ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

サファイア

バンコク買い付け ルビー、サファイアマーケット状況

不景気にも拘わらず、依然として良質のルビー、サファイアは不足しています。
新興国で底辺の需要を支えていた中国やロシアもここに来て、より良質なものを求めてき始めているので、一層状況は悪くなっています。

加熱処理ルビーは、相変わらずモンスー鉱山産(ミヤンマー)が主流ですが、直近の現地の原石オークションでは、リザーブプライスが高すぎるために殆どが落札されずにいます。

加熱処理サファイアの既存の産地の供給減を補っているのが、アフリカ産です。
最近はパイリン(カンボジア)産が枯渇して殆ど供給がないのを近い色合いのナイジェリアのMabira産の良質のものが補っています。
同じMabira産でも低品質のものはオーストラリアのロットに混ぜられて販売されています。

マダガスカルは当初、スリランカ産に混ぜられて販売されていましたが、既に産地として確立して販売されています。

 加熱を施さない無処理のルビー、サファイアの需要は世界的に増加していますが、本来の宝石品質は限られているので、価格は上昇の一途です。
以前はルビーの最高品質で10カラットを越えるとダイヤモンドを凌ぐと言われていましたが、今は既に5カラットサイズで逆転しています。
今後は更に小さなサイズも高騰が予想されます。

続 カシミールサファイア

前回の続編です。

カシミールサファイア 22.66カラット クッションシェイプ
落札価格 $3,064,000  1ドル120円換算で3億6千7百万円

オークションのカタログによると、このサファイアは1886年に$2,200で購入されたそうです。
何と1,300倍以上になったことになります。
James Hill氏は、家族の財産の為に購入されたそうですが、120年後に1,300倍になったことは
正に思惑通りだったのではないでしょうか。


このオークションではこのほかにレッドダイヤモンドが特筆すべきでしょう。

1.59カラット ラディアントカット 
Fancy Purplish Red VS2
落札価格 $958,400 1ドル120円換算で約1億1千5百万円
     1カラット当たり$602,76 約7千2百万円

個人的には、レッドダイヤモンドの美しさは評価していませんが、ダイヤモンドの1カラット当たり価格のオークションでの記録はレッドダイヤモンドが持っていることからコレクターには格好のアイテムです。

カシミールサファイア

少し前ですが、4月25日にニューヨークのクリスティーズオークションに出品されたカシミールサファイアが信じられない価格で落札されました。

Kashmir Sapphire 22.66ct from James j. Hill













22.66カラット クッションシェイプ
落札価格 $3,064,000  1ドル120円換算で3億6千7百万円
            1カラットあたり約$135,000 約1千6百万円

サファイアのオークションの価格としては、過去最高の価格です。
同時に1カラットあたりの価格も過去最高でした。

このサファイアは米国のグレート・ノーザン鉄道(GN Great Northern Railway)の建設で有名な鉄道王ジェームス・J・ヒル(James J. Hill 1838−1916)が残した由緒正しい宝石の一つです。

実物を拝見していないので、美しさはお伝えできませんが、落札価格にはショックを受けました。
オークションの常で最後にどうしても落札したい人が二人残ると相場では考えられない価格になることが良くあります。
ただし、宝石は一つ一つが異なり、落札価格が相場になりますので、高い安いは安易に言うことが出来ませんが、これで、カシミールサファイア全体の相場が上がる気配がします。
既にここ2年はビルマ産の無処理ルビーは、相場が跳ね上がっています。
次は、カシミールサファイアかも知れません。

稀少性の高い宝石は、既に過熱状態です。
まだ上がり続けるか否かは分かりませんが、長い目で見れば、価格は上がれば下がります。
もっと長い目で過去を振り返れば、貨幣価値の下落によって上がり続けています。
何れにしても、宝石は投機で買うべきでありません。
あくまでも、身に着けて楽しむことが目的で、楽しんだ後にもある程度の価値が残ると考えると良いでしょう。

このオークションのハイライトはインドのマハラジャが所有していた天然真珠のネックレスのセットでした。
こちらも、オークションにおける天然真珠の価格では過去最高でした。
価格は、何と$7,096,000 約8億5千万円です。
こうなるとコメントのしようがありません。
天然真珠は、ある程度計画的に生産できる養殖真珠と異なり貝が偶然に作り出した稀少性の高いものです。
カシミールサファイアも天然真珠も稀少性が高いことに加えて氏素性が良いことが高値を生みました。


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