ジュエリーコンシェルジュ原田信之

原田信之 所有されているジュエリーの活用方法をアドバイスする株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー JAAG(ジャーグ)の代表のブログ。オークションの査定や百数十回に及ぶ宝石の海外買い付け、ジュエリーのプロデューサーとしての経験を生かして、相続や売却、資産性のある宝石の購入のアドバイスをします。

Fancy

ジュネーブ サザビーズ オークション結果

昨日17日(火)ジュネーブのサザビーズのオークションが行われました。
合計金額 37,011,374CHFスイスフラン(約33億円)、落札率79.1%(数量、金額共)と言う好結果になりました。
稀少性の高いファンシーカラーのダイヤモンドが引き続き過熱していますが、一方では5.96cts Fancy Vivid Blue($5,500,000-7,500,000)が不落で終わり、高値に警戒感も出ています。
代表的な落札結果は以下の通りです。
金額は手数料込みです。

○カシミールサファイア ダイヤモンドリング
 9.41cts Kashmir Sapphire AGL & AGTA
CHF650,000 $637,000($68,000/ct)
約5千800万円(1カラット当たり約6百万円)41cts Kashmir Sapphire AGTA&AGL


○エメラルド ダイヤモンドリング
19.04cts Natual Emerald Colombian origin SSEF
 コロンビア産 エメラルド(無処理)
CHF542,500 $530,000($28,000/ct)
約4千800万円円(1カラット当たり2百50万円)
>04cts Natural Emerald SSEF


○ダイヤモンドリング by Harry Winston
21.01cts D VVS2 GIA
CHF1,594,500 $1,580,000($75,000/ct)
約1億4千200万円(1カラット当たり約6百75万円)
01cts EM D VVS2 by Harry Winston




○ピンクダイヤモンドリング
 6.63cts Fancy Pink VVS1 GIA
CHF1,426,500 $1,450,000($219,000/ct)
約1億2千700万円(1カラット当たり約1千900万円)63cts Fancy Pink VVS1

○イエローダイアモンドリング
 74.80cts Fancy Vivid Yellow VS1
(GIAがグレードした最も大きいFancy Vivid Yellow)
 CHF3,162,500 $3,100,000(41,000/ct)
 約2億8千200万円(1カラット当たり約380万円)80cts Fancy Vivid Yellow VS1

○ブルーダイヤモンドリング 3.17cts Fancy Intense Blue VVS2
 CHF2,546,500 $2,500,000($788,000/ct)
 約2億2千700万円(1カラット当たり約7千150万円)
 Intense Blue1カラット当たりの世界最高価格(オークション史上)
17cts Fancy Intense Blue VVS2


○グリーンダイヤモンドリング
 2.52cts Fancy Vivid Green VS1 GIA
CHF3,106,500 $3,000,000($1,190,000/ct)
約2億7千700万円(1カラット当たり約1億1千万円)
 Green Diamond 1カラット当たり世界最高価格(オークション史上)
52cts Fancy Vivid Green VS1

Fancy Vivid Yellow

1.5ct size Fancy Vivid Yellow










また黄色の綺麗なダイヤモンドに出会ってしまいました。
1.5カラットサイズはメインストンとしては小さいのですが、あまりに綺麗なので買ってしまいました。
ブラウン味を全く感じない本当に彩度が高く、全体に色がのっている逸品です。
GIAのカラーグレードは当てにしませんが、これはVividと言えます。

最近のファンシーカラーのブームで色が十分にのっていない素材をカットの技術で濃く見せるようなものが主流ですが、このダイヤモンドは、ノーマルなカットです。
色を濃く見せる一般的な技術は、ガードルの下から垂直に近いファセットを伸ばしてカラーストンのバルジに近い溜めを作って色をのせます。
下の写真で分かるように、このダイヤモンドは全くのノーマルなブリリアントカットです。

1.5ct size Fancy Vivid Yellow pavilion








私は、見せかけか実際に濃いものか見ればわかりますが、一般の方でも分かる方法があります。
これは、サファイアやエメラルドなどの色溜まりを見るときにも用いますが、透明なガラスの容器に水を入れて宝石をフェイスダウン(テーブルを下にして)見ると分かります。
全体に色がのっている素材の良いものは、水に入れても変わりませんが、見せかけのものは本来の薄い色になります。
裸石を持っている方は試してみると面白いと思います。
但し、このペアーシェイプのダイヤモンドのような素材のものは稀なので、あまり期待をしないほうが良いと思います。



Fancy Intense Green

ファンシーグリーン









今日は、ニューヨークより良い知らせがありました。

7月に買い付けた0.5カラットサイズのグリーンのダイヤのカラーグレードが決まったとニューヨークのGIAよりメールが来ました。
結果は、Fancy Intense Green Natural Colorです。
過去20数年間、グリーンのダイヤモンドを幾つもGIAに送りましたが、常に「天然か処理か判断がつかない」と言う結果でした。
初めてNaturalがとれたものが、Fancy Intense Greenとは感激です。

バイヤーにとって何もレポートがついていない宝石を買うことは当たり前です。
但し、ファンシーカラーの類のダイヤモンドをレポートなしで買い付けることは大きなリスクがあります。
特にグリーンの場合は、判断がつかないものが殆どです。
ご存知のように、ダイヤモンドのグリーンの色の起源は、放射線です。
自然界から受けた放射線か人工的に照射されたものかの判断が難しいのでNaturalと記載されたレポートは極稀です。
その中でも綺麗なものは、更に稀少です。

既にGIAのレポートがついていたグリーンのダイヤモンドを扱ったことは何度もありますが、どれもクラリティーが極端に悪かったり、グリーンといっても彩度が低いものだったりしましたが、今回は、自分で見極めていますので納得の品質です。
スタッフからは、非売品にしたらと言う声も出ていますが、非売品が増えてしまって、利益責任のある身にとっては辛いところです。
現物が戻ってきたら、もっと綺麗な写真をアップしますので楽しみにしてください。

奇しくも、今日は私の誕生日です。
何よりのプレゼントでした。


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