ダイヤモンド原石






6月のアントワープ ダイヤモンド市場をレポートします。

〇原石市場

昨年の世界的な商品相場の下落に伴い、ダイヤモンド原石価格もピークから50〜70%下がリましたが、ここ2ヶ月で20〜30%の値上がりに転じました。
これは、まず、ショックで生産が止まっていた研磨工場も稼働率を確保することから規模を縮小しながらも4月以降生産を再開したところが増えた事が上げられます。
次に政府の後押しで銀行が資金難に陥っていた業者に救済的な融資を行い、破綻せずにどうにか企業活動が出来るようになったことも大きな要因です。
中には低迷している研磨済み価格から考えると説明がつかないので、再び投機が始まったと主張している業者もいます。
現在、DTC(De Beers)を除いて原石取引の中心は入札です。
入札制が価格の変動幅を大きくしているのは否めません。
研磨済み価格が主に需要によって動くことに比較して、原石価格は常に思惑や投機で研磨済み価格より大きく上下に振れます。
傾向が長期に渡るともちろん研磨済み価格も連動しますが、短期的には必ずしも同じ動きにならないことが原石価格を分かり辛くしています。