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今日の日経新聞朝刊1面に世界的に話題の「21世紀の資本」の著者であるパリ経済学校教授トマ・ピケティ氏が記者のインタビューに次のように答えています。

――日本の現状をどう見ますか。

 「財政面で歴史の教訓を言えば、1945年の仏独はGDP比200%の公的債務を抱えていたが、50年には大幅に減った。もちろん債務を返済したわけではなく、物価上昇が要因だ。安倍政権と日銀が物価上昇を起こそうという姿勢は正しい。物価上昇なしに公的債務を減らすのは難しい。2〜4%程度の物価上昇を恐れるべきではない。・・・」
2014年12月22日 日本経済新聞 朝刊1面 (展望2015)
−グローバル化に透明性を− パリ経済学校教授・ピケティ氏

歴史に学べば日本の公的債務は返済ではなくインフレでしか解決できないと主張しています。

経済学者同士の政策闘争には頓着しませんが、歴史が伝える事実は重く受け止めたいと思います。

バブル崩壊後日本経済は20年以上に渡ってデフレに陥りました。
宝石もその間の円高で弱含みで推移しました。
更に昔を振り返りますと1971年に為替の固定相場制を廃止してから近年まで一貫して円高で、ドル建てでは値上がりしていた宝石も日本に於いては値下がりの歴史でした。
30年、40年前に購入した宝石の買い取り価格が極端に低くなるのは流通マージンの問題だけではなかったのです。

デフレのメリット・デメリットは別にしてインフレがやってくると日本に於いても宝石は値上がりして行きます。
値上がりと聞くと眉をひそめる人が多いと思いますが、欲しい宝石を待たずに買いやすくなります。
将来値下がりしそうだと考えると控えますが、値上がりしそうだと思うと早く買っておこうと思うのが人情です。
また値上がりしていれば昔買ったものが良い値段で売却出来たりもします。
もっとも同時に所得も上がって行けば貨幣価値が変わっただけで見かけに過ぎませんが、気分が違います。
また業者にとってもインフレは歓迎すべき事です。
新しい仕入れは高くつきますが、その分在庫全体の評価もあがりますので在庫が持ちやすくなります。
円高の局面では新規の仕入れは安く出来ますが、その分全体の在庫の評価を下げざるを得ません。
宝石のビジネスは在庫あってのビジネスなので環境が好転します。

既にアベノミクスによる円安で宝石の輸入価格は20%以上値上がりしています。
日銀の目論見通り2%程度のインフレが続くと宝石も右肩上がりで値上がっていくでしょう。
そうなるとお目当てのジュエリーは早く買ったほうがよさそうです。