ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2012年06月

アメシスト ダイヤモンドリング

 Amethyst Diamond Ring

何と魅力的なアメシストのリングでしょうか。
このリングはあるジュエリーのプロの方の依頼で作りました。
残念なことに現在市場には魅力あるアメシストのリングは殆どありません。
2月生まれの人はどれほど恨めしく思ったことでしょう。

実はこのリングのオリジナルはエメラルドのリングでした。
見たことがないぐらい美しい無処理のエメラルドが中心にセットされていました。
ある日、誤ってリングをぶつけた時にエメラルドの端が僅かにチップしてしまったそうです。
大変気に入っていたエメラルドなので再度このようなことが起きて致命的にならないようにエメラルドは後日ペンダントに加工することにしました。
そこでエメラルドの代わりに何か他の宝石を入れてリングを使うことになり、幾つかの候補の中から選ばれたのがこのアメシストでした。
出来上がったリングを見て余りの美しさに感動しました。
実はこれほどのダイヤモンドのリングにはルビーかサファイアが相応しいのではと思っていましたが、その方は迷わずアメシストを選ばれました。
さすがです。

アメシストは、ヨーロッパでは2万5000年前の遺跡から装身具が発見されるほど最も古くから人類が関わってきた宝石です。
古代ギリシャ・ローマ時代には貴重な宝石として重んじられ、後にロシアやブラジルで多くが産出され高品質でありながら入手しやすい宝石として今に至っています。
アメシストの装身具で魅力的なものが少ないのは我々作り手の意識レベルが低いことが原因です。
修理品が作り手の目を覚まさせてくれました。




参考資料:「宝石1」世界文化社刊

産地鑑別は意見書(2)

Kashmir Sapphire

以前に「産地鑑別は意見書」と言うブログを書きましたが、最近になって産地鑑別のレポートについての批判を耳にすることが増えました。
ほとんどがその信頼性を問うものです。
もちろんビルマ産のルビー、サファイアやカシミール産のサファイアのようにプレミアムの高い産地の真偽と処理の有無は価格に大きく影響しますので結果は重要です。
しかし、鑑別会社によって結果が異なることもあります。
また、データの集積によっては後に結果が変わることもあり得ます。
レポートはその時点でのその鑑別会社のデータに照らし合わせた意見書です。
絶対はありません。
繰り返しになりますが、ダイヤモンドの「4C」と同様に何事もレポートの鵜呑みはいけません。
レポートは「美しさ」を保証しません。
宝石で大切なのは産地の特徴が良く出ていて美しいことです。
とは言っても、見極めに自信がない買い手は何を頼りに買えば良いのでしょうか。
やはり、ここは宝石購入の原点に帰ることが一番です。
古来より「宝石は幾らで買うかより誰から買うかが大切」と言われてきました。
信頼できるプロから購入することが結局近道です。

手前味噌ではありますが、既出の「産地鑑別は意見書」のブログを合わせてお読みください。
特に読者からのコメントが秀逸です。

GRAFFITI

GRAFFITI表紙

GRAFFさんの広報誌GRAFFITY(2012 Summer)より圧巻の大粒ダイヤモンドをご紹介します。
まず、表紙のハートシェイプのイヤリングは51カラットと50カラットで共にD Flawlessです。
リングはさらに大きく56カラットのD Intenally Flawlessです。
3つはほぼ同じぐらいの重量ですが、リングのダイヤモンドが大きく見えるのは遠近の差だけではなく、深さの違いと思われます。
イヤリングが深めでリングは浅めなのでしょう。
もし、リングのものがイヤリングと同じような深さなら高さがありすぎてバランスが悪くなります。
50カラットと言っても10グラムです。
1円玉10枚相当です。
ダイヤモンドの重さだけで考えれば驚くことはありません。
100カラットでも20グラムで、500円玉3枚とほぼ同じぐらいです。
宝石品質のダイヤモンドだけで、ずっしり、と言うのは現実的でないののが分かります。
私はかつて200カラットを手にしましたが、これは少しずっしりと感じました。
おそらく、価格のせいで実際以上に感じたのかもしれません。

