立爪リング

日本で独自の進化を遂げた携帯電話等が世界標準から掛け離れてしまう現象をガラパゴス化と称し問題になっています。
ジュエリーにもガラパゴス化は存在します。
その代表格は、ダイヤモンド立爪リングです。

ヨーロッパのジュエリーの伝統を受け継いだ米国でも、婚約指輪にダイヤモンドソリテールリング(立爪リング)を選ぶ方が沢山います。
しかし、ダイヤモンドのサイズは大きく異なります。
多くの方が1カラット以上を求めます。
品質は、予算によってかなりの幅があります。

翻って日本では高度成長期にダイヤモンド原石供給会社による戦略的な販売促進で0.3カラットサイズ前後が主流となりました。
カラー、クラリティーの稀少性を高めて小粒ダイヤモンドを高値で販売しようとするものです。
かくして小粒ダイヤモンドのソリテールリング(立爪リング)と言う奇妙なマーケットが生まれました。
更に細部に拘る日本人の性格が災いして、カットの精度を追求して付加価値をつけた結果一段とサイズが小さくなり、0.2カラットサイズのソリテールリングも出現しています。
このサイズのダイヤモンドのカットの精度を必要以上に上げる事は天井裏の柱をピカピカに仕上げる事と同じです。

これが日本のジュエリーのガラパゴス問題です。

独自の進化を遂げた携帯電話は日本人にとって便利なので商品自体に問題はありませんが、小粒ダイヤモンドのソリテールリング(立爪リング)は購入後は殆ど使えないので別次元の問題です。
大切なのは、ソリテールリングのスタイルに合うサイズのダイヤモンドを選ぶことです。
本来ならばジュエリーは一生使うことが出来る商品ですが、スタイルを間違えると全く使えない無駄なものになります。
確かな買い物をして長くお楽しみ下さい。