「ダイヤモンドグレーディングは天然ダイヤモンドだけ」
CIBJOは10月13日にLaboratory-Grown Diamond のGuidance documentをリリースしました。
合成ダイヤモンドの本質をついた内容なので紹介します。
CIBJOのサイトの説明は長いので10月13日RAPAPORT NEWSの内容を以下にまとめました。
CIBJOはラボは、ラボラトリーグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)ではなく、「グレーディングレポート」という用語を天然ダイヤモンドだけに制限する必要があるがあるとした。
ラボラトリーグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)は、グレーディングの概念を支える稀少性を欠いているとCIBJOは主張。代わりに、合成物の詳細情報を提供す文書は「ラボラトリーグロウンダイヤモンド製品仕様書」と呼ばれるべきと今週リリースした新しい一連のガイドラインで主張。
グレーディングレポートは、「稀少性の程度」を意味しているとCIBJOのスポークスマンは語った。
しかし一方で、消費者は製品の構成要素が何であるかを知る権利がある。大切なことは「グレーディング」という用語が削除されていること。 CIBJOの理事会は、ラボラトリーグロウンダイヤモンドの新しいガイダンスを、関連会社や各国の協会によるレビューに利用できるようにした。協議は、人工石の基準を作成するための2年間のプロセスの最終段階。ルールブックでは、製造業者の名前、製造国と製造方法(化学気相蒸着法または高圧高温法)、および成長後の処理に関する情報などの追加情報をラボに含めることも求めている。
また、石がラボで作られたことを示すために、レポートのColorとClarityのグレードの前に「LG」の文字を付けることを勧めた。
ガイドラインでは、ラボで作られたダイヤモンドをどのように説明し、見本市などのイベントでどのように展示するかも論じた。また、企業が納品書や委託伝表で石の出所を開示する方法についての推奨事項を示し、合成石鑑別技術についても論じた。
「ラボラトリーグロウンダイヤモンドガイダンスの重要な原則は、信頼を確保するために、消費者は購入内容に関する完全で明確な情報を受け取り、情報に基づいた購入決定を下せるようにすること」とCIBJOは説明した。
グレーディング基準と用語に関する別の文書であるCIBJOのブルーブックは、米国連邦取引委員会が2018年にその言葉を削除した後も、ダイヤモンドの定義において特に「天然」を保持した。
現在世界のラボの殆どが合成ダイヤモンドのグレーディングレポートを発行しいますが、CIBJOがダイヤモンドグレーディングは天然ダイヤモンドだけに使われるべきと「当たり前」のことですが、明確に表明したことは、さすがにヨーロッパ発祥の組織だと思いました。
米国連邦取引委員会がダイヤモンドの定義で天然も合成も「ダイヤモンド」としたことに異を唱えて「ダイヤモンド」の定義を「天然」とした事も米国の商業主義とは一線を画しています。
日本のジュエリー協会は「合成ダイヤモンドの呼称、表記および刻印に関するガイドライン」で合成ダイヤモンドの呼称、表記について以下のように発表しています。
1) 日本語での呼称・表記は「合成ダイヤモンド」とする。
2) 英語での呼称・表記は「synthetic diamond」とする。
※合成石とは同種の天然石とほとんどあるいは全く同一の化学特性、物理特性、内部構造を有する、一部あるいは全体を人工的に生産した物質をいう。
工場でつくられたものを「ラボラトリーグロウンダイヤモンド」と好イメージを抱かせる名称を使わずに「合成ダイヤモンド」と正確に表現したのは世界は日本に倣うべきだと思います。
*CIBJOとはthe World Jewellery ConfederationであるCIBJO (Confederation International de la Bijouterie, Joaillerie, Orfevrerie des Diamants, Perles et Pierres) はヨーロッパのジュエリートレードの為にBIBOAとして1926年にパリで設立されて、1961年にグローバル化するためにCIBJOに改組された。ジュエリーの国際機関として最も歴史がある。CIBJOの使命は、業界のメンバー間の正確なコミュニケーションのための基準化。