ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2018年07月

あなた知らないオークションの世界

オークションカタログ

 オークションで購入をするにはオークション会社に登録をしてカタログを購入することから始まる。カタログと言えばブランドやメーカーの販売促進のためのものが一般的だが、オークションのカタログは情報を正確に伝えることを主眼としている。

 まずは日程を確認する。オークション当日はもちろんのこと下見会の場所、日時は重要だ。下見会ではカタログで目星をつけたものの実物を手に取って見ることが出来る。通常、オークションの2、3日前からオークション当日の午前中まで行われる。遠方の方は当日の午前中に下見してオークションに臨むのが効率的だ。

 現実的に大事な情報として手数料のチェックは不可欠だ。オークションでは高額になればなるほど手数料が低くなる。例えば、国際的なオークションでは25万ドル迄は落札価格の25%、25万ドルから38万ドルまでは20%、38万ドル以上は12.5%と言う具合になる。分かりづらいので下記に50万ドルで落札価格した場合の手数料を説明する。
オークション手数料

 高額落札ほど手数料%は低くなる。また国内のローカルオークションは国際オークションよりも手数料は低くなるのが一般的なので同じようなスペックのものはローカルオークションが割安になる。

 本編の個別ロットのページでは画像とデータを確認することが出来る。画像は基本的に実物大に近いものが載っている。心配ならデータにジュエリーのサイズやメインストンのサイズが記載されているので確認すると良い。大事なのはこのメインストンの寸法だ。親切なカタログは縦×横×深さが記載されている。記載されていなくてもオークション会社に問い合わせれば教えてくれる。重量(カラット)ももちろん記載されているが見た目の大きさの寸法の方が大切だ。特にカラーストンは深い物が多いので重量よりも見た目が小さくなる。一概には言えないが、目安は短辺に対する深さの割合が70%を超えると気をつけた方が良い。カラーストンは深さだけでなくパビリオン側の膨らみ(バルジ)も重量に大きく影響するので余計難しい。浅くて綺麗な石の場合はお買い得な事が多いことも覚えていた方が良い。

 価値に大きく影響するダイヤモンドのグレードやカラーストンの産地、処理の意見が記されたレポートの主な内容もチェックポイントだ。国際オークションの場合はダイヤモンドのレポートはGIAに限られている。ローカルオークションも大粒ダイヤモンドは殆どがGIAだ。カラーストンはどのラボがどのような意見を述べているかをプロは見ている。伝統のあるスイス勢のSSEFやGUBELINと米国のAGLは国際的に評価が高くプロが好む。最近では資本力のあるGIAのレポートも台頭してきている。ラボの間でも意見が異なることも珍しくないので高額な宝石には複数のラボの意見が添えられている。レポートの内容がカタログに掲載されていなくてもオークション会社に問い合わせればコピーをファクスかメールで送ってくれるので気になるものは確認が必要だ。とは言ってもいかなるラボの意見も鵜呑みは禁物で、まずは自分自身の目で美しさを判断することが大前提だ。

ブランドジュエリー2018SUMMER-AUTUMNより

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ジュエリーアドバイザーの仕事帖

ジュエリーアドバイザーの仕事帖

春から雑誌JEWELの連載をしています。
タイトルは「ジュエリーアドバイザーの仕事帖」です。

ジュエリーアドバイザーの仕事帖

「ジュエリーアドバイザー」と聞くとジュエリー販売店で接客している方をイメージするのが一般的です。お店にある商品についてお客様へアドバイスするのがメインの仕事です。私も「ジュエリーアドバイザー」を名乗っていますが仕事の内容は大きく異なります。一言で言うとプレオウンドジュエリー(Pre-owned Jewelry:所有されていたジュエリー)に関する要望や悩み事の依頼に解決策を提案する仕事です。
 依頼は大きく分けて「売却」と「購入」に分かれます。一言に「売却」と言っても事情は様々です。自分で購入した場合と親族から受け継いだ場合でジュエリーに関しての思い入れは天と地ほどの差があります。何れの場合も持ち主が愛着を持っていたジュエリーに想いを馳せて接することが私の主義です。ニュートラルな立場でアドバイスするので弁護士さん、会計士さん、税理士さんからも依頼があります。
 具体的な作業としては、依頼されたジュエリーを「宝石の装身具」「ゴールド、プラチナの装身具」「その他の装身具」に仕分けをします。
 1つ目の「宝石の装身具」とは文字通り宝石がメインで宝石の美しさを引き出したもので原則としてゴールドかプラチナで出来ています。私の仕事はこの「宝石の装身具」に対して依頼者にアドバイスすることです。
 2つ目の「ゴールド、プラチナの装身具」は小粒の宝石がアクセント的に使われていてもゴールドとプラチナの価値が殆どを占めるもので、受け継ぐ人がない場合は貴金属専門店で地金として売却を勧めます。
 3つ目の「その他の装身具」はゴールドやプラチナ以外の素材価値の高くない素材で作られたものです。シルバーはアンティークジュエリー等の例外はありますが、1グラム数十円とまとまった金額にならないのでこちらに分類されます。真鍮、プラスティック、木材、模造真珠などに加えお土産品の琥珀、珊瑚、象牙、石英類等もこの範疇に入ります。装身具としては優秀で使用頻度の高い養殖真珠のネックレスやブローチも金具にゴールドやプラチナが使われているものや特別な品質のものを除き、同等の扱いとなります。「その他の装身具」の処分は依頼主に委ねることになります。
 仕分けした後「宝石の装身具」については詳細に品質を判定し、簡易査定します。依頼者ご本人又はご家族で身につけて楽しむことが出来るかを判断いただきます。作り替えれば使えるものや娘さんが年頃になれば使えるものがないかも一緒に検討します。売却がご希望でも少しでも身につけて楽しめる可能性があるものは後回しにして本当に可能性の低い物から売却するように順番をつけることもあります。基本は売りづらいものから処分して売りやすいものは急がなくても良いとご説明します。時にはゴールドやプラチナの売却についても経済的に余裕があるのならば経済の大変動に備えて売らない選択もあると言ったお話もします。
 私は「買い取りをしない」ので依頼主と同じ船に乗って売却方法をアドバイスすることが出来ます。多少時間はかかっても出来るだけ有利に売却したい方に向きます。
 「購入」に関しては売却依頼者からお預かりしたプレオウンドジュエリーを仲介します。楽しみながら資産価値の部分も大切にしたい方にお勧めのサービスです。お預かりしたジュエリーの中から独自の基準で格付された上位約2%の厳選されたジュエリーを安心してお選びいただけます。ご要望のジュエリーがない場合もお急ぎでなければ該当のジュエリーをお預かりした時点で優先的にご連絡します。宝石の美しさがどのように引き出されているか、産地や処理についても詳しくご説明します。
 次回からはエピソードを含めてジュエリーアドバイザーの仕事を具体的に皆さんにお伝えします。

株式会社ジュエリーアドバイザーアンドギャラリー
代表取締役 原田信之

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