まずは、最近高値安定している大粒のカラーレスダイヤモンドの結果からご紹介します。
以下の3点は人気ブランドのステップカットのダイヤモンドリングです。
稀少性の高い宝石はブランドでなくても評価されますが、そのときに人気のあるブランドはプレミアムがつきます。

○Diamond Ring BY GRAFF
20.16cts D IF by Graff.

Square-shaped Step-cut Daimond 20.16cts
D IF
Estimate:$2,500,000-$3,500,000

落札価格(含手数料）：CHF2,714,500 (約$2,725,000　約2億2,600万円）
1カラット当たり：約$135,000(約1,100万円）
アッシャーカットに括られて取引されているSquare-shaped Step-cut Daimondです。
分かりやすく言えば四角いエメラルドカットです。
欧米ではここ数年人気が高く、長方形より高値がつくことがあります。
イーグルクロー（鷲爪）の2本爪でセットされ、ショルダー（肩）のテーパーシェイプダイヤモンドがより豪華さを演出しています。


○Diamond Ring by Harry Winston
20.18cts D VS2 by Harry Winston

Square-shaped Step-cut Daimond 20.18 ts
D VS2
Estimate:$1,000,000-$1,600,000

落札価格(含手数料）：CHF2,434,500 (約$2,444,000　約2億300万円）
1カラット当たり：約$121,000(約1,000万円）
一番上とほぼ同じ大きさのSquare-shaped Step-cut Daimondです。
違いは、ダイヤモンドのコーナーの大きさとリングのプロング（爪）の形状です。
前者の鷲爪に対して四角い2本爪でセットされています。
ダイヤモンドは同じDカラーで、クラリティーがIFに対してVS2と大きく差がありますが、落札価格はほぼ同じです。
この価格帯の商品ではブランドのプレミアムでここまで価格が上がることは殆ど考えられません。
カタログにも記載はないので、GIAのPotentially Internally Flawlessではありませんが、キズが深くなく20カラット前後でInternally Flawlessになると判断された結果ではないかと推測します。
このサイズになるとVS2でも肉眼で見えることがありますが、カタログの拡大写真でも確認できないのでキズがあるとしてもパビリオンサイドのガードルに近いところあたりでしょうか。
通常、GIAがPotentially Internally Flawlessと記載する場合は、表面のキズを再研磨して除けばInternally Flawlessになる可能性がある時に限ります。
オークションに参加するようなプロはキズの深さを観察して再研磨を考慮して価格を算出します。
もちろんリスクはありますが、成功すると格安で手に入れることが出来ます。
但しこの落札価格は既にInternally Flawlessを織り込んでいるので価格よりも商品に魅力を感じた結果ではないかと思います。


○Diamond Ring by Van Cleef and Apels
16.27ct D VVS1 by VCA

Octagon-shaped Step-cut Daimond 16.27ts
D VVS1
Estimate:$1,200,000-$1,800,000

落札価格(含手数料）：CHF1,874,500 (約$1,882,000　約1億5,600万円）
1カラット当たり：約$116,000(約960万円）
Cut-cornered（隅切り）が大きく、エメラルドカットと言うよりもOctagon（八角形）と呼ぶのが相応しい特徴的なシェイプです。
コーナーの大きさを強調するために爪を8つのコーナーに近いところにセットしています。
大きなキュレットとシンメトリー（ファセットの対称性）のおおらかさから歴史のあるダイヤモンドであることを想像させます。


次回に続く。