ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

2019年01月

ジュエリーアドバイザーの仕事帖

装身具の仕分け前画像

 ジュエリーの整理の相談は様々ですが、一番多いのは相続です。お母様、お婆様が亡くなって残されたジュエリーをどうするかの相談です。通常はご主人又はご兄弟、お子さんが相談に来られます。まずは、ご相談者がどのようにされたいかご要望をお聞きします。売却をご希望でも出来るだけ価値のあるものは受け継いでお使いになった方が良いとお勧めします。相続出来る家族関係をお伺いし、実際に使っていただけそうな方向けのジュエリーを選んだり、価値が同じようになるように分けたりします。
 ご家族で相続を争っているケースは仲に入った弁護士や会計士や税理士の方が相談に来られます。資産家の場合は結構な割合で争っているケースが多く利害関係は複雑ですが私の所に来る時には既に相続の割合の決着がついているので、基本的に殆どを売却して現金化し、それを合意した割合で分けます。出来れば売却よりジュエリーのままで受け継いでもらいたいところですが係争中であれば致し方ありません。大きな相続では争っている双方の弁護団の間に入って査定を行うこともあります。まるで小説やテレビドラマの一場面のような光景に出くわすこともあります。売却方法としては透明性が高くそのときの相場で売却できるオークションが向いています。
 相続以外で多いのは「終活」です。お持ちの方ご本人が着ける機会も少なくなったのでそろそろ整理したいと相談に来られます。娘さんが居られずお嫁さんしかいない方に以前多かったのは「嫁にあげるぐらいなら全部売りたい」と言うそれこそドラマ並みの相談でした。最近は少し変わって、お嫁さんに聞いたが要らないと言われてしまったと言うケースが半分ぐらいを占めます。装身具の簡素化とでも言いましょうか、残念ながら近年、若い方たちは本格的なジュエリーを避ける傾向にあります。終活のご相談の残り半分は差し上げても喜ばれないと思い込んで聞くことすら遠慮されてしまいます。この中には自分の買い物の履歴をお嫁さんに知られたくないと言う気持ちも含まれます。ややこしいのはお嬢さんとお嫁さん両方いるケースで本当はお嬢さんに差し上げたいのに、持っているジュエリーをお嫁さんもよく知っていると言ったケースです。このようなときはお嬢さんとお嫁さんの関係にヒビが入ることを避けて、どちらにも差し上げずに処分すると言う選択をする方も少なくありません。そのようなときでも私はアドバイザーなのでご家族にジュエリーを活用してもらえる解決策をご提案します。それぞれのジュエリーの価値を査定してお嬢さんとお嫁さんに同額ぐらいになるように選んでもらうことが1つです。また形見分けとして同額ぐらいの品を1つずつ選んでいただき残ったものは処分してご本人の老後の資金とする方法もあります。メインとなる宝石自体は価値が高くても、デザインが古くて使いづらい時にはご家族に作り替えも提案します。ただし大粒のアメシストに20万円かけるような作り替え費用が見合わない宝石にはお勧めしておりません。故人を偲んで身につけるセンチメンタルバリューのあるような場合を除いて何が何でも作り替えるのはプロとして失格です。
雑誌Jewel掲載記事

ジュエリーアドバイザーの仕事帖

ペアーシェイプダイヤモンドリング

 5年ほど前に知人の女性が訪ねてきました。実は20数年前に母が購入したダイヤモンドリングを孫の教育資金に当てたいのですがどうしたら良いでしょうかと言うご相談でした。ちょうどその年に孫の教育資金を1500万円まで非課税で贈与できる新制度が始まったばかりで早速それを利用出来ればとお考えになったようです。

 見ると6カラットのペアーシェイプダイヤモンドがシンプルにセットされたリングです。ペアーシェイプは同じ重量のラウンドと比較すると2-3割大きく見えますので、ラウンドの8カラット近い堂々としたサイズです。ダイヤモンドで有名な海外ブランド店から2,000万円で購入されたものだそうです。孫が2人いるので出来れば1,000万円ずつ渡したいとの希望でした。ちょうど大粒ダイヤモンドが数年で3倍ぐらいに値上がりしていた頃でしたので、相場を反映するオークションでの売却をお勧めしました。当時私は上場しているオークション会社の査定人を請け負っており、リザーブ価格の決定権は私にありましたが、オークション相場でも1,800万円が妥当なリザーブでした。そこで不落の可能性もあることを依頼人に伝えて、思い切って2,000万円リザーブで出品しました。結果はブランドの人気も手伝って2,100万円で落札されて胸を撫で下ろしたことを今でもはっきり覚えています。依頼人も会場に見に来ていて落札された後で強く喜びの握手したのは言うまでもありません。
 その頃別の方からも売却依頼がありました。ちょうど前述のダイヤモンドリングと同時期に購入されたイエローゴールドのダイヤモンドネックレスです。パリの有名なブランドの物でお母様から受け継いだ娘さんからの相談です。幅が2〜3センチほどのイエローゴールドにメレーダイヤモンドがびっしりとパヴェセッティングされた大変豪華なネックレスです。まさにバブル真っ盛りの熱狂を感じさせるものでした。購入価格は1千万円程度との事でしたが、残念ながら現在の日本では豪華すぎて人気がなさそうなので、外国人も多く参加するオークションに出品しました。リザーブ価格はブランドプレミアムも考慮して100万円としました。結果はリザーブ価格を少し超えた110万円で落札されました。

 同時期に購入された高額のジュエリーですが、一方は20数年楽しんで当時2,000万円のリングがほぼ同額の2,100万円で落札さ、方や1,000万円が約10分の1の110万円となってしまいました。これは何故でしょうか。

 まずは大粒ダイヤモンドが数年で3倍になったと言う幸運がありました。そして基本的に宝石は1粒が大きければ大きいほど資産性が高くなり、逆に小粒になればなるほど資産性よりファッション性が高くなります。流行しているスタイルは人気がある間は高くなりますが、流行が終わると殆ど評価されません。ジュエリーにある程度の資産性を求めるなら、この事例のように人気のある宝石で出来るだけ大きなサイズを求めることをお勧めします。


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