ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2011年01月

De Beers Today

Finsch mine

英国のダイヤモンド鉱山会社のPetra Diamonds(ペトラ・ダイヤモンズ)が今月の21日にDe Beers(デビアス)から南アフリカで2番目に大きいダイヤモンド鉱山 Finsch を取得したと発表しました。
2007年にも同じくDe Beersから歴史的に有名な南アフリカの鉱山Cullinan(カリナン)を得ています。
相次ぐ鉱山の売却。
De Beersに何が起きているのでしょう。

De Beersと聞いてダイヤモンドの原石の独占企業をイメージする方は情報を更新しなくてはなりません。
1990年代にDe Beersを取り巻く環境は大きく変わりました。

1.他の資源メジャーとの競合
Argyle鉱山や後のカナダのDiavic鉱山を抱えるRio Tintoのカルテルからの脱退と競合。
BHPの所有するカナダのEkati鉱山の本格稼動。

2.傘下を離れた国(政府)
表面的には長い間大量の原石をDe Beersに供給していたロシアの本格的な離脱。
アンゴラ産原石の獲得失敗。

3.アフリカ諸国のナショナリズム
産出国に主導権を奪われる。

4.独禁法
欧州や米国の独禁法によって活動に制限が加わった。

上記のような変化がDe Beersのビジネスモデルを大きく変えました。
原石価格の制御の放棄、それに伴う調節用の在庫を無くしました。
ボツワナ、南アフリカ、ナミビア、カナダの自社の管理下の鉱山から産出する原石だけを扱う鉱山会社の一つになりました。
結果、かつて原石供給の8割近くを誇っていた占有率も4割前後まで下がりました。
広告、販促も自社の原石から作られたジュエリー限定になり、かつてのようなダイヤモンド産業全体に益するものは姿を消しました。
また、財務体質の強化から寿命の迫った鉱山の売却を行うことにしました。
その結果が、Petra Diamondsに売却したCullinanとFinschです。
歴史的なダイヤモンド原石の高値から売却されたCullinanは現在利益を上げていますが、ピークを過ぎた鉱山の今後の採算は不透明です。

De Beersの親会社のAnglo AmericaはDe Beersの40%の株を持つ創業家Oppenheimerより買取を提案していますが売却の意思は無いようすです。

独占から寡占へ、プレイヤーが多くなりましたが最大の占有率を維持しているDe Beersは大きな存在であることに変わりはありません。


カレンダーの教訓

2010年1月カレンダー

毎年愛用しているカレンダーをお世話になっている方に差し上げることがあります。
好みがあるので、合いそうな方に限ります。
気に入ってくださった方には年末に継続して送っています。

例年はまとめて取り寄せてから個別に送っていました。
昨年は書籍の最大手のサイトでも扱っていることが分かり、そのサイトから直送をしました。
思いのほか簡単な手配に新たな方法に満足していました。

事件は1月に入って起こりました。
家人と次の週の予定を話している時でした。
どうも、曜日が一つずれていて話がかみ合いません。
お互いに間違いないと主張するので、カレンダーを確認しました。
不思議なことに、二人とも合っています。
その後、事態の深刻さに気がつくのに時間はかかりませんでした。
彼女は皆さんにお送りしたカレンダーと同じもので確認し、私は自分の手帳で確認していました。
察しの良い方はもうお分かりですね。
彼女が確認していたのは2010年度版でした。
このカレンダーは絵柄が毎年殆ど変わらないので、気がつかなかったのです。

翌日、お送りした方から昨年のカレンダーと同じものが送られてきたので間違えではないかと連絡がありました。
やはり、昨年のカレンダーを送っていました。
頂いたものの間違えを連絡するまでには、相当躊躇されたことと思います。
失礼いたしました。

まさか、年末に来年のカレンダーではなくその年のカレンダーが売られているとは思いもしませんでした。
まだ売られているところを見るとポスターとしても人気があるのかも知れません。

会社でこのことを話すと昨年のカレンダーを売っていること事態が悪いと異口同音に言いますが、私は良い勉強をさせてもらったと思います。
簡単な操作で依頼が出来るネットのビジネスは誰にとっても分かりやすくなくてはならないことを身を持って学びました。
2010年の記載があっても、このような場合は「2011年度版ではありませんので、ご注意下さい。」と赤字等で目立つ表示がないと私のようなうっかり者は間違いを起こします。
決して安くない勉強代ではありましたが、サイトの運営者として覚悟を新たにしました。

