ラマトガンのダイヤモンド取引所イスラエルのダイヤモンド取引所は4つ大きなビルから成っています。
写真に写っているビルは代表的な2つの取引所です。
左がマカビ、右はシムションです。
4つのビルは通路で繋がっていて行き来が自由に出来ます。
セキュリティは、各国にある取引所の中でももっとも厳しく、
登録が必要で、登録後は写真つきのカードを身につけることが義務付けられます。
他の取引所の多くは、行き先を告げてパスポートを預けるだけです。





エメラルドカット
今回も、大粒のダイヤモンドの買い付けが主な目的です。
マーケットに呼びかけて、5〜8カラットのエメラルドカットが集まりました。
ハイカラーで5つも一時に集まるのは、2年ぶりです。まずは、ルーペを使わずに美しさを確認します。



このときにチェックしているのは、以下の4点です。

1.輪郭(縦横のバランス、コーナーの大小)
2.透明度
3.彩度(純色の度合い)
4.モザイク模様(白黒のパターン)のバランス

次に縦横深さを測って、バランスの確認とトータルデプスを算出します。
私の場合は、このトータルデプスがもっとも大切です。
64%を超えるものは、この時点で手を出しません。
出来れば60%を切るものを優先します。




手のひらにのせる次に指に乗せて、指輪にセットした感じを素早くチェックします。
通常は、手のひらではなく反対の指の間に置きます。
今回は写真を撮る都合上手のひらに置いています。
皆さんには、大きさのイメージがつくと思います。
ただし、私の手は日本人の中で特大サイズなので見た目より少し大きいと思ってください。
どれも、長辺が1センチを超える大きさです。




カラーをチェック特別に白い紙の上に載せて、カラーをチェックします。
黄色や茶色や灰色の明暗度を見るのです。
この場合は、どれも無色の範囲ですが、一つ一つが異なるので注意深く見ます。
利き目によって、右と左で濃く見えたり薄く見えたりしますので、
左右に置き換えながら見ていきます。
写真では伝わりませんが、左端のものが一番無色です。



ここまでチェックしてから初めてルーペで不完全性をチェックします。
ブラックインクルージョンや性質の悪いクリベージ、ナチュラルを含む欠けの有無を見ていきます。


チンボックスでチェック次は、チンボックス(ガラスの箱)に入れてチェックします。
このとき見ているのは、

1.再度、モザイク模様のバランス。
2.キュレットのずれやコーナー等の対称性
3.フェイスアップでのカラー

直接見るより、ガラス越しの方が上記の項目がはっきりします。



仮枠でチェック1仮枠でチェック2







仮枠でチェック3
最後は、仮枠(鉄製)で実際にリングに仕立てた際の輝きの感じや大きさのバランスを見ていきます。
特に3つ目の横から見たときの爪とダイヤモンドの隙間は重要です。
お尻の重たいダイヤは、この隙間が少なくなります。
そうすると爪を絞り込むことが出来ず、エレガントなジュエリーに仕上がりません。







以上が大粒のエメラルドカットを買うときに見ている最低限のポイントをまとめました。

この中の一つでも買えればよいのですが。