Lightbox

昨年9月28日にDe Beersは合成ダイヤモンドジュエリーブランドLIGHTBOXを発売しました。

そのポリシーは合成ダイヤモンドとは何かを十分に示唆しています。


1.価格は天然ダイヤモンドの10分の1
巷では天然の30%引きとか天然の半分の価格とか様々な価格が存在しています。設備さえ整えれば量産が出来、いづれ価格は下がって行くことが予想されましたが、その前にDe Beersが一気に10分の1からスタートしたことは競争相手を戦意喪失させました。天然ダイヤモンドはサイズが大きくなればなるほど1カラット当たり価格も上がりますが、1カラットまでは全て1カラット当たり$800としたことで違いをはっきりさせました。またDe BeersのCEOは、ちょうど液晶テレビが出たてでは高価で、技術が向上して品質が上がった頃、価格が大幅に下がったことに例えています。技術革新と量産体制の進捗によって価格は更に下がって行くと示唆しています。

2.カラーレスもピンクもブルーも同一価格
合成ダイヤモンドの色は生産過程の加工次第でいかようにもなるので、天然ダイヤモンドのような稀少性の違いは無いとしています。今後は市場の好みを反映してトーンの調整もするとしています。

3.グレーディングレポートはつけない
天然とは異なりカラーやクラリティーの調整は可能なのでレポートで差をつけることに意味がないので不要としています。

4.処理の情報公開はしない
合成ダイヤモンドはカラーレス、ピンク、ブルーに仕上げるために高温高圧処理や放射線処理等を施すことがありますが、天然ダイヤモンドとは異なり処理はダイヤモンドを人造する技術的プロセスのもう1つのステップであるため価値に影響を与えず、消費者に伝える必要はないとのことです。合成ダイヤモンドはmanufactured product(工業製品)なので加工過程が何段階あるかは関係ないとしました。

5.ジュエリーはシルバー又はK10で製造
天然ダイヤモンドのジュエリーと異なり合成ダイヤモンドジュエリーは価値を求めるものではなくファッション的に気軽につける装身具なのでプラチナやK18と言った宝石の装身具の素材ではつくらない、としています。

○参考記事(英文)
De Beers: No Need to Flag Synthetics Treatments
De Beers says LGD prices have dropped 60 percent

画像:LIGHTBOX