宝石学会で世界に発信出来る数少ない日本人研究者のアヒマディ博士が待望の1冊を出版しました。
彼は宝石の鑑別・産地同定にレーザーICPMSを世界で初めて応用して後に同法は世界のラボの必須とした実績を持っています。
内容は筆者の序章の一文に凝縮されています。
「本書は、宝石を身に着ける贅沢品として紹介するのではなく、自然から生まれた美しい鉱物結晶として解説します。最も理解すべきは鉱物結晶学的な知識や、宝石科学的な特性、成長要因と産状、そして、世界的な名産地を多くの写真を使いながら紹介していきます。さらに、宝石名の由来や歴史、処理の有無、品質や選び方などについてもまとめました。」
普段、筆者がプロに説明している時に使う元素記号や専門用語は殆ど無く、一般の方にも分かり易い内容になっています。
特に実際に産地に赴いて採掘のフィールドワークをしているので最新の産地情報が豊富に掲載されています。
筆者のモットーは情報開示なので、宝石の処理についての情報量が豊富では一般向けの書籍としては踏み込んだ一冊と言えます。
宝石業界の方のみならず鉱物や宝石、自然が好きな方にもお勧めの一冊です。
アマゾンリンク「アヒマディ博士の宝石学」2019年8月26日発売
阿依 アヒマディ博士プロフィール
理学博士
Tokyo Gem Science社 代表
FGA(英国宝石学会卒業証)を持ち、宝石学ににおける研究、教育セミナー、宝石鑑別などの技術サポートを行っている。2002年に京都大学地球惑星科学専攻の博士課程を修了し、全国宝石学協会で研究主幹として活躍する。天然、合成及び処理の研究と鑑別を行う。2011年にGIAにに入社し2012年から2016年3月まで、GIA TokyoラボのSenior Scientist及びTokyoラボのSenior Managerとして勤務。
17年間の研究活動を通じて、宝石の天然合成の鑑別、諸宝石の原産地同定の研究やLA-ICP-MS(レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析)法の宝石学における応用を開発。多数の学術論文を国内外の学術誌に発表し、Gems & Gemology学術誌のDr. Edward J. Gubelin Most Valuable Article Awardを二度受賞、各学術学会において数dの最優秀発表賞を授与される。