ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2011年07月

ガラパゴス化

立爪リング

日本で独自の進化を遂げた携帯電話等が世界標準から掛け離れてしまう現象をガラパゴス化と称し問題になっています。
ジュエリーにもガラパゴス化は存在します。
その代表格は、ダイヤモンド立爪リングです。

ヨーロッパのジュエリーの伝統を受け継いだ米国でも、婚約指輪にダイヤモンドソリテールリング(立爪リング)を選ぶ方が沢山います。
しかし、ダイヤモンドのサイズは大きく異なります。
多くの方が1カラット以上を求めます。
品質は、予算によってかなりの幅があります。

翻って日本では高度成長期にダイヤモンド原石供給会社による戦略的な販売促進で0.3カラットサイズ前後が主流となりました。
カラー、クラリティーの稀少性を高めて小粒ダイヤモンドを高値で販売しようとするものです。
かくして小粒ダイヤモンドのソリテールリング(立爪リング)と言う奇妙なマーケットが生まれました。
更に細部に拘る日本人の性格が災いして、カットの精度を追求して付加価値をつけた結果一段とサイズが小さくなり、0.2カラットサイズのソリテールリングも出現しています。
このサイズのダイヤモンドのカットの精度を必要以上に上げる事は天井裏の柱をピカピカに仕上げる事と同じです。

これが日本のジュエリーのガラパゴス問題です。

独自の進化を遂げた携帯電話は日本人にとって便利なので商品自体に問題はありませんが、小粒ダイヤモンドのソリテールリング(立爪リング)は購入後は殆ど使えないので別次元の問題です。
大切なのは、ソリテールリングのスタイルに合うサイズのダイヤモンドを選ぶことです。
本来ならばジュエリーは一生使うことが出来る商品ですが、スタイルを間違えると全く使えない無駄なものになります。
確かな買い物をして長くお楽しみ下さい。

「二代目からの挨拶状」

ラフダイヤモンドオブジェリング

それは正に海面から頭を覗かせている氷山のような形だった。
指先で転がしながら全体がどの位大きかったか想像をめぐらせていた。
あちこちに内部を覗くために開けられた窓(研磨面)がつけられている。
如何にもプロの仕事の痕跡だ。

「それあげるよ」
突然の言葉に戸惑った。・・・



私のリングにまつわるエピソードです。
続きは、本編で。

「二代目からの挨拶状」


「ボンレスならず、斜めならず。」

Silver Finger Size Gauge

「ボンレスならず、斜めならず。」
あるジュエリー販売の達人の言葉です。
何のことか直ぐにピンとくる人も達人かも知れません。
ジュエリー販売に携わる方を集めて「最適な指輪のサイズの測り方」と言うテーマでディスカッションしたときに発せられた一言です。
もうお分かりですね。
ボンレスハムのように指に食い込むのは小さすぎで、指を閉じたときに斜めになるのは大きすぎと言う意味です。
指の骨の大きさや肉のつき方も一人一人異なるので、全ての人に当てはまるフィッティングはありません。
その日の体調によってもサイズが違うので後になってきつくなったり、ゆるくなったりもします。
また、指輪の幅や形状によって同じ指でもサイズが異なります。
その意味ではあまり神経質になる必要はありません。
大切なのは、そのような情報をお客様に正しくお伝えした上でサイズを測る事です。
ボンレスハムのようになるのはエレガントではないので、迷ったらきつめより抜けない程度の少し余裕があるサイズを選ぶ方が良いでしょう。
少し大きめでしたら、ぴったりサイズの細めのリングを重ねづけして抜けることを防ぐことも出来ます。
お客様自身に指輪をつけてから外すまでの動作をしてもらい、その様子を観察してから判断すると言う販売員さんもいました。
もっと現場の知恵を集めて共有したいものです。
購入する方も販売する方にも参考になります。


ペアーシェイプダイヤモンドリング

Pear-shaped Diamond Ring

宝石ドットコムの逸品シリーズ更新しました。

ご覧の通り、上半分がほぼ真円に近い輪郭をもった非常に美しい輪郭のリングです。
見た瞬間に力がある石を買いたいと思っていたときに、アントワープで巡り会いました。
ペアシェイプとひとことで言っても、かたちは「洋なし型」と「滴型」に分かれます。
横幅を1としたとき縦が1.55以上の長さあると滴型で、縦がそれ以下の長さになると「洋なし型」になります。
どちらが良いかはなく、好みになりますが、わたしが好きなかたちは滴型です。
ネックレスにするときはぜひもったりした洋なし型ではなく、滴型のペアシェイプを選ぶとよいでしょう。顔や首すじが美しく見えます。
このペアシェイプの比率は横1:縦1.58です。この比率の良さに加えて、なんと言っても素晴らしいのは、上半分が真円といっていいほどの美しい円形を描いていること。
わたしがペアシェイプをバイイングするときは、中に美しい丸が描けるような石をいつも選んではいるのですが、この石は格別です。・・・

続きは、下記のページをご覧下さい。

逸品シリーズ
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