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世界同時不況の最中、ダイヤモンドのマーケットも他の産業と同様に在庫調整が続いています。
最大の消費国である米国からの需要がピタッと止まったことから、昨年の11月からマーケットは機能停止状態に陥っています。

インドでは例年、ディワリ(インド暦の正月。)の時期に、1週間から2週間、工場の操業を停止します。
昨年は11月に休暇に入りましたが、年が明けても生産を再開しないところが多く、現在も工場の稼働は限られたものとなっています。

量では圧倒的な生産規模を誇っているインドの研磨産業がこの有様ですので、中国、バンコク、アントワープ、イスラエル等の他の研磨地も推して知るべしです。
ダイヤモンド原石は投機もあって、研磨済みの価格以上に上がったため、他の商品相場同様に年末までには急落しました。
特に大粒のダイヤモンド原石の中にはピークの半値になったものもあります。

では、大粒研磨済み価格は同様に下がったのでしょうか。
答えは、“Yes”であり“No”でもあります。
資金繰りに困窮した業者の中には、投売りをするところが出ています。
しかし、多くの業者は依然強い価格を維持しています。
バイヤーにとっては、欲しいものを探すと決して安く買えないが、必要でないものに限って極端に安い商品があると言うアンバランスな状態です。
特に素材、姿かたちが良いファンシーシェイプは商品自体が少なく、探すのが困難です。
何れ研磨済み価格は、需給の見合うところに収斂していきます。
大粒の研磨済みもある程度の値下がりは避けられません。
これは、ドル建ての国際相場の話です。

では、日本での大粒ダイヤモンドの小売価格はどうなっているのでしょうか。
値下がっているかと言えば“No”です。
では、世界的に割高かと言えば、それも“No”です。
日本では、不況が続いていたために相場が急騰した過去2、3年の間も仕入れを控えていたお店が殆どで、店頭在庫も値上がり前の値段から改定していないお店が少なくないからです。
そのため、ここ数年は日本から海外に大粒ダイヤが流失しました。
品質はお店によって様々ですが、世界的に見ると大粒ダイヤモンドの値段は日本の方が安かった時期だったと言えます。
これからは世界の相場が下がることで日本との価格差が少なくなる局面になるでしょう。

相場に加えて小売価格の重要な要素は為替です。
昨秋からの円高は、ドル建てで相場が立つダイヤモンドの仕入れには有利です。
但し、流通のどの段階でも過去の在庫がありますので、本来は急激な価格調整はできません。
一定期間後に段階的に調整するのが一般的です。
消費者の方が円高を享受するには、ドル圏(ペッグ制も含む)で買い物するのが一番の早道です。
日本のティファニーさんが昨年から合計で15%も値下げを行ったのも、本国との為替による内外価格差を是正するためです。
但し、海外で買い物をして円高は享受できても、商品が価値に見合った価格かどうかは別の話です。