The Spirit of Beauty VCA

早いもので、2009年10月31日から始まったヴァンクリーフ&アーペルさんによる、ブランドの100年の歴史を振り返る展覧会ザ スピリット オブ ビューティー展も残り3日になり、この期を逃しては、と急いで行ってきました。

ヴァンクリーフさん所蔵のアーカイブコレクションに、世界中から集めたプライベートコレクションを加えた約300点は見ごたえがありました。

2006年にパリのヴァンクリーフさん本店のインテリアデザインを務めたフランス人建築デザイナー、パトリック・ジュアン氏による独創的な舞台設定によって、見る者を夢の世界に誘います。

私は一般の方の憧れの視線とは別に、ジュエリーが作られた年号に注目し、以下の変遷を見ていきました。

1.細工や技術
2.材料宝石の形
3.宝石の処理

結果は、

1.年代が若いほど細部にまできちっと手が入っています。
  かけた時間の差は歴然です。

2.細かいダイヤモンドは、現代に近づくほどファンシーシェイプが
  少なくなり、ラウンドが多くなってきます。
  経営の効率化が進んでいます。

3.1960年代以前のルビー、サファイアは無処理で透明度が高く、
  一つ一つに個性があります。
  1970年代以降は加熱が中心です。
  全体の色は揃っていますが、透明度は以前のものに敵いません。
  
  同じケースにルビーのミステリーセッティングで1966年と2008年の
  ジュエリーが一緒に展示されているものがあります。
  下の写真のブローチ(1966年)とネックレス(2008年)です。
  ご興味のある方は比較して見ると無処理と加熱の違いがわかります。
  どちらもビルマ(ミヤンマー)産であり、古い方はモゴック鉱山のもの、
  最近の方はモンスー鉱山のものと思われます。
  3枚の葉のクリップ1966年リュバンネックレス2008年











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