RB 3ct M VVS2 Face up

お客様より査定の依頼があり、3カラットのラウンドブリリアントカットのダイヤモンドリングをあ預りしました。
上の画像はお預かりしたダイヤモンドを枠から外したものです。
若干の黄色味は感じますが、H-Iカラー程度かと思い、いつものようにカラーグレード用の白い紙にフェイスダウンで乗せました。
下の画像がそのときのものです。
RB 3ct M VVS2 Face down

黄色味がかなり強くフェイスアップで見た印象と大きく異なります。
これらの画像から蛍光性がVery Strong Blueであろうと想像する方はダイヤモンドを良くご覧になっている方です。
私も蛍光が強いので黄色味が消えているのだと片付けようとしました。
ところが蛍光性をチェックしてみたら蛍光性は無し(None)でした。
原因は良く分からないままで、取り敢えずGIAでDiamond Gradaing Reportを作成する事にしました。
結果は以下の通りです。
RB 3ct M VVS2 VG None

やはり、カラーグレードはMでフェイスダウンで見た通りでした。
蛍光性も無し(None)です。
GIAのベテラングレーダーと話した結果、原因は黄色味が均一でなくガードル周りが濃くキュレット部分が薄くなっていると言うことになりました。
ダイヤモンドはキュレット周りの色が全体に影響するので上(フェイスアップ)から見たときに黄色味が薄くなったと言うことです。
確かめたい方はお持ちのダイヤモンドのキュレット周りに少しだけカラーマジックで色をつけるとフェイスアップで見ると全体が驚くほど綺麗な色に変わるので試して見て下さい。
マジックはアルコールをかければ綺麗に取れます。(ダイヤモンド以外の宝石にかからないようにご注意下さい)

GIAのダイヤモンドグレーディングにおいてDからZまでのカラーはテーブルを下にしたフェイスダウンで横から見て行うことになっています。
フェイスアップでの見え方は問いません。
これも宝石の美しさはレポートだけでは分からない良い事例です。

くれぐれもレポートの鵜呑みはなりませぬ。



余談ですが、このダイヤモンドはマーケットではMカラーの相場で取引されますが、実際の見た目はかなり白いのでお買い得と言えます。
同様に蛍光性が強くても同様の効果があるので黄色味がある場合敢えてVery Strong Blueを選ぶのもありでしょう。