この事件は後始末が大変でした。
今年度のカレンダーは、どこも売り切れで、輸入元に卸し先を聞いて片っ端から連絡をした結果、1店舗だけ在庫があり最悪の結末は避けることが出来ました。
皆さん、注文ボタンをクリックする前に確認画面はしっかりチェックしましょう。









振袖と立爪リング

ソリテールリング

成人の日は街中に新成人の女性の振袖姿があふれます。
いつ見ても華やかで良いものです。
暗いニュースが多い最近は特に嬉しく思います。

いつもはカジュアルな服装な現代っ子もこの時ばかりは振袖を選びます。
以前は、実用的なスーツを選ぶ女性も目にしましたが、華やかさからか圧倒的に振袖の割合が多く感じられます。
恐らく一生に何度も着る事がないと承知の上でも決して安くない振袖を選ぶのでしょう。
理屈ではなく民族の伝統や振袖という制限された着物への憧れが儀式としての買い物を支えています。

この状況は婚約の時の立爪リングによく似ています。
立爪リングは、婚約中と結婚式で着けた後は殆ど着けないのが分かっていても多くの人が購入します。
またリフォームが出来るのに記念にそのまま取っておく人が多いところもそっくりです。

立爪リングに関したは、購入した後に使えないと分かっているものをプロとしてお勧めできないと何度となく発信してきました。
しかし、振袖の事情を考えると立爪リングは既に儀式用と割り切った習慣が出来ているのかも知れないと複雑になります。

着物は何百年もかかって出来上がったスタイルです。
その証拠に本物の着物は世代を超えて使うことも可能です。
立爪リングはどうでしょう。
本来立爪リングは西洋で完成した大粒ダイヤモンド用のスタイルです。
日本で主に購入される小さめなダイヤモンドには向かないものです。

やはり、使えない上にダイヤモンドの美しさを十分に引き出していない小さめなダイヤモンド立爪リングはお勧めすることは出来ません。
西洋式の生活様式が根付いた現代においてジュエリーは、スタイルを間違えなければ日常的に使うことが出来る装身具です。
ジュエリーはスタイルを重視して慎重に選んでください。

蛇足ですが、着物、ドレス、ティアラ、ネックレス、イヤリングにレンタルがあるように儀式のためだけなら指輪もレンタルで良さそうですがありません。
リングは特別な想いがこもった別物です。


◇ご参考までに以前の記事です。
婚約指輪の選び方①
婚約指輪の選び方②
婚約指輪の選び方③
婚約指輪の選び方④



年頭ご挨拶

Burma Ruby UT

子供の頃の「たらこ」の色は真っ赤でした。
誰もが「たらこ」は赤いものだと普通に受けとめていました。
いつの頃からでしょう、魚屋さんの店頭に「肌色のたらこ」が並び始めました。
魚屋さんはこれが「本当のたらこ」の色で、赤いのは実は着色だったと言いました。
食の安全への関心の高まりから情報開示が始まったのです。
それから何十年も経ちますが、店頭から「赤いたらこ」が消えたかと言うと、どちらも存在しています。
違うのは、誰もが「赤いたらこ」が着色で「肌色のたらこ」が無着色であることが分かっていることです。
消費者は選ぶことが出来るようになりました。
今では野菜の農薬の程度まで選ぶことが出来ます。

遅れて宝石業界でも同様の情報開示が始まりました。
食品のように生命に関することではないので、業界の認識の程度も様々です。
中には、無闇に知らせないほうが良いと信じている方もいます。
何らかの手が加わったものをエンハンスメント(Enhancement)とトリートメント(Treatment)に分類する都合の良い説明もあります。
何かを分けると言う行為には必ずボーダーラインが存在します。
その前後で議論が起こることは避けられません。
また、科学の進歩でボーダーラインが変わることもあります。

宝石は、大自然の創造物なので「絶対」も「完璧」もありません。
私が大切にしているのは「透明性」です。
分かっている情報を十分に伝える。
情報には「価格」も含まれます。
これからも「透明性」をモットーに皆様にお伝えしていきます。

昨年も沢山の方にご愛読いただきました。
ありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。

*写真は、私が買い付けをして指輪にプロデュースしたビルマ産 無処理(加熱痕無)ルビー ダイヤモンドリングです。


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