ジュエリーコンシェルジュ原田信之

諏訪貿易が提供しているジュエリーの相続資産の査定・仲介のサイト「宝石ドットコム」の責任者:原田信之のブログ

2012年09月

ピジョンブラッド! ピジョンブラッド? ピジョンブラッド!?

Pigeon's blood report

ルビーの「ピジョンブラッド」発見!
これも「ピジョンブラッド」
エーッ!「ピジョンブラッド」ってこんなにあっていいの?

これは、先日の香港ショーでの話しです。

「ピジョンブラッド」「ロイヤルブルー」と言う言葉はTrad Terms(業界用語)であり、本来鑑別業者が判断してレポートに記載するべきでないと言うのが私の主張でしたが、香港ショーの会場にはこの“Pigeon's Blood”が氾濫していました。
30個ぐらい並べてあるトレイの全てに“Pigeon's Blood”と表記している業者もいたので、よく見てみたところ赤色(色味・明暗度)はある範囲に入っていますが美しさはピンキリで、買いたいと思う品質のものは全くありませんでした。
聞いてみると全てミヤンマー産で加熱のルビーとのこと、納得しました。

Trad Terms(業界用語)をレポートに記載する賛否を云々する以前に鑑別業者によって適用範囲が異なることを知る必要があります。
「ピジョンブラッド」「ロイヤルブルー」に関して、この分野の鑑別のパイオニアであるグベリン研究所は『無処理(加熱の痕跡なし)のものでルビーは1カラット以上、サファイアは3カラット以上で産地は問わず』としています。
これに対して主にタイで業務を行っているGRSは『ミヤンマー産に限るが、処理は問わない』としています。
そして私が見たトレイのルビーはGRSのレポートのものでした。

宝石は一つ一つが異なり美しさもそれぞれです。
“Pigeon's Blood”と表示されても美しさは一つ一つ異なります。
既に多くが流通し、一人歩きしているので抗し難いのですが、如何なるレポートも鵜呑みにせず、ご自身で美しさを確認することを大切にしてください。

ピジョンブラッドについては、このブログで何度も触れています。
詳細につきましては、以下をご覧ください。

ピジョンブラッド
続ピジョンブラッド
ピジョンブラッドと蛍光性
Trade Colours by GUBELIN



ネット情報にご用心

ポピガイ・クレーター

「ロシア超大型ダイヤモンド鉱山公開 世界3000年分のニーズを満足」
「ロシアの隕石落下跡地に3000年分のダイヤモンド」


先週から今週にかけて、ネット上に上記のようなタイトルのニュースが掲載されました。
内容は以下の通りです。
イギリス『デイリー・メール』9月17日の報道によると、ロシアはこのほど、1970年代に発見していたダイヤモンド鉱脈を公表した。この鉱脈は東シベリア地域にある直径100キロメートル以上の隕石クレーターにあり、埋蔵量は1万億カラット以上、世界宝石市場の3000年分のニーズを満足できると明らかにした。

科学者がこのポピガイ(Popigai)と呼ばれる隕石クレーターには、すでに3500万年以上の歴史があり、ダイヤモンドの埋蔵量は全世界総量の10倍に相当する。ロシアがこの発見を今まで隠していたのは、ダイヤモンドの価格が暴落して自国のダイヤモンド業の利益を損なわないようにするためだと指摘している。

ポピガイ(Popigai)のダイヤモンドは「衝突ダイヤ」とも呼ばれ、隕石のような物体がダイヤ鉱脈と衝突して形成された産物で、硬度は普通の宝石の2倍、工業用と科学研究の方面での使用価値が非常に高い。先週末、ロシア高官は記者会見を行い、ロシア政府が同鉱脈の近隣にあるロシア科学アカデミーシベリア支部地質学・鉱物学研究所の科学者がこの宝蔵の神秘的ベールを開けることを許可したという。

ロシア科学アカデミーシベリア支部地質学・鉱物学研究所の院長が、この新資源が宝石市場に大きな衝撃を与える可能性があり、私が言っているのは「数万億のカラット」で、みんなはよく知っているロシアの埋蔵量である10億カラットのヤクート・ダイヤ鉱脈のとはるかな差がある。また衝突ダイヤは独特の表面やもっと大きな体積があり、より高い価値があると話した。

ロシアのダイヤの生産量は2007年にピークに達して、13.5億ドルだった。98%のダイヤはベルギー、イスラエル、米国、東南アジアに輸出された。経済危機の影響で、ダイヤの生産高は2009年を底に下落、生産額はわずか3.5億ドルだった。今世界経済にすでに復活の兆しが現れ始めていることから、ロシア政府が今頃この秘密を公開に踏み切った理由になっているのだろう。

真偽の問い合わせがありましたのでご報告します。
隕石の衝突によってあらゆる物質が融解・気化し、高温高圧によって炭素からダイヤモンドが生成される、これは『Impact Diamonds(衝突ダイヤモンド)』として知られていますが、作られるのはパウダー状から2ミリ程度の宝石品質でないものです。
従って、宝石市場への影響はありません。

ネット上の情報は玉石混交です。
現在は、SNS等で個人でも情報発信が手軽に出来ます。
情報を見て、それを基に発信する場合はその情報が正しいか否かを確認する必要があります。
この事例を他山の石とし、気をつけましょう。





香港ショー (速報)

今回の香港ショーは、昨今の世界の経済情勢と中国経済の成長鈍化から、期待と言うよりも、どの程度の減少ですむのかと言う不安な気持ちで始まりました。
結果としては予想した範疇の減少で留まったことに安堵した出展者が大半でした。
但し、バイヤーの提示する金額は厳しく、必要なものを必要なだけ適正な価格で仕入れる姿勢が目立ちました。
その中で中国本土からのバイヤーは間違いなく少なくなっています。それに伴い大衆向けの低品質の材料は苦戦していましたが、高品質の大粒裸石は好調でした。

ショーで目立っていたのは、ダイヤモンドの5カラット以上の大粒が豊富なことと、ルビーのモザンビーク産が出回っていたことです。
モザンビーク産は『無処理・加熱・鉛ガラス含侵』の3種類が存在し、それぞれが異なる価格レベルで取引がされています。
無処理のものは透明度が高いものの、やや黒味が強いのが特徴です。
タンザニア産のオレンジがかったものよりモゴック産のピジョンブラッドに近く、うまく選べば魅力的なものがあります。
しかし、2カラットを超えると既にビルマ産の価格に近くなるので評価が定まるまで注意が必要です。
2カラット未満には値ごろ感はありますが、マーケットが限られるのでジュエリーとしての使い方がポイントになります。

エメラルドもコロンビア産を中心に無処理を打ち出している所がありますが、良心的な業者はレポートを取らずに商談が決まった後に取ります。レポートを取った後に含侵処理をして販売する業者が少なくなく、バイヤーが不安なく買えるように配慮しています。



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