chameleon diamond dark orangish yellowchameleon diamond dark olive green










一定時間、暗いところに保管していたダイヤモンドを明るいところに出した時に色が変化するダイヤモンドを「カメレオンダイヤモンド」と呼びます。
鑑別上は、単に「ダイヤモンド」ですが、備考に特徴が記されます。

一定時間とは、体験上、一晩程度です。
宝石商は、商品を金庫に保管していますので、朝金庫から出した時に色が変わっていると言う悪戯好きのダイヤモンドです。
初めて、見た人は、昨日金庫にしまったときは、別な色だったのに違う色に変わっていて、驚いている間に元に戻るので2度驚いたのではないでしょうか。

殆どは、灰色がかった黄色(Grayish Yellow)から灰色がかった緑色(Grayish Green)に変化します。
程度は、個体によって、殆ど変化しないものから明瞭に変わるものまで様々です。

写真のハートシェイプのダイヤモンドは、今までに買い付けたカメレオンダイヤモンドの中で最も良く変化したものです。
大きさは1.5カラットサイズです。
1分ほどで、見る見る変わってしまいますの私には写真が取れませんでした。
この写真は、全国宝石学協会さんに依頼して取ってもらいました。
どんな環境で撮影されたか伺いませんでしたが、実物の印象はもう少し濃い目です。
中心のテーブルの色が近かったと思います。
2年前に商ってしまいましたので、現在は手元にはありません。

熱でも同様に変化します。
スプーンに載せて、アルコールランプで熱すると同じように変わります。


知人にFancy Vivid YellowからGreenに変化するカメレオンダイヤモンドを扱った人がいますが、私は、いままで何百個も見てきましたなかで綺麗なものを見たことがありません。
殆どが彩度の低い美しくないものです。
所謂、「キワモノ」です。

また、稀少性は高くありません。
欲しい方が少なく、百個程度ならいつでもムンバイで見ることが出来ます。
但し、このように短時間ではっきり変わるものは多くありません。

本来は、私の取り扱いでは、ありませんが、欲しいものが何も無かった時や交渉がことごとく成立しなかった場合に手を出してしまいます。
皆さんに見せると喜ばれますが、商品のラインアップにあるのを見ると後悔します。
幸い、今は在庫になくホッとしています。

カメレオンダイヤモンドの色の変化の仕組みははっきりしていません
鑑別的なことは、全国宝石学協会さんのページで説明されていますのでご参照ください。

カメレオンのオブジェからカメレオンダイヤモンドとベタな流れになりましたが、如何でしたでしょうか。

今週から暫く夏季休暇をいただきます。