や役職の高い人が上座に陣取ることが良くあります。

気がつくと私も社内で上から数えて何番目の年齢になってきました。
そこで数年前の本社移転に伴い会議用テーブルが新調されたのを機に、意識的に座る位置を変えるようにしました。
色々な理由をつけて真ん中や下座に座ります。
私がそうすることで座る位置による序列が崩れ、司会もランダムに指名しやすくなるのではと考えたからです。

会議は司会の技量によるところが大きいのですが、環境を整えて「空気」をつくる工夫も必要です。

重役さん、たまには座る位置を変えてみませんか。



純粋な結晶

The Constellation diamond
Constellation rough

○The Graff Constellation
GIA Grading Report of Graff Constellation
102.79カラット
ラウンドシェイプ
ブリリアントカット
Dカラー
Internally Flawless







The yield from 478ct Rough Diamond

興味深いオリエンテーション画像が掲載されています。
478カラットの原石から10個のダイヤモンドが研磨されました。
そのうち主な7個がどのように位置していたかが図示されています。
102カラットのラウンドと50カラットのハートシェイプは隣接していているのでソーイングの正否は、どちらにも影響するため失敗が許さない難しいものだったと記述されています。

Polished Diamonds Chart from 478ct Rough Diamond

上の表は102.79カラットのラウンドブリリアントカットを筆頭に10個の研磨済みのデータを記しています。
カラーは全てDカラー、クラリティーはVVS1以上で研磨の歩留まりも約44%と高いことから、原石は色むらもなく無色透明な純粋なものであったと推し量れます。

Polished Diamonds from 478ct Rough Diamond

Constellation(星座)の名前に因んで10個のダイヤモンドを星座に見立てて配置した写真からはそれぞれの大きさが分かります。
ラウンド以外では、50.12カラットのハートシェイプと17.00カラットのマーキスシェイプのモザイク模様のバランスの良さが際立っています。

歴史的な原石から世界記録を含む研磨済みのダイヤモンドが出来るまでを発表した貴重なデータの公表に感謝します。


文字通りのVivid Yellow

Delaire Sunrise diamond

Delaire Sunrise rough

○The Delaire Sunrise
118.08カラット
エメラルドカット
Fancy Vivid Yellow
VS1


1980年代からファンシーカットのカット形状は色溜まりの良さからプリンセスカットの割合が徐々に増えてきました。
プリンセスカットは、ガードルの下にカラーストンのバルジのような溜めを作ってからキュレットに向かってファセットを作るので、原石からの歩留まりが非常に良く、また色を増幅する効果があります。

研磨のプロがこの大粒のダイヤモンドのカットにエメラルドカットを選んだ段階で、間違いなく美しいFancy Vivid Yellowを得る自信があったことが容易に推測できます。
もし色の濃さに不安があれば、プリンセスカットかガードルの下にエクストラなファセットを作ったカットにされる可能性が大きかったと思います。

08cts Delaire Sunrise Front Back Side,back08cts Delaire Sunrise GIA Grading Report













また、エメラルドカットのプロポーションが、横からの写真とGIAのGrading Reportから確認できます。
ガードル下の1段目のファセットの角度は若干緩やかですが不自然なほどではありません。
エメラルドカットのトータルデプス%は65%前後が多いのですが、このダイヤモンドは70.2%と少し深めです。これはガードル下のファセットの角度と同様、110カラット以上を維持するために不可欠だったことと許容できます。

Vivid Yellowは稀少なのでプリンセスカットを選択することも否定しませんが、私は表記が同じならプリンセスカットとノーマルなエメラルドカット(ステップカット)の価値は大きく差があって当然だと考えます。
元々の素材の品質が異なる場合が多いからです。

このような観点でファンシーカラーを見るとより興味が湧いてきます。


Two Luxurious Booklets from GRAFF

Books of Graff Constellation and Delaire Sunrise


GRAFFさんより豪華なブックレットを2冊いただきました。
以前、ブログで紹介したGRAFFさん所有の2つの特別なダイヤモンドのプロモーション用ブックレットです。

より詳細な画像や研磨のオリエンテーション等の情報が美しくまとまっています。
私が気になったところを明日より2日間に渡ってご紹介します。


Profile

原田信之

Archives
ギャラリー
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ジュエリーアドバイザーの仕事帖㉑
  • ライブドアブログ