更に3つの大粒ダイヤモンドを指にしている画像を紹介します。
いずれもDカラー Internally Flawlessで揃えているのはGRAFFさんならではです。
このサイズを指につけるとこう見えるという貴重な画像です。
エメラルドカットに比べて約半分の重さのペアーシェイプが大きく見えるのは形の特性もありますが、全体が浅いためです。
美しさを損なわなければ、浅い宝石は大きく見えるばかりか座りが良く装身具として優れている良い例です。


○17カラット マーキスシェイプ17cts MQ D IF by GRAFF


○35カラット エメラルドカット35.03cts EM D IF by GRAFF


○19.23カラット ペアーシェイプ 19.23ct PS D IF by GRAFF



Blue Nile日本語サイト開始

Blue Nile

米国で1999年に設立された世界最大のオンライン宝石小売企業blue nile(ブルーナイル)が日本語のサイトを始めました。
blue nile日本語サイト
2011年の売り上げが348百万ドル(約278億円)で米国の婚約指輪市場の5%以上を占める大物が日本市場に本腰を入れ始めました。
Fedexによる無料配送(日本には4日〜9日間で到着)と発送日より30日間の返品可能なサービスで通販のハードルを低くしています。
婚約指輪は約8万個ものダイヤモンドから条件にあった裸石を選んで、好みの枠で組み立てるカスタム方式です。
果たして日本市場においても勝機を見出すことができるのでしょうか。

米国では男性が単独で婚約指輪を選ぶことも珍しくありません。
4Cで品質の比較が完璧にできると信じている男性は格好のターゲットです。
翻って日本はどうでしょう。
日本でも婚約指輪を選ぶ時は男性が関わります。
欧米と違う点は、男性がジュエリー選びに関与するのは婚約指輪が最初で最後の可能性が高いということでしょうか。
日本の場合、結婚後の買い物の主導権は女性が握っています。
将来はともかく、婚約指輪に限れば男性が積極的に関わるのでbule nileも選択肢の一つでしょう。
但し、男性が決定権を持っていたとしても、日本の場合はカップルでお店を回って決めることに満足感を得ているところも見受けられますので米国ほどのシェアは獲得できないかも知れません。

一つだけ言えるのは、同じように4Cを前面に出して価格を訴求しているお店にとってはblue nileの価格が一つの基準になるのは確かだろうということです。

ダイヤモンドのコモディディ化が進んでいますが、宝石は一つ一つが異なる大自然の創造物だと言うことを忘れてはなりません。



Christie's Hong Kong Auction Result番外編

○Colored Diamond Spinel Ruby Daiamond Broochies
3646 Pair of Swan Brooches

見積価格:US$52,000-77,000
落札価格(手数料込み):HK$500,000 US$64,715(約500万円)

水面から飛び立とうとする白鳥と黒鳥を表現したブローチです。
白鳥の胴体はメレーダイヤモンドをパヴェセッティングし、口ばしから目までをスピネル、ブラックダイヤモンド、ルビーで表現しています。(ホワイトゴールド製)
方や黒鳥はブラックダイヤモンドの胴に、口ばしから目まではイエローダイヤモンド、ルビー、イエローダイヤモンドが使われています。(チタン製)
上下の寸法が10センチ近くある大きなブローチなので出来るだけ軽く作るためにホワイトゴールドとチタンが採用されています。


○Multi-coloured Jadeite Carvings
3681 Jadeite Steelyard Counterweight

見積価格:US$11,000-15,000
落札価格(手数料込み):HK$250,000 US$32,357(約250万円)

木製の龍がヒスイで出来た天秤をくわえたオブジェです。
天棒に平衡錘(おもり)と天秤皿が吊られています。
細い天棒もヒスイで作られていることがヒスイの強さを象徴しています。
ヒスイは決して硬い石ではありませんが、宝石の中でも最も丈夫です。
こんな見方も楽しいですね。
木製の台には「称心如意」(願いが叶うように)の文字が彫られています。

Christie's Hong Kong Auction Result以上。


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