○鑑別レポートビジネスに力を入れ始めたGIA

4Cの創始者としてダイヤモンドグレーディングにおいてはで揺るがない地位を築いてきたGIAも鑑別レポートの発行ではスイスのラボの後塵を拝していました。
転機はGIA Munbaiの開業でした。

ダイヤモンドの研磨地として圧倒的なシェアを握っているインドのダイヤモンド取引の中心地Munbaiに大規模なラボを作ったことが大成功して経営基盤が磐石になったことがカラーストン研究への投資を可能にしました。
もともと本国では高度の研究がなされ機関紙Gem & Gemorogyで定期的に論文を発表してきましたが、レポートビジネスには直接結びついていませんでした。

積極的に世界各地の鉱山で原石のサンプルを収集して一元管理しています。
データはサーバーに一括保存され必要に応じて照らし合わすことが出来ます。
鑑別においてサンプルは多いほど精度が高くなります。
特に産地の同定においてはより重要です。
豊富な資金を元にした組織的なフィールドワークがGIAを鑑別においてもトップブランドにする日は遠くないかも知れません。

GIAラボは現在米国以外でカラーストーン鑑別のラボがあるのはバンコクと東京だけです。
カラーストンの集荷地でもない東京にカラーストンのラボが出来たのはひとえにアヒマディ博士の存在によります。

ご存じない方のためにアヒマディ博士の略歴をご紹介します。

アヒマディ博士




アヒマディ博士は中国新疆ウイグル自治区出身で北京大を卒業し、京都大学の理学研究科の地球惑星科学専攻で博士号を取得しました。
その後、今は無き全国宝石学協会でダイヤモンド、カラーストーンと真珠などの研究に従事し、レーザーアブレーションICP−MS分析装置による微量成分から宝石の原産地判別する新たな鑑別方法を生み出したパイオニアです。
研究結果は多数の国際会議で発表され、今では世界レベルのラボでは欠かせない鑑別技術になっています。

博士の存在がGIAを動かして東京に鑑別のラボを作らせました。
私はこの幸運に感謝します。

また、GIA Tokyoラボでカラーストーン鑑別のために採用された社員は博士号を取得して英語が堪能なことが条件です。
1台数百万円から数千万円の機器を揃えて、ポテンシャルのある職員が世界中から集められて豊富なデータに基づいて行う鑑別を想像してください。
期待せずにはいられないでしょう。

今後もGIA Tokyoの活躍に注目していきます。





GIA Tokyoがもたらす国際化 以上。