ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

合成ダイヤモンド価値

De Beers "LIGHTBOX"購入!

Lightbox

話題のDe Beersが売り出した合成ダイヤモンドジュエリーLIGHTBOXを実際に購入してみました。
現在は米国のネットのみの販売なので、米国で入手しました。

購入したのはカラーレスの1/4カラットのシルバーペンダントとピンクの1/8カラットのK10ピアス(片方)です。
ホワイト、ブルー、ピンクのパステルカラーの紙製のボックスに透明なプラスティックの窓がついていて中身が見えるようになっています。
Lightbox箱

リボンを引き出すと商品が出てきます。
Lightbox箱オープン

安っぽいと言う意見とこの価格帯では良く出来ていると言う意見が半々です。

価格設定は非常にシンプルでわかりやすくなっています。
石と枠が別々で石は1/8カラットから1カラットまで1カラット当たりの単価は$800で統一していますので石目方を掛けるだけです。
Lightbox Priciing

天然のダイヤモンドは大きくなればなるほど1カラット当たりの単価が上がりますが、LIGHTBOXはこのサイズの稀少性は無視です。
またカラーレスでもピンクでもブルーでも価格は同じです。
天然でしたらピンク、ブルーはカラーレスとは比較にならないほど高価です。
また、サイズ(石目方)の表記1/4、1/2、3/4と裸石のプロが使うサイズ範囲を表記しているのもDe Beersらしいところです。
上下1割ぐらいの幅があっても天然ダイヤモンドのような価格差にしないところもはっきり差別化しています。
各サイズの石目方の範囲は以下の通りです。
Lightbox max and mi weight

枠代もシンプルでシルバーはプラス$100、K10はプラス$200でメレー(これも合成ダイヤモンド)があってもなくても一緒です。
送料も米国内だけですが、普通のFedexでプラス$15、お急ぎ便(月曜から木曜の14時までに発送すれば翌日着)でプラス$25とこれもシンプルです。
石代+枠代+送料+州税が支払金額となります。
また、ピアスは片方だけの価格なので両耳分は倍になります。
片方だけ楽しみたい方や片方無くしても1個だけ買い足せば済むので合理的とも言えます。
私の女性スタッフは無くしても気にならないのでピアスは欲しいと言っていました。
石留等の作りも安価なジュエリーよりも丁寧に作られているのも良心的です。
実際のインボイスはこちらです。
Lightbox Invoice for white

Lightbox Invoice for Pink

さて、肝心の実物を肉眼、ルーペによる10倍の拡大で見ても天然ダイヤモンドとの差は分かりません。
天然ダイヤモンドの高品質と比べても遜色なく、天然ダイヤモンドの中級以下の品質より遥かに綺麗です。
カットも過不足なく十分綺麗です。
LIGHTBOXは合成ダイヤモンドにグレーティングレポートをつけるのは意味がないとして一切つけていませんが、技術の向上でいくらでもカラー、クラリティーを良くすることができるのでもっともな姿勢です。
GIAが独自に入手した2石のカラーレスのLIGHTBOXはGカラー、VSクラリティーでカットもEX-VGの範囲に入るものだったと報告しています。
また、これまでは合成ダイヤモンドも天然ダイヤモンドと同様に4Cのレポートを作成していましたが、厳密なグレードではなく大雑把な範囲を記すものに変更を余儀なくされています。
また、GIAはLIGHTBOXはCVD法(化学気相蒸着法)で作られていますが、通常CVD法で作るとブラウン味を除去するために更に高温高圧で処理しなくてはなりませんがLIGHTBOXは高温高圧処理の痕跡がなく、1工程抜かす事が競争的な価格につながっていると述べています。
但し、ガードルにLIGHTBOX LAB GROWNとはっきりレーザー刻印されていますので不注意で天然ダイヤモンドと混ざってしまっても簡単に分けることができます。
Light box刻印拡大

ピンクについては紫外線長波でオレンジの蛍光を示しますので、CVD法で合成した後に放射線処理してピンクにしていることが分かります。
天然のピンクダイヤモンドはブルーの蛍光を示しますので、処理の鑑別は容易です。
右のオーバルが天然のピンクダイヤモンドです。(因みにFancy Intense Pinkです)
Lightbox pink and natural pink

Lightbox pink and natural pink flu


天然ダイヤモンドとそれ以外を判別できるGIAのID100ではメレーダイヤモンドも全て天然ダイヤモンドではないと出ました。
□ID100


圧巻なのは、付属している小さなリーフレットの内容です。
Lightbox leaflet

実際の画像はこちらですが、見にくいので下記に原文と訳を記しました。
Lightbox leaflet1
Lightbox leaflet2

Science & Sparkle

Loboratory-grown diamond
Our gems are grown in a laboratory.
Created by scientists.
While the process needed to create them is different form nature, they are just as sparkly and just as hard.

Brilliant stuff
Put a tiny piece of diamond in a plasma reactor. Heat to approximately 7,000 degrees Farenheit.
Rain down carbonatoms.
After 400 to 500 hours, the crystal is ready to cut into polished stone.

Made by experts
Our raw gems are created exclusively for us by Element Six in the UK.
They're among the world leaders in the labo-grown diamond field with over 30 years of R&D.

Choose your color
Lithtbox comes in pink and blue as well as classic white.
in natural diamonds. pink and blue sotnes are extraordinarily rare and valuable.

Written in sotne
Made to constant high stanndard our stones don't need certificates.
Instead each one larger than 0.2 catrats has this symbol inscribed at its heart as promise of quality.
Among the finest lab-grown diamonds you can find.
Lighter on your pocket
Natural diamond are rare, precious, and about 3billion years old.
Ours take just 2 weeks to make.
So they can be priced more accesibly.

With love & sparkle
TO FROM



科学と輝き

実験室で成長したダイヤモンド
私たちのGemは実験室で成長しています。
科学者によって作られました。
それらを作るプロセスは天然と異なりますが、輝きと硬さは同じです。

素晴らしいもの
小さな一枚のダイヤモンド種結晶をプラズマ反応器に入れ、華氏約7,000度まで加熱し、炭素原子を上から振りかける。
400ー500時間後、結晶は研磨が出来ますようになります。

専門家による生産
私たちの素材はイギリスのエレメントシックス社によって私たちのためだけに作られています。
彼らは、30年以上の研究開発の歴史のあるラボグロウンダイヤモンド分野の世界的リーダーです。

あなたの色を選んでください
Lithtboxには、ピンクとブルー、そしてクラシックホワイトがあります。
天然ダイヤモンドピンクとブルーは並外れて稀少です。


で書かれた
私たちの石は証明書を必要としません。
代わりに、0.2カラット以上は、品質の約束としてこのシンボルを刻んでいます。
あなたはこれらの中から最高級ラボグロウンダイヤモンドを見つけることができます。

手頃な価格
天然ダイヤモンドは稀少価値があり、貴重で、そして約30億年前に生まれたものです。
私達のものは作るのにわずか2週間で出来ます。
だからより手頃な価格にすることができました。

〇〇より〇〇へ愛と輝きを添えて


特に「天然ダイヤモンドは稀少価値があり、貴重で、そして約30億年前に生まれたものです。私達のものは作るのにわずか2週間で出来ます。」というくだりは合成ダイヤモンドの本質を良く表しています。
技術が更に向上すれば更なるコストダウンがなされれば役割は更に明確になります。

蛇足ですが、タグの裏に「タグを外したら返品出来ません」と記されているのが米国的です。
Lightboxタグ裏

何れ日本にも上陸してくると思われますが、合成ダイヤモンドの価格はLIGHTBOXの価格に収斂せざるを得ないと思います。

以上、De Beers のLIGHTBOXに関してまとめましたが、最後に合成宝石はオークション等の再流通市場では殆ど価値を認めていないことを加えておきたいと思います。

De Beers LIGHTBOXが映し出す合成ダイヤモンドの実像

Lightbox

昨年9月28日にDe Beersは合成ダイヤモンドジュエリーブランドLIGHTBOXを発売しました。

そのポリシーは合成ダイヤモンドとは何かを十分に示唆しています。


1.価格は天然ダイヤモンドの10分の1
巷では天然の30%引きとか天然の半分の価格とか様々な価格が存在しています。設備さえ整えれば量産が出来、いづれ価格は下がって行くことが予想されましたが、その前にDe Beersが一気に10分の1からスタートしたことは競争相手を戦意喪失させました。天然ダイヤモンドはサイズが大きくなればなるほど1カラット当たり価格も上がりますが、1カラットまでは全て1カラット当たり$800としたことで違いをはっきりさせました。またDe BeersのCEOは、ちょうど液晶テレビが出たてでは高価で、技術が向上して品質が上がった頃、価格が大幅に下がったことに例えています。技術革新と量産体制の進捗によって価格は更に下がって行くと示唆しています。

2.カラーレスもピンクもブルーも同一価格
合成ダイヤモンドの色は生産過程の加工次第でいかようにもなるので、天然ダイヤモンドのような稀少性の違いは無いとしています。今後は市場の好みを反映してトーンの調整もするとしています。

3.グレーディングレポートはつけない
天然とは異なりカラーやクラリティーの調整は可能なのでレポートで差をつけることに意味がないので不要としています。

4.処理の情報公開はしない
合成ダイヤモンドはカラーレス、ピンク、ブルーに仕上げるために高温高圧処理や放射線処理等を施すことがありますが、天然ダイヤモンドとは異なり処理はダイヤモンドを人造する技術的プロセスのもう1つのステップであるため価値に影響を与えず、消費者に伝える必要はないとのことです。合成ダイヤモンドはmanufactured product(工業製品)なので加工過程が何段階あるかは関係ないとしました。

5.ジュエリーはシルバー又はK10で製造
天然ダイヤモンドのジュエリーと異なり合成ダイヤモンドジュエリーは価値を求めるものではなくファッション的に気軽につける装身具なのでプラチナやK18と言った宝石の装身具の素材ではつくらない、としています。

○参考記事(英文)
De Beers: No Need to Flag Synthetics Treatments
De Beers says LGD prices have dropped 60 percent

画像:LIGHTBOX